貴夫ちゃん危うし

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     7月13日から朝日新聞で連載されている小説「聖痕」。敬愛している筒井康隆氏の20年ぶ
    り云々は当ブログでも触れていますが、やはりというか当然というか面白くて、朝刊はまず
    そこから目を通す毎日。いつまで続くかわからないけど長篇というからには、たっぷりゆっ
    くり楽しめることでしょう。

     「聖痕」と聞いた時、なんだろうと思ったんですが、これがチンコのことでしてね。幼児
    の時に変質者に襲われてチンコを切り落とされてしまったのです。なんと! そこかい!!
    チンコがなくなってしまった貴夫ちゃん・・・・痛々しい。家族はご近所の根掘り葉掘り好
    奇心丸出しの詮索と将来のことを考え転居。家は相当なお金持ちなんであります。成長する
    につれ貴夫ちゃんの資質が描かれます。たぐいまれな美形、すらりとした体型、学芸会での
    演技もすばらしく、澄んだ声は女子の憧れの的。でも、チンコだけがない。

     この事実が知れ渡ったら大変なことになりますよ。だからね、家族は必死に隠すわけ。で
    もついに家族で温泉旅行に行ったときに弟に知れちゃいました。この弟、貴夫ちゃんと似て
    も似つかない悪ガキでね、こいつにだけは絶対に隠し通さないといけないと両親、祖父母は
    細心の注意を払っていたのですが。お兄ちゃんにはチンコがない!! お兄ちゃんにはチン
    コがない!! 叫びまわり跳ね回る まるで鬼の首でもとったかの喜びようで 読んでる私
    はヒヤヒヤドキドキ。

     あらすじを話したってつまらなくなるような小説ではない! 始まったばかりだし。だか
    ら安心して書いちょるわけでね。いよいよ小学校を卒業して中学生になる貴夫ちゃん、どー
    なるんだろーか。気が気じゃないんですよ。まったく。直近のブログで会う人の多くが読ん
    でいてほっとしたみたいなことを書いてるけど、そんならってことで私もネットで調べてみ
    た。

     http://book.asahi.com/special/tsutsuiyasutaka.html

     う〜む、ゾラですかい。名前は知ってるけど読んだことはない。「本来の意味でのゾラ的
    実験」わかるようでわからない。なんせ、エミール・ゾラは映画で知ってる観てるだけです
    から。「居酒屋」はマリア・シェル主演 ルネ・クレマン監督、「嘆きのテレーズ」はシモ
    ーヌ・シニョレ主演 マルセル・カルネ監督。ずいぶん前に観たけどしっかりと覚えてまっ
    せ。大筋だけで細かいところは忘れてるけど。その程度の知識しかないゾラですから。ゾラ
    がわかんなきゃ「ゾラ的」もわかるわけはありません。しかも私は映画ですからね。ここは
    寄り道して小説を読まねばなるまいか。

     2〜3の小説を読んだってゾラが理解できると思っちゃいないけけど、爪の先に触れる程
    度のことは出来るんでないかい。自然主義文学ってのは一体どげなもんだろかい。まずは、
    図書館にリクエストすることにしましょうかい。

     最後に、この貴夫ちゃんを演じるとしたら尾上菊之助しかいまい。http://talent.yahoo.co.jp/pf/detail/pp6586
    今、35才だから大人になってからの、ということになるけど。子供の時から充分可愛く高貴
    な雰囲気はちょっと近付き難い感じがあったけど、それは今でも変わりません。筒井氏は彼
    を当て書きしてこの小説書いたんじゃないかなぁ。

    そんな気がする・・・・・・・・・・・・・・・・店主でした。

    あな恐ろしや、この世界

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        あついアツイかなりへたばっています。家事担当者としてはまだまだヨチヨチ歩き、今夏
      の激暑は日々のご飯の仕度に向かい風このうえもなし。食欲がないのに晩ご飯の用意はかな
      りキツイのであります。セックスしたくないのに求められるのと良く似ているなァ。しかも
      おかずはすぐわるくなるし、みそ汁は朝までももたないし、流しコーナーのゴミカゴがすぐ
      臭ってくるし。冷たいものばかり飲んだりだからお腹の調子は今イチだし、なんといっても
      ダルイ。朝からずーと。当然のこと、仕事も手につかず、気が付けば晩ご飯の用意。こんな
      毎日が続きます。

       そんな中「戦後史の正体」なる本を読みつづけています。とてもよみやすく口当たりよき
      文体ですが、内容は激辛。超刺激的なことが満載で、おどろくこと多し。月刊「噂の真相」
      を創刊から休刊まで25年間読み続けていたので多少のことには驚かないと思っていたけど、
      いやいや闇は深い。今や時の人になった感のある孫崎享(うける)氏が著者。第二次世界大
      戦後の日本とアメリカの関係についての本だけど誰でもわかるようにやさしくていねいに書
      いてありまする。

       まずは軽いジャブ、日本では終戦記念日は8月15日になってるけど、連合国ではそうじゃ
      い。9月2日だっていうの。9月2日は降伏調印式だったから。東京湾に浮かぶ戦艦ミズーリ
      号、そう・・・アレです。じゃ8月15日は、ってーと単に天皇が国民に戦争をやめることを
      伝えただけで、あくまで国内でのこと。国際的にはまだ終わってはいません。だから、「終
      戦記念日」なの。これを9月2日にしちゃうと「敗戦記念日」になってしまう。敗戦を終戦と
      言い換えてることは知ってたけど、こんなにちゃんと説明された経験はないから、のっけか
      らかなり感心し

