卒業制作の審査でパチリ
昨日一昨日の二日間、専門学校の卒制審査に行き、今日はようやく地下の階段下、将棋で
言えば穴熊囲いのようないつもの位置でもっさりしています。ほとんど出歩かないので二日
間続けてお茶の水まで出かけると海外旅行に行ったような気分になります。いや、マジで。
作品はいずれも力作揃い! と言いたいけど。かなり以前から感じていたモノ作りの
パワー減退に拍車がかかり全体的には物足りない内容。日本のモノ作りの衰えはこんなとこ
ろまで波及していると思えてなりません。どーするニッポン! それでいーのか!! 私は
いいけど。
個人のブログですから作品は撮影できず、もちろん顔もムリ。あれこれ探した末に後姿か
足元しか撮れないじゃん。ってことで。ね。撮り始めたもののこんなの面白いかいな。と思
わないわけではないけど、他に被写体がないから、しかたなくパチリパチリと。
机を片付けた教室に置かれた作品、それを取り巻きながらの審査が進行。手前のチェック
柄以外は黒、茶などの濃色ばかりの服装。まったく個人的な感想だけどデザイン関係の集ま
りでこんなどうってことない色ばかり着ている人が多いのは・・・・? なぜ??
椅子のない長時間審査です。しゃがみ込む人も出てくるのもむべなるかな。でもさ、
ブーツでしゃがむと脚が痛くならないのかしら。なんか足首がうっ血しそうだけど。
ほとんど唯一の「らしさ」を感じる二人。ちなみに男の子の方は金髪ですから、大いに
気を良くする店主。古い考えかもしれないけど、なんたってデザイン専門学校ですから、
とにかくというかとりあえずというか・・・・トンガッタ服装でないとね。こうでなくちゃ
いけませんて。
女性の方は思い切った色の靴でまことにけっこう。この二人の作品も服装に負けず劣らず
なかなかのもんでした。見せたいけど見せられない。やるせない気持ちでございます。
靴の裏を見せびらかす男。なんちって。どうだ! 見てみろ!!って思ってのことか
どーかわかんないけど。意識してやってるとしたら大したもんですけど、まさかね。右の
脚は男か女か。わかりませんのじゃ。
寒さVS生脚。寄り切りで生脚の勝ち。生脚といっても部分ですから、ひよってると
言われても仕方ない。こういうファッションよくわかんないけど雑誌で見た事あるような。
審査終了後、賞決定。例年の通り留学生が上位を独占、大相撲だけじゃなくここでも
日本人はかなわないのでした。モチベーションも違うし教養や学歴にも水をあけられている
留学生の作品が良いのはいたしかたないのでしょうか。とにかく韓国や台湾に席巻されてい
るといっても言い過ぎではアルマーニ。
なんか消極的な審査印象記みたいになったけど。夜、学生からの呼びかけで飲み会に行っ
たら、どっこい一気に挽回と相成った次第。これまで内輪の飲み会はあったけど、今年は
科全体のものですから、応えねばなるまいと出向きます。審査直後の飲み会ですから話の
内容は当然作品についてのこと。と、思うでしょ。ところがあにはからんや、そうではない
のがここ数年でした。でもね、今年はそうじゃなかったの。あたしゃ、うれしい。
自分の作品が他人の目にはどう映ったのか誰だって気になります。なにが良くてなにが良
くなかったのか、作品の問題点や魅力、聞きたい事は山ほどある。私はそう思うんだけど。
今年の学生達は見事にそこんとこを聞きたがり話は尽きず延々と・・・・・・。
これじゃなくちゃいけませんよ。ほとんどの学生は二十歳前後ですからね、六十過ぎの
私と話が合うはずがありません。ほとんど唯一の正統な話題は作品について。それしかあ
りませんから。
「かたちから心に入り、心からかたちにいたる」前にも言ったけどこれは世阿弥の言葉。
作品には作者の心情や教養が満ち満ちています。教師たる者、それをすくい取り推察し過程
の問題点があれば明らかにし今後に生かすべきアドバイスがあればわかりやすく諭す、これ
が出来なければ恥じ入らなければなりますまい。
それを数分のプレゼンと質疑応答で実現する事は叶いません。相対で話しても数十分かか
りまっせ。しかもお酒が入れば舌も滑らかになりますし、厳しいことを言われてもしらふの
時よりも受け入れることが可能になるでしょう。ここ近年そんな学生が居なかったのは、
自分の作品に興味がなかったか、他人からどう見られているかってことに興味がなかった
か、私の意見や私そのものに興味がなかったか。
つまり突き詰めてしまえば、極端な話自分そのものに興味がなかったとしか思えません。
年々そうなりつつあるという私の考えを覆した今年の学生(数人だけど)はエライ!!
断じてエライ!!! 最後のさいごで思わぬ拾いもの、いたくご満悦の態で学生はカラオケ
私は終電に乗ってご帰館でありました。
とはいっても寒いことに変わりなし・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。
- 2012.01.31 Tuesday
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- 13:01
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- by factio