地下の陽射し
お店の地下が試聴室&事務所になっているFACTIO。冬に近づくと、だんだ
んと午前中のひとときだけ陽射しが差し込んできます。お店のコンクリ床を抜
き、地下を改装したときに、そこまで計算したわけではなく、たまたま。気が
ついたら、こうなってしまった、ということで。
左側が差し込む陽射し、右側は照明。なかなかきれいなのです。これが。
でも陽射しは、ほんの短い時間だし、曇りだとダメだし、私以外の人が見る
機会はほとんどありませんのです。ハイ。
左側の木枠にはめ込まれた乳白色の板。以前はこれがなかったので床板の隙
間からポロポロとごみやら塵やらが地下に落ちてきたけど、もうそんなことは
ありませんぞ。しかし、この木枠も1階を改装したときに使えなくなったモ
ノ。これもたまたまの成り行きで、偶然の産物。それにしても、サイズといい
質感といい、まさにピッタシ! うまくいったもんです。
右の照明は、障子の転用。なんせ地下は天井高が2m弱しかないので普通の
照明器具を取付けることができません。頭に当たってしまいます。昔、ウィー
ンの国立オペラ座に行ったとき、喫煙室の天井面の全面に豆電球が取付けられ
ていたことを思い出して、真似っこ。喫煙室の天井面はとても高かったけど、
それはそれはきれいなもので。感心したのでした。
ちなみに、これがお店の床の端っこ。コンクリートの床をガンガン壊し、そ
こに木をはめ込み、鉄筋に固定。これはこれで苦労しましたぜい。最初は、パ
ンチングメタルを切り抜き、うまくゆかず。次は、巾の狭い床板を並べ、たけ
れどこれも×。コンクリの床面と穴を塞ぐ面が平にならんとです。三回目で、
このアイデアを思いつき、かなりイメージ通りに仕上がりました。
周囲のギザギザの採寸、それにに合わせて板を切り抜く方法、木の床板を固
定する方法、あれこれ試したけれど、アイデアを思いつくことに比べたら大し
たことではなく。すんなりと。
改装に次ぐ改装、でしたけど、少しずつ完成に近づいています。改装する気
になるのは、使っていてなにか不便だとかちょっと変だとか思う時。完成され
たイメージが最初にあるわけではありません。おかしい部分を少しずつ直して
ゆきます。仕事では、そういうわけにはゆきませんから、ストレスもなくとて
も気持ちの良い作業です。
また、直す部分に合わせて新しく作るばかりではなく、古いものをうまく使
いこなす面白さもかなり魅力的です。ピッタリと組み合わせることが出来た時
には、「女神が微笑んだ」と思わざるを得ないほどです。以前、TVで樹木希林
が骨董の番組をやってたけど、まさにその通りと、我が意を得たり、思わず膝
を打ちました。古いものをそのまま愛でるのもいーだろーけど、それを今に生
かして楽しむ心、これが私の考えるモノ作りなんだなー。これが。
ってなこと言ってる・・・・・・・・・・・・・・店主なのであります。
- 2011.10.25 Tuesday
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- 14:10
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- by factio