       しばらく読み進めていくと、わたしゃオドロキマシタ。敗戦後、昭和天皇がマッカーサー
      元帥との会談の中で「アメリカ軍は沖縄にずーと駐留してほしい」と頼んだこと。えっ!!
      マジで!!! なんで? 信じられな〜い! それじゃ、今、普天間で問題になってる基地
      だって単に反対してるだけじゃ、どーなの? 最初には居てくれって頼んだんだから、居て
      不思議はない。それも一理あるっていうか、かなり強烈なニュース。もしもですよ、米軍が
      「だって、昭和天皇から頼まれたんだも〜ん」なんて言った日にゃあ、どうにもなりません
      ぜ。まったく。

       私だって、日本に基地は要らないって思うし、お金だって出す必要なんかさらさらない。
      アメリカが日本のことアジアのことを思っての基地であるわきゃないし、いつだって自国が
      一番(どの国もそうだけど)ってことで計算し動いているわけだから。そんな相手にいつま
      でもしがみついて稼いだお金を貢ぎ、身体も自由にさせるなんてこと、誰もしませんて。い
      まどき。よほどイイ男(女)ならそうする人もいるかもしれないけど、私はまったく理解不
      能。政治のことはあまり口にしたくない店主だけど。こんなアホな政治家しか雇えないのは
      まっこと情けない。あ〜私はどうーしたらえーんでせうか・・・・・・トホホ。なんて言っ
      てる場合じゃないんだつーの。

       まぁ、これはほんの序の口っていうか。まだまだ続々と出て来るんですわ。外交秘話っ
      ちゅうものがね。で、U-TUBEで検索そして見まくり。中でも一番は、これ
      1時間38分の講演会ですがね。これが興味深くって一気に視聴しちまいました。知らないこ
      とが次々とね。出てきます。興味のある方、ひとつお勉強でもしてみべえかという方必聴で
      すぞ。


       そして二つ目の恐ろしい世界は、

       これ。 なーにそれ? 4時半??
       観たんですよ。観てしまったんですよ。BSで放映された「スーパー コンチネント」。
      2億5千万年後の世界、つまり地球のことですな。ちなみに2億5千万年前は恐竜が元気で吠え
      まくり、われわれほ乳類といえばまだまだまだネズミ程度の大きさでチョロチョロの時代。
      ウーッ、こちらも強烈なんですわ。この時刻は地球の一生を120億年とした場合、一時間は
      10億年になり、今が大体4時半なんだと。さらに、今の生物のような高等生物(もちろん恐
      竜も)が生きていられるのは4時から5時までの間だけ。その中で人類は1/1000秒。せんぶ
      んのいちびょう・・・・でっせ。生物は環境に耐えきれずどんどん死滅し、結局原始地球に
      戻ってゆくという。領土だ、国境だなどと言ってる場合じゃないでしょ。どーする、人類。
      といっても人類の知恵や力なんかじゃどーしよーもないんだけど。

       地球は10万年を周期に気候変動するんだけど、今はたまたまの間氷期。一万年ほど続いて
      る。これから寒くなり、数千年後にはロンドンなんか氷で消滅します、と。でね、2億5千万
      年後は、今の大陸がぜ〜んぶくっついて大大陸となり、とてもじゃないけど生物が生きてい
      られる環境ではない! 一つの大きな大陸の大きさはっていうと、ニューヨークから始まり
      アメリカを横断し、太平洋もアジアもヨーロッパもどんどん続いて、ロンドンまでが陸続き
      になりま〜す。こんなデカイ大陸だから台風なんかすんごい規模です。アフリカ大陸はヨー
      ロッパに潜り込みますから地中海なんてなくなっちゃうし、もちろん日本もね。影もかたち
      もありゃ〜しない。世界の学者が証明しまくり証言しまくりですからウソじゃあない。これ
      もマジな話しでっせ。

       いや〜かなり暗澹としてしまいます。落ち込みます。そりゃ、私はいずれ死ぬけど、人類
      もいずれはぜんぶ消滅しちまう。それどころか街もビルもぜ〜んぶが地面に海に飲み込まれ
      人類が存在していた証拠なんか一切なくなっちまう。ど〜なのそれ。音楽だってなくなって
      しまうんですよ。言われてみればその通りなんだけど、こうまであからさまに言われちゃう
      となんもかんも興味なし。セックスしたってしょうがないじゃん。ま、それだけじゃないけ
      どさ。

       目もくらむような未来のことを今考えるってのは現実的じゃないのはわかるけど、もう
      知ってしまった私はぜんぜん考えないわけにはゆきません。ああ無情、それでなくてもダル
      ダル、さらに追い打ちをかけられ「しおれたなすび」で ♬きょう〜も〜暮れゆ〜く〜

      あ〜ぁ、そんでもってぬ〜う・・・・・・・・・・・・の店主でした。


      残暑でザンショ・・・・?

