そして浜松へ
静岡で美味しい親子丼を食した後、相変わらずの豪雨の中、一路浜松。なかなか京都には着かないのでアリマス。建築家・藤森照信氏が設計した秋野不矩美術館が次の目的地。http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/lifeindex/enjoy/culture_art/akinofuku/
日が落ち、しかも豪雨。建物外観は見れないかも。とは思いつつ。やはり、かなり暗く
なって見えることは見えるけど私のカメラでは撮れませぬ(フラッシュの解除がわからず)
そこで同行のT氏の携帯カメラでパチリ。
屋根からの樋(木製)から雨水が盛大に。まるで滝のよう。豪快という言葉がぴったり。
雨は大変だけど、雨でなきゃこんな光景見れませんから。ラッキーといえばラッキー。写
りが悪いけど、落ちる雨水見えますかしら。
すでに閉館ぎりぎりですから、館内は我々二人と館員の方のみ。ここは土禁、日本画に
土足は似合わないという藤森氏の考えです。それに合わせて2室の床は大理石と簾状の敷
物(材料がわかりまへん)。肌触りが違います。きっと夏はよろしいのでしょう。楽しめ
ました。入口床と壁はワラのザク切りを混ぜた壁土、藤森氏得意の仕上げで。これも◎。
氏の建築をTVで観た時「縄文建築団」という素人集団が、建築の一部を担当することを
知りましたが。この美術館では外の手すりとこのテーブル&椅子がそれのようです。杉の
板をザックリと組み、天板を斧でバッサリと割った作り方は気持ちイー。いかにも素人的
発想。材料を目の前にして「どうすべえか?」とあれこれ思いめぐらせている様子が目に
浮かびます。
割れた切り口は、手が触れてもケガしないように適度に磨いてあります。サンドペーパ
ーではムリ、多分硬いブラシのようなもので磨いたのだろうと。同行のT氏と意見が一致。
それにしてもいさぎよい仕上げですなァー。
かなりの長さのテーブルですから真ん中で繋いであります。白い四角は、繋ぐためのボ
ルトを隠すため、でしょう。下から見るとボルトが見えましたから。2枚の板の合わせ目、
四角穴のえーかげんな作りがなんともいえません。私は好きですけど。四角の穴を開け、
ボルトで固定し、その後白い漆喰かなにかで穴を埋める。プロはきれいにとか技を用いる
とか、するところだけどなんせ素人集団ですから。そんなことには目もくれず、ズンズン
と作っています。
こちらは同様の作りのベンチ。見えにくいけど、右端壁側の座板がテーブルと同じ仕上
げ。左奥にはちっちゃな背もたれ。
なんせ素人ですから、脚が座板を突き抜けています。脚と座板を組んだ後に、座板をザッ
クリと割ったのでしょう。どの程度割れるのかわかりませんから、割りすぎて脚が出てきて
しまったのでしょう。微笑ましい仕上げがりです。板が厚いから多少の割れ目はへっちゃら
さ。
世の中なんでもかんでもキレイになってきています。プロと素人の距離はますます大きく
なり、建築の世界でも、ほとんど素人が手を出す事はなくなりました。これは家具の世界で
もおんなじこと。手作りが好きな方はいるし、作っているけど、そうでない人は買うことで
しか参加できないのではないでしょうか。モノを作るというのはもっと楽しいものだし、フ
ツーの人でも出来ることなんだけど、なかなか。
この美術館は、ロケーションも抜群(特に喫煙テラスからの見晴らしは素晴らしい)。
だけど残念ながらお茶が飲めないのです。芝生の庭は天気が良ければ座ってお茶を飲みたい
と思うのは私だけではないはず。なのに、お茶が飲めない。高台にあって駐車場からはけっ
こうな坂を歩かねばならないのに、お茶が飲めない。良い絵画を見た後には、ゆっくりと
一服して思い巡らせたい。なのに、館内ではお茶が飲めない。
素敵な場所に素敵な美術館。そこには地元出身の画家の作品がある。ここまではまこと
にけっこうなことですけど、それをどのように生かし育んでゆくか。これが運営する組織
に求められることではないかしら。感じの良い館員の方々も、もっと積極的に来場者の方々
と接したいと思っている様子がアリアリと感ぜられたので。より一層そう思ったのですけ
ど。
いよいよ、京都へ。何時に着くのか不安・・・・・・・・・・な、店主なのでした。
- 2011.11.30 Wednesday
- -
- 10:16
- comments(1)
- trackbacks(0)
- by factio