お世話になってる美容室のスツールのキャスターの具合が悪い、と。預かって交換し、届
けた帰り道。ふと思い立って以前購入したことのあるダイロンの店に。ダイロンはイギリス
の染料メーカーなんだけどウッドダイという木材専用の染料があり、それはすべて廃番に
なってて、それが売り切れたらオシマイなわけ。そんなら全部ありったけ買っちゃおうかと
思った時もあったんだけど、かなり、けっこう、相当膨大な在庫なもんで放っといた店主。
思い立って行ったのは、いったいいくつぐらいあって、それをぜ〜んぶ買ったとしたら
いくらぐらいかかるもん? を聞きにね。
ツマミの店を始めるときにもそんなことがあったから。九州の貿易会社からツマミの在庫
ぜんぶ引き取ってくれませんか? 安くしますから、と言われて買ったことがあって。どこ
でも在庫の処分には困っているから、私の提案には乗ってくれるんじゃないか、と。しかも
それはかなりの格安価格だろうて。と、そう思ったの。
とにかく全部引き取りたい。全部で何個あるのか? それをいくらで売っていただけるの
か? を申し出て連絡先を渡して帰ったのであります。そしたら素早く、全数量は745個、
超破格値(入手価格をお知らせできないのがくやしい)でお売りしますとの返事があり、そ
んならお願いしますということで、段ボール2個が届きました。ホント、あっという間で。
745個って一体どれくらいの量になるのかわかんない。届いたものがコレ。左は10個セッ
ト、右はバラ。箱がなくて袋だけのものもありまして。あるな〜、けっこう大量だぜ。とに
かく全部並べなくちゃ全量が確認できないから、並べてみましたよ。
いや〜、なんだか染料屋さんみたい。日本のウッドダイはこれがぜんぶ。他にはないだろ
う、多分。意味もなく気持ちいい。でね、とにかく色の種類とそれぞれの数量を確認しなく
ちゃって思って数えたんですよ。そしたら、これがなんと1142個あるじゃありませんか。
きっと、いったん数えた後から出て来たんでしょう。続々と。ええい、送ってしまえ。数
が増えるんだから問題ないでしょ。と、会社では思ったに違いない。ええ、ええ、わかって
いますよ。わかっていますって。受け取りましょう。看取りましょう。
木材専用の染料は全部で16種類。一番多いのがGris Orangeで270個、少ないのがVert
Printempsの4個。あれ?っと思って色名を翻訳。どうみても英語ではありません。そうか!
色名はフランス語だァ。Gris Orangeはオレンジ灰色、Vert Printempsは春の緑。直訳だけ
どな〜に要は解ればいいんですから。なるほどね、こういうふうに色を決めたわけですか。
というように次々と翻訳してゆくとウッドダイの色の決め方がだんだんわかってきて。こ
れは面白い。一番多いのがBlue。青です。海と大洋と空と潟の4種類。海と空はわかるけど
「潟」がすごいと思った。さすがフレンチブルーの国、青の微妙な色違い、こだわってるな
もし。もしもウッドダイが欲しいという方がいたら(居ないとは思うけど)、どうぞ当店に
いらっしゃいませェ〜〜。
次の問題は、これをどうやって収納するか? だけどまたしても女神は私を見捨てません
でした。以前残材で作った商品用の展示箱がまったくピッタリ。
木箱に23個は入りますから、これを50個用意すればいい・・・・・・・・。なんて、ある
わきゃないですって50木箱も!! 店にある木箱はぜんぶで53箱。それにウッドダイを入れ
たら、今入ってる取っ手の在庫の行き場がなくなっちゃう。だめじゃん!!アーァ、女神は
きっとニヤニヤ笑ってるんでしょう。入れられるもんなら入れてみい!!! って。
ウーム、困ったワイ。
ウッドダイを引き取ろうと思ったのは、これから私が作る作品に使うから。木材には固有
の色もあるし、それを尊重する人もいるでしょう。でもね、私は違うの。そりゃ固有の色も
大事だけど、お化粧することも魅力あること。人の肌と同じです。あるいは布を染めたり、
髪や紙を染めたりと同じこと。なぜ、木だけが地の色を尊重せねばならぬのか。だんだん
そう思えて来たのですわい。ウォルナットがいいとかローズウッドがいいとか、世論は沸騰
してるけど、ホントにそうかい??
木目を大切にするんなら女性のお化粧はどうなの? 白髪を染めるのはどうなの? それ
じゃ片手落ちってことにならないかい。いるんですよ木目の艶がたまらんっていう人が。だ
ったら目尻のしわがたまらんとか、顔のシミが魅力的とか思わないとおかしいでしょ。い
や、そう思ってる人はいるとは思うけど、そうじゃない人が多いと思うわけですよ。だから
ね、私は染める方向に動く。これが私の生きる道。ナンチッテ。
でもって表題の「色と色気」。前回の手相の続き。同窓会で数人の方々の手相を拝見した
時に一人だけくっきりと大陽線をお持ちの方がいたのです。太陽線は人差し指と中指の間か
ら小指と薬指の間にわたって下方向の円弧で〜す。私の師、五味康祐によるとこの線を持っ
てる人は色(色彩感覚)もあるしお色気もある。で、この女性。以前から妙な色気があると
思っていたんだけど、これで超納得!! どーりで、そうなんだ〜、と。この線を持ってい
るのは五味さんに直接観てもらった同僚の講師。この方は画家。私と同年輩だけど今でも
充分に色気はあります。
このことを元助手のこの女性に言ったらわかったようなわからないような。自分にお色気
があることも理解してないし、色彩感覚があるなんてこともまったくわかってない様子。困
りましたなァ。どう言えばいいのでしょうか。まァ、こんなことが解ったといっても格別ど
うってことないかもしれん。彼女には彼女の生き方があるし。それをとやかく言う資格は私
にはありません。ありませんけど、惜しいと思うのですョ。ご自分の魅力に気づかないこと
が。
色とお色気にはどんな関係があるの?って思う方もいるでしょう。この両者には深い関係
があることは有名。以前、このブログでも書いたけど、江戸時代の恋愛は恋・色・情の三段
階で、二番目に色が出てきます。小指を立てて「俺の、イロだぜ」なんていうセリフもあっ
たっけ。床を共にした恋人のことを「色」と言いました。色はCOLORの意味も当然ありま
す。日本では色に多くの意味が含まれていたということでさ。だからといっちゃ単純すぎる
考えかもしれないけど、私はCOLORとSEXUALは深い関係があると思ってやまないのでアリ
マス。
最後にお見せしましょう。私の利き手。中央部にMの字があります。五味康祐によると
これは「ラッキーM」。ラッキーというからには全般的包括的にみて良い方向になるという
こと。それぞれの線がバランス良く配置されるとMが出現するとのこと。むろん、私はこれ
を信じています。誰だって自分にとって良いと思われることや説は採用するもんです。これ
と同じようにMがある手相の人はけっこういますから、参考になさったら如何でしょう。
ってなことで、今日もウッドダイの整理に忙しい・・・・・・・・・店主でした。