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          暑いあついと言っても詮方なきことではあるけど、それでもアツイと言いたくもなる今日
        この頃。みなさまにおかれましては如何お過ごしでせうか。馴染みのタバコ屋さんに行った
        ら看板娘ならぬお婆さまが姿を見せません。娘(といっても50代か)さんに聞いたら暑さで
        ちょっと参ってるご様子。老女にはたまらない暑さ、くれぐれも大切になさってください、
        と。

         さて、前回オリンピック閉会式について触れましたが、その中でクィーンのウェンブリー
        でのライブのことを書きました。閉会式と同じサッカー場で1986年に行われました。そこに
        登場した巨大な風船人形が今回の眼目。ライブには行ったこともない、動画で観ることもな
        い店主です。演出のあれこれの知識もありませんから、あまり大きなことは言えませぬ。

         このライブは屋外です。夕方から始まり、夕闇暮れて夜までという時間帯の使い方にまず
        感心(こういう方法は当たり前なのかもしれないけど)。屋内だと外光がないので最初っか
        ら照明に頼らざるを得ないけど、屋外なら太陽の光で始まり、暗くなるに従って照明効果が
        発揮できますもん。一度で二度美味しいみたいなもんでっせ。開始からおよそ三分の一経っ
        た時にこつ然と登場する2体の風船人形。
         ステージ前左右から現れます。

         観客につかまりもみくちゃにされとります。

         頭上すれすれ中空で遊ぶ風船人形。このキャラクターは、彼らのビデオクリップ(ってい
        うのかしら?)に登場したアニメーションのキャラクター。大きさはどれくらいでしょう?
        背丈は5メートルくらいはありそうですけど。

         飛んでとんでフンワリフワフワで気持ち良さそう。

         こんな高い所まで。どこに行くんだァ〜・・・・・・・・・・・・。それにしても不思議
        なのはなんでこんなに軽々と浮かぶんだろう、ってこと。観客につかまれて遊ばれもするし
        高いとこまでどんどん上昇する。糸がついてるわけはないし、上空から吊り下げてるなんて
        こともあり得ない。なにか仕掛けがあるんかいな。

         引きずり込まれて上半身しか見えません。観客のいい遊び相手です。

         そしてまた空中散歩。

         これが登場シーンの最後のカット。このまま場外に消えるのかしら? そうならまったく
        素晴らしいんだけど。どうなんでしょうか? 誰か知ってたらおせーてくだひゃい。

         こんな遊び道具があれば閉会式だってもっと盛り上がったんじゃないかって思うわけ。こ
        んな感じのもっとデカイ風船を飛ばしてさ、みんなでワイワイ言いながら飛ばしっこする。
        いーと思うんだけどなぁ。10体もあったら広い会場は大騒ぎでそりゃあ楽しいんじゃないか
        な。

         ついでにライブのフレディのことにも触れておきましょうか。登場の時には黄色のミリタ
        リー調のジャケットに白のパンツ。白のスニーカー。

         知っている人は知ってるけど、知らない人は知りません。フレディが考案したマイクは
        まったく素晴らしいもので。いわゆるマイクスタンドの下を切断して、長さ1メートル程度
        のパイプにマイクを取付けたといういたってシンプルなもの。ですが、これは腕の延長とし
        て動きを大きく見せるし、扱い方によってはエロティックにも見えます。股間に挟みこんだ
        りすると効果てきめん。
         こんなふうにね

         フレディのおハコはこのポーズ

         このライブについての裏話は、レーザーディスクで見る事ができる。ライブの計画が持ち
        あがり、演出などが決まってゆく最中「何かが足りない」と感じたフレディは、女王っぽい
        衣装を考え、急遽製作を依頼したのです。最後のさいご、ただ一瞬だけにしか使わない衣装
        なんだけど、彼はこれを必要としたんだ。最後の締めっていうか、おわりのセレモニーって
        いうか。
         ジャーン

         いやー思いっきり裾が長いっす。おひきずり〜

         ゲイパワー炸裂、女装の極みここにあり

         終了間際のステージ全景

         そしていよいよ最後には冠を高々と差し上げるゥ〜・・・・・・のダ!

         芸人魂というかショーマンシップというか、とにかく全開のこのライブ。まったく堪能
        させてくれます。もう一つのLIVE AIDでのパフォーマンスも素晴らしいんだけど、パソコン
        で観るにはリージョンを変更せねばならず、変更の方法がわからないのでご紹介できない。
        ま、興味がある方はDVDを買うてくださいな。

        暑くて食欲もみみっちい・・・・・・・・・・・・・店主でした。

        匂うがごとく今盛りなり

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            前日、汗だくで3つの寺社を巡りほうほうの態で宿にたどり着いた一行。ひなびた旅館は
          まったく奈良にふさわしい、と思っているのは私だけ。カミさんは大いに不満らしい。部屋
          は十畳2室+六畳の広大な部屋に3人、布団なんかゆうに1m以上離れている。だけど、部
          屋にはトイレはなく、鍵もかかりません。そこがいいじゃんって思うんだけど。宿選びを私
          に任せたらきれいで安全そのものといったホテルにはならないことは目に見えているのに。
          結婚35年経ってもそこがわかっていない。あぁ、かくも男と女の間には深い河があります
          る。という私は相手のことを考えていないちゅうことになるんだけど。お互い様ってこと?

           朝ご飯をいただき出発しようかと思ったらオリンピックの閉会式。なんとはなしに観てい
          たわけですが、これがなんとも、どーしたもんかの内容で内心不満たらたら 国旗を模した
          道路はいいけど、出てくるものがなんともちっちゃい これじゃ会場の人は見れません楽し
          むことできません もっとスケールでかくせんかい! 遊ばんかい!! 司会もひどいぞ 
          舞台上の出来事を説明しているだけじゃね そんなことは誰でもできるぞ 歌手も知らない
          し それにしてもどーしてもっとスケールの大きな演出が出来なかったもんでしょうか 
          言っても詮方なきことだけどフレディが生きてたらなァ ど派手な動きで会場を一つにまと
          めたでしょうに 最後の方でクィーンの残党が出たけどなんか痛ましくって見てられない
           早死にはスターの証です いつまでも生きていちゃ伝説にはならないのでアリマス 

           それにつけても思い出されるのはLIVE AIDのクィーン、ウェンブリーのクィーン。曲、
          動作、演出、どれをとっても無敵だと思うのは私だけ? 特に客席との掛け合いは見事 大
          きなキャラクターの風船を飛ばして客が空中高く跳ね上げたりみんなで引っ張り込んだりし
          て遊ぶアイデアは秀逸でした。オリンピックの会場なら大きな気球を5〜6個用意してポン
          ポンと遊べばいいのにね。できるでしょ、そんなこと。どーしてしなかったのかな。危ない
          からかな。でも、面白いのにな。きっと草葉の陰でフレディも喜ぶでしょうに。

           なんてこと言いつつ、出立したわけ。駐車場に行って車を出そうとしたら目の前に散歩の
          男性。連れているのが猫でね。家族一同、思わず最近逃げた我が家の猫を思い出し涙目。な
          んでこういうふうにしなかったのか。こうすれば家中を走り回っていた我が家の華(はな)
          ちゃんだって逃げる事はなかったかもしれない。思わずしんみりしたのでした。

           逃げた華ちゃんは真っ黒な雌猫。裏の農家の広大な庭には数匹の猫が住んでいるんだけど
          真っ黒猫はどうやら2〜3匹いるらしく、どれが華ちゃんか見分けがつきませんのです。子
          猫の時は夜どこにいるのかわからないし、黒猫はそこが弱点なんですよ。あ〜ぁ、生きてる
          だけでもいいんだけど、とにかくやるせないのであります。

           ということで、まずは伝飛鳥板蓋宮跡(でんあすかいたぶきのみやあと)に。今回の宿泊
          地・桜井市は古墳で有名。観光の一番の目的は、纒向(まきむく)遺跡と箸墓古墳だった。
          だけど、多分もう埋め戻されているだろうし(宿のご主人は埋め戻されたと)、古墳も単な
          る生い茂る丘みたいなものだろうから想像力と知識が欠如している私が行ってもしかたな
          い。せめて昔の状態で見れるところと思って行ったんだけど、これがやっぱりなにもない。
          敷石が敷き詰められていて、どこになにがあったのかさっぱりわからず。唯一、井戸の跡が
          それらしく残っていたわけで
           無理言って悪いんだけど、もうちょっと掘ってくれないかな。枠だけあって穴が全然ない
          ってのも味気ないよ〜。せめて1mくらい掘り下げていただいて井戸のイメージを残せない
          ものか。わがままは承知の上だけど。黄色く写っているのは忘れ物?のお財布。立派なブラ
          ンド品なんですわ。どーしたのかな〜。遺跡のミステリー、なんちって。拾うのもなんだし
          ってことで、そのまま放置プレイ

           雨のそぼ降る中に佇む愛車フィット。え〜、写真でんな〜。見た感じと写った感じに違和
          感がありません。今旅行の一番の写真です。緑の中に青が映える、美しい〜なぁ

           さていよいよの石舞台古墳。もっと山の上かと思ってたら、違いました。小高い丘と言っ
          た感じで周囲の山々に抱かれている。古墳そのものはもちろん、周囲の環濠が雄大でが美し
          い。ちょっと惚れ惚れしてしまいます。しかも雨だからしっとりと落ち着いた雰囲気が醸し
          だされて、言葉もない。

           まさに巨石でして。教科書や雑誌などで見ているけどやっぱ実物は雄々しく雄大です。
          こんなおおらかで素朴なものが日本にあったことが不思議でならない。こんな感覚は私の中
          にも生きているんだろうけど、もう小さすぎて見つからないような気がします。日本文化は
          繊細とか優美、もっとちんまりしてるようなイメージだけど、それは後世のことなのかしら
          ん。やっぱ京都のイメージなのかな。それはそれですっかり慣れ親しんでいるし立派なもん
          だと思うけど。奈良の不器用でいささか無骨な感じも悪くないと。偉そうに言っちゃう?

           巨石の間に隙き間がある。左右の石で支えられているので、ここが接していません。わざ
          とそうしたなんてことあるの? こんな重いものを 出来る? たまたまそうなった?
          それにしても、この巨石登ってみたくなります。充分登れる感じだけど、立て札がそれを許
          さない。無念残念。後ろ髪を引かれる思いで・・・・・飛鳥寺へ

           そして飛鳥寺は飛鳥大仏。なんせどれもご近所にあるから車だとすぐなんですよ。609年
          の造られたというから今からおよそ1400年前。大神神社の大鳥居の耐用年数1300年はこの
          あたりからはじき出されたのでしょうか。ともあれ、以来、寺が焼失しつつもこの仏像は一
          歩も動かず、そのままの位置に鎮座ましまする。火災による罹災で大きなダメージを受け、
          かなりの整形が施されていることを説明の方からお聞きする。ここでは適当な人数になると
          説明してくれるし写真もOKという素晴らしい対応は文句のつけようもありません。さすが
          奈良、太っ腹なのであります。

           すぐ隣りにある蘇我入鹿の首塚へ。なんにもないところにポツンと。まったく、強者の
          夢の跡といった風情で、これはこれで・・・・・・・・いとをかし。

           首塚と飛鳥寺の間に田んぼがあって、そこにタニシが群生しておりまする。カミさん共々
          タニシに注目&写真撮りまくり。この写真はちょっと見にくいけど立派なひげで動き回って
          いる様子は壮観。それにしてもなんでこんないっぱいタニシがいるのじゃろか?

           駐車場に帰って料金を払おうとしたんだけど誰もいないんです。ひょっとしてお寺で払う
          のかしらと向かったら、入口脇のお店の方が「払わないでいい」と。なんか申し訳ないよう
          な気もするけど。再度、お店兼料金所で声を掛けてもそこは沈黙の海。ふと見たら事務机に
          は、週刊誌に毛筆練習。なんか小学生の時にはやったような気はするけど、今、この時代に
          ということにおどろいた。いや、変っていうわけじゃないんですよ。決して。でもなんだか
          奇妙な雰囲気で、私好み。思わずパチリ。

           そして、いよいよ法隆寺へ。もう何回も行ったのですが、何度訪れてもスンバラシイ。
          端正で、キリリとしてて、隅々まで神経が行き届いている感じがなんとも。境内は広々だし
          往時を偲ばせる敷石や塀も充分満腹になってしまいます。
           広い大通り。気持ちいいっす。ここでチャンバラごっこしたらリアルだろうなぁ、なんて
          ことを思いつつ

           前方に、塀がね、壊れている若しくは壊れかかっている現場に遭遇。支え方も古めかしく
          まことにけっこうな趣き。

           支え柱の根元、地面には瓦のようなものが直角に受けてある。穴を開けてそこに柱を埋め
          るなんて野暮な事は許しません。きっちりした仕事ぶりに拍手が鳴り止みません。

           何度見てもいいでんなァ。元は極彩色だったんだろうけど、色が落ちた佇まいも渋くて
          まことにけっこう。専門知識はないけど、建物の部材も太からず細からずでとっても良い
          バランスに思えます。

           拝観料1000円也を支払っていざ中へ。柱の補修跡も綺麗です。最初からこんな意匠に
          なっていたかの錯覚にとらわれます。

           どーしたらこんなにぴったりハマるのかしら・・・・・・・・・。

           「あおによし」の青色と丹色。いやーけっこうな色の取り合わせです。古代の色がズバリこの色そのものだったのかどうかわかんないけど。当たらずとも遠からずなんでしょう。

           宝物館?を出たところにあった石と庭木のコラボ。いや〜いーですよ、これ。他でもこん
          な作庭はあるんだろうけどね。今の私にとってなかなかの発見なんざんす。いやね、灰皿を
          作ろうとガラス皿が4個あるんだけど、その皿を木と組み合わせるアイデアが見つからな
          かったんですよ。こんな庭木のように木を削ることは出来ないかもしれないけど、こういう
          感じは悪くありません。とんだ拾い物、グッドなヒントをいただきました。

           これで奈良はおわり。大阪経由で京都へ、さらに京都縦貫道路で京丹後市は溝谷に。義母
          のお見舞いをしてから無事到着。翌日は義父の三回忌。地域の方々が集まっての合同法要で
          すがこれがなかなか興味深いものでして。お寺に集まった数十人は祭壇に向かって右が
          男性、左が女性とくっきり分かれて着席。これはこの地域だけのことらしいけど、向こうに
          見える女性陣を見ることは、ことのほか楽しいのであります。きっと「あれはどこの娘
          だ?」とか「あの息子は立派になったなぁ」などと品定めするんだろう。いわば結婚の事前
          調査みたいなものでしょう。きっと、そうに違いない。なんてあらぬ妄想を抱きながら、あ
          っと言う間に法要終了。

           翌朝は曇っていたけど、昼頃から晴れて娘夫婦が念願の海水浴。カミさんの強い希望で
          琴引き浜へ。鳴き砂で有名なこの浜辺、海岸に温泉も湧き出ていてタダで入浴できるという
          なかなかの場所。海が近いこのあたりはどこでも泳げますけどね。昔は箱石という浜で泳い
          だけど広い浜を我が家で独占したこともたびたび。そんなこたぁどーでもいい。

           海に向かってなにを想うか、この三人。なんか絵になるでしょ。カミさんと娘と息子。
          奈良の愛車フィットと並んでこの写真は私にとっては宝物のようなものでして。まことに
          よろしい出来映えで自画自賛はなはだしいのであります。

           そして最後のワンショット
           今まさに蜘蛛の網に捕らえられたアブラゼミ一匹。大好きなファーブルの気分を一瞬
          だけ味わえました。でも、飽きっぽい店主は長い間観察できません。せいぜいが数分ですか
          ら、これからこのセミがどうなるのか、なんてことは確認するすべはない。

           これで今年の夏はほとんどおわり。今も裏の農家でセミが鳴き続けているけど、晩夏の葬
          送のようでもあり、なんだか物悲しい。あっと言う間に秋の気配が忍び寄り、暑かった夏は
          思い出の彼方にフェードアウトするんでしょう。ともあれ、今年は久しぶりに充実した夏を
          過ごす事ができまして・・・・・・・・・・・

          エガッタエガッタ・・・・・・・・・・・・・の、店主でしたわい。


          あおによし奈良のみやこ

          0
              カミさんの実家の墓参は結婚以来恒例であります。専門学校の専任だった頃は、給料は安
            かったけど夏期休暇だけは存分にあったので一夏ほぼ一ヶ月、ここ最近はみんな忙しくって
            (ヒマなのは私だけかい)数日の短期滞在。いつも京都市街素通りで、府北部の丹後半島に
            直行は東京からおよそ10時間以上の長旅。しかし、今年は息子の加わり豪勢にも奈良へ一泊
            となりやした。

             近いうちに年金長者になるといっても長年の貧乏性が抜けるわけもなく宿は二食付き一人
            7500円。これが我が家の妥当な宿泊料。一人一万円を越えるなんてトンデモナイ。予定より
            も早く着いたので、ちょっと近くのお寺でも行ってみんべえと考えたのが大きなあやまち。
            現地の状況を何も知らない三人はノコノコと。まずは、なんとなく名前は聞いた事のある
            長谷寺へ。
             考えてみたら長谷寺は鎌倉、紫陽花で有名だったなァなんて程度で知っていたんだけ
            ど、こちらは総本山でして。ここに来るまでかなりの陽射しでしたからすでに汗はかなりの
            量が放出され。息子は右手の建物内にある自販機でお茶をグビリ。横目で見ながらなにを
            大袈裟な、熱中症がなんぼのもんじゃい、と高をくくる私。まずは手始め、この階段を登る
            と、


             なんかすごい。知らなんだ。こんな寺。へぇ〜なんて言いながら門をくぐると

             どひゃ〜、あれ〜。見上げれば相当な階段です。しかも蹴上げが低いので上るのは一苦
            労。とにかく登らないと始まらない。ってことで、大汗かいて登りのぼり・・・・・・・

             ウヒョ〜。ひとつめの長階段を上りきればそこは踊り場。写っていないけど左にある手水
            鉢で手を洗い口をすすぎ。直角に右折する長階段はさらに続き、をもろともせずに上りのぼ
            り〜・・・・・・・・・・・・・・・・。

             ぎょえ〜。助けてくんなまし〜。二番目の踊り場を折れ曲がった3つの目の長階段。最初
            の階段を見上げた時はこんなに続いていることなんか考えもせなんだ。すでに我が身は全身
            汗三昧、しとど濡れておりまする。奈良の寺は丘というか山というかとにかく高い所にある
            なんてこと知らなんだ。もーイヤ!と言いながら親子三人の苦行は続き・・・・・・・。

             ようやくとうちゃ〜く。清水寺の舞台のようにせり出しているところからパチリ。ウーム
            でかい。立っているのは舞台の上、清水ほどは広くないけどかなりの代物でっせ。柱も梁も
            土台もでかいでかい

             青銅の常夜灯の台座も充分でかいっす。杉かな? 写真右の柱に穴があるでしょ

             それがコレ。半球の節がころんと抜け落ちてそりゃ〜キレイざんす。芸術品ですよ、これ
            は。これを見る為に登ってきてもいいかも、と言いたい。それほど見事なもんです。もちろ
            んお触りOK

             こちらは、建物の大敷居に凸っぱている双丘の節。なんでこうなったんでしょうか?
            息子曰く「大勢の人が腰掛けたから」。そんなことある? でも、そうかも。なんせごっつ
            く出っ張ってるんです。高さおよそ2センチはあろうかと。古墳で有名な当地だけど、ミニ
            ミニ古墳と言えなくもない

             欄干の土台。一目見てぜったいに動物顔と確信。オランウータンか。しかも歯をむいてい
            るようでもあり。こういう顔の人もいます。意図したかせざるか、知る手だてはまったく
            ないけど。見るからに顔そのものだからね、作った職人さんだってそう思ったんじゃない
            かなァ。

             経年劣化で柱土台は極めて複雑に補修されています。法隆寺でも同じように几帳面な補修
            がされていたけど。大変だっただろうなァ〜

             この舞台から見える景色はご覧の通り。きれいです。狭い土地にいろんな建物がよくも
            まぁ見事に収まっていると感心しきりの店主。

             お参りもすませ、一息入れて、さて帰ろうか。帰りの下りはなかなか気持ちよく、周囲の
            風景を観る余裕もあります。脇を流れる清水、きれいに植えられている牡丹の花々。ずいぶ
            ん下り山門近くで発見せりは、こんな供物??
             見えにくいけど注視してたもんせ。どうやら爪楊枝に蜜柑の皮らしきものが串刺しになっ
            ったものが松の幹に。うーむ、これはいったい。単に遊び心でやったものか、いわくあるも
            のなのか。なんといっても奈良ですからね。あたり一面「いわく」が横溢しててあたしのよ
            うな物知らぬお登りさんにはどれもこれも伝統や格式が潜んでいるような気がして。

             長谷寺に来る途中にカミさんが目をつけた與喜天満神社。なんたって日本最古の天神様。
            京都もお寺や神社がいっぱいだけど、こっちは古さが違います。訪れるところはほとんど
            が「最古」って感じだから、ふと立ち寄りたくもなります。けどね、長谷寺で大汗かいて
            その汗が乾かぬ間にこの入口ですから二の足を踏みたくもなりまっせ
             ぐーっと階段が目に入ります。右側に賽銭箱と「ここで参拝してもいいよ」の立て札。
            っていうことはですよ、この先は長い、覚悟して上りなさいよ、ということでね。私と息子
            は行かなくてもいいんじゃない派だけど、なんといってもカミさんがね断固行こう派なんで
            すわ。どーしてこんなに元気なんでしょうか。普段、仕事で自転車を乗り回しているせいで
            しょうか。いや、まったく健脚っぷりに脱帽。

             一つ目の階段を上った鳥居に二つ目の賽銭箱と立て札。ここで挫折する方々も多いので
            しょう。わかりますよ、その気持ち。我々男性陣もすっかりめげているのですけどね。先に
            見えている階段にげんなり。しつつもせき立てられて、粛々といざ上らんかな

             上る人が少ないのは石の階段の苔でわかります。みっちり苔が繁茂してますからね。左上
            にあるのが補助階段。コンクリ製です。手前の石階段は踏み面が大きいので上りにくいこと
            この上もなし。だから、必然的にコンクリを上ることになる

             階段はほぼ全面日陰ですから、杉の巨木も見事に色違い。「あおによし」の青はこのよう
            な苔の色だったか。なんてこと考えながらひたすら上り

             雰囲気から覚悟していたけど案の定神社内には入れませんでした。時間が遅かったせいも
            あるんでしょう。塀の屋根越に境内?をパチリ。素朴でおおらかで、なにげなくてさりげな
            い。好きです、こーいうの。京都もいいけど奈良に比べると華美で派手ですもんね。年齢を
            重ねるとこういう地味で目立たない感じが好ましくなるようです。少なくとも私とカミさん
            はそうなんです。

             下り終わってもう旅館に帰ろうかとも考えたんだけど、来る途中で見た大鳥居が気になっ
            て行く事になり。車に乗ったら汗びっしょりでシートにもたれられません。エアコン全開で
            訪れたのが大神(おおみわ)神社。
             ここは平地、階段はほとんどない。とはいえ、奈良はどこでもそうだけど道が狭くて曲が
            りくねっておりまする。もう、どんどん狭くなってゆくとこのままバックで出なくちゃなら
            ないのか、ことも度々で。古道がそのまま残っているのでしかたないけど。FITで良かった
            と思いながらの運転です。

             ここも日本最古。京都は天皇とか将軍とか人間が敬いの対象だったり、建立したりだけど
            奈良は神そのものがおわしまする土地であることを改めて気付かされる。しかも、京都は商
            いとしての都市でもあるので充分すぎるほどのサービスがてんこ盛りだけど、こっちはさに
            あらず、でね。町並みも人々もそんなことは気にもしない清々しさが心地よい。商売繁盛、
            売らんかな全盛、どうしたらお客が来てくれるのか苦心し智慧を絞るのは世の習いだし否定
            する気はないけど、あまりにもそれが目につくとげんなりするのも事実。

             社殿もけっこうだけど、鳥居もええで。ふつう上にある横木(なんて言うのか?)がなく
            二本の柱に直接しめ縄が。今の鳥居の前はこうだったのか、あるいはここだけのものなの
            か。

             神木は大杉。これが蛇の化身とかで卵を供えるのです。卵は蛇の好物ですから。でも、卵
            を神木に投げつける人がいるんですねェ。管理する人も大変だ。

             どーでもいーけど、これが供物。こんなところにも素朴がにじみ出てる

             生まれて初めて見た。下が十、上が一の位。生きていますね〜脈々と。いまどきお百度
            まいりする人がいて、それ用の仕掛けがあることに感心しきりの店主。

             こちらがお百度の折り返しマーク。片道およそ30歩ほど。

             で、これが車中から目にした鳥居。で、でかいっす。マジで、ほんとにデカイ。建立は28
            年前。昭和天皇が行幸参拝し、さらに在位60年を奉祝して作られたものですが、その耐久性
            に仰け反りました。いや、まったく。柱の直径3m、高さは32m、耐風圧力80m、耐震力マ
            グニチュード10。これだけでも充分驚愕に値しますが、仰け反りは耐久性。これがなんと
            1300年。「せんさんびゃくねん」ですぞ。っていうことは一世紀が百年だから十三世紀は
            持つってこと? 今が、21世紀だからプラス13世紀で34世紀までってこと?!
             キリストにまで遡ろうって代物ですもの、驚かない方がおかしい。気になる材料は鉄。耐
            候性鋼板。表面に錆層が形成され、それが一種の塗装の役割を果たす。でもね、それでも
            1300年の耐久性はにわかには信じられません。ほんとなのかなぁ。でも、ほんとなんだろう
            なぁ。なんたって日本最古の神社なんだし、天皇奉祝でまがい物は作るはずないでしょうし。

             木造の法隆寺だって完成してから1400年だから不可能じゃないけど。それにしても思い
            きったものを作らはりましたなぁ。協賛者?は二万人。下世話な話しで恐れ多いけど、一人
            千円で二千万円、一万円で二億円。多分、二億じゃ出来ないでしょうから一人十万円かな。
            それなら総額二十億円。私が無知なだけかもしれないけど、こんな僻地(失礼)にひっそり
            と、しかし堂々と佇む大きな鳥居が今後1300年は微動だにしないでそびえ立つ。なんか信仰
            の力にひれ伏してしまいます。

            いや〜、たいしたタマゲタ・・・・・・・・・・・の、店主ではありました。


            お熱いのがお好き?

            0
                ウィーンの友人は、日本にいた時にアイスコーヒーには見向きもせず、真夏でもホット。
              ホットにあらずんばコーヒーにあらずといった趣きで、なんか感心し印象に残っているの。
              ♬夏にな〜ると思い出す〜、はるかな尾瀬〜遠いなんとか。この♬あんまり意味なし。要す
              るに夏になると思い出すわけです。いつもの珈琲屋さんではこの季節アイスコーヒーを作っ
              てるんだけど、そういうわけでアイスはなんだかためらわれて。でも、美味しいし。ってこ
              とでホットとアイスを半々で楽しむわけだ。

               地上も熱いけど地下もいよいよ充分熱くなってきました。地下に降りると一瞬涼しいんだ
              けど、あっという間に慣れてしまい、ちょっと作業すると汗が止まりません。試聴室兼
              オフィスは一階のお店の床上30センチに設置されているエアコン(地下専用でお店にはなん
              の効用もなし)から階段を降りる冷気が気持ちいいんだけど、奥にある工房までは到底届き
              ませず。ということで奥の院工房はまったく素晴らしい蒸し暑さでまいっとります。

               なにもこんな時期に掃除をしなくても、とは思ったんですよ。だけど、いよいよ工房を
              使っての仕事がこれからの私の運命を左右するとあっちゃぁ、やらねばなりません。カッコ
              エ〜。やり始めました。徹底的に。掃除というよりは小改装を含めた大生理。おっと間違え
              た。わざとですけど。大昔、講師をしている学校で卒業制作の作品が「生理棚」でしてね。
              それは「整理棚」じゃないの? いえ生理用品を収納するためのの「生理棚」なんです!!
              沈黙する私を含めた審査員。ちょっと風変わりな娘だったけど。あの学生今どうしているのかなァ〜。「岸壁の母」にかけて「岸壁の棚」もあった。屋外でブロックを積み上げただけ
              の塀のような棚。棚部分ももちろんブロック。なんか妙な迫力があってけっこう良い点を獲
              得したっけ。なんてこたぁどーでもいいんだけど。ついつい。

               工房の入口も多少の改装。こうなりました。
               扉を塞ぐ横板はな〜に? ♬それはね、それはね、それはカ〜エ〜ル〜のぉ〜、なんて唄
              あったよね。エッヘン、この板はですね、ある目的の為にあらねばならない。

               もちろん外せますよ。ちっちゃな金具でワンタッチ。いやね、友人T氏がここでライブを
              やってもいいかという流れが生まれましてね。お客さんは床に座り壁に背もたれて聴くしか
              ないのです。狭いから。そこで問題なのがこの扉。元は取り壊した家のトイレの杉材の引き
              戸ですからきわめて脆弱。もたれるなんてことは許さない。だから必要だったのがコレ。つ
              まりは背もたれ板ということで。これでライブの準備はすべて完了。あとは、席亭を誰にす
              るのか集客をどうするのか。決行の最終段階は迫りつつあるのです。

               さておき、工房内部です。以前にも記事にしたことあったかい?。覚えてない店主ですが
              気にせずズンズンと行きましょう。扉を入って左側はこうなる。
               天井面に配管が4本。電気でしょ、ガスでしょ、水道でしょ、ほいでもって下水。だと
              思うけど。乱雑に見えるけどこれでも超キレイになったの。

               作業台の下、手前が電動工具、奥は端材、その奥も端材収納。端材収納は友人から戴いた
              ドイツ製の引き出し。これ、便利いいでっせ。

               右側もね。こうなっとります。

               工房右側は、こうだし

               壁面はこうなる。とにかく、老眼ですから照度を上げないとなりません。だからどこも
              蛍光灯だらけ。収納力もアップしないとならないので、どこも棚だらけ。

               ギリギリ天井面。ここにも棚があるんざんす。

               細かいけどゴミバコ部分。して右の汚い箱オレンジホースはコンプレッサー専用箱。作動
              するととにかくうるさいコンプレッサー。機械には良くないんだろうけど密閉せざるを得な
              い気持ちを察してほしい。

               中心となる機械です。縦に横に木を切断します。こんなちっちゃな機械はそうそうあるも
              んじゃない。外国製です。分解できるから地下に設置できた。小さいのでキャスター付きの
              台の上に載せています。見えにくいけど右横に集塵機がありまする。

               ついつい乱雑になってしまう材料棚もこの通り。これでもキレイになったんでっせ。
              手前に締め付け工具。壁掛け用の棚に手間がかかり、しかも失敗しての二度手間でヒーコラ
              の態。

               こうなるまでには、コンプレッサーの密閉箱を作り、移動し、コンセントを撤去し、締め
              付け工具の棚を作り、移動し。ドリル刃の整理と材料棚の整理あれやこれやで数日かかっち
              ましたワイ。

               そもそもなんで工房を作ったかと言うとね。作るのが好きだっていうのもあるんだけど
              デザイナーとしてパソコンで図面を書いたりスケッチや模型作りだけじゃダメなんじゃない
              かと思っていたから。やっぱ実物まで迫らなくちゃね。作品に肉薄できないし、なんだか
              恥ずかしいですもの。そう思っていたら、たまたま訪れたベルリンのデザイン事務所にも
              あったんですよ。工房が。コンパクトだけど使いやすそうな金属工房でした。古い工場の
              ような建物の一階が工房兼休憩所(キッチンも)。2階がパソコン、3階は海外との打ち合
              わせ用のTV電話(今ならスカイプだろうけど)兼社長室。まったく見事なオフィスでした。

               とここまで書いて気になってホームページを検索してみたら。ありました。オフィス名は
              スタジオ7.5   http://www.seven5.com/。行った時にアメリカのハーマンミラー社からの
              依頼でオフィスチェアを提案していました。今は、移転したみたいだけど、あの椅子のデザ
              イン料でかなり儲かったみたいだな。まぁ、それ以降もいろんなとこで作品を発表していた
              からね、それだけじゃないんだろうけど。それにしても、このホームページのデザインは
              なんだか凄い、素晴らしい。本物の香り、ドイツデザインの雰囲気が充満してます。

               暑さ寒さも彼岸までと言いますから、この暑さもあと1〜2週間の命。あっという間に懐
              かしがられる存在になるでしょう。そんときにはオリンピックも終わってるし。年金の支給
              も始まるだろうし。とにかく、工房がキレイに使いやすくなったわけで、もう矢でも鉄砲で
              もなんでも来い。恐いもんなんかありゃーせん。なんでも考え作りまっせ〜!!

              今だけは、勢いだけは、盤石・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。


              カラーサンプルは耐久レース

              0
                  暑い毎日、オリンピックもご苦労様でごんす。重量挙げの三宅宏美が終わって私のロンド
                ンは終わったも同然だけど、ついついチョコチョコ覗きまわり。柔道の松本薫は大受け、で
                もって、女子体操にヨダレを流し(女子体操をエロ味なく純粋に競技として見れる人はホン
                トにいるんかい)、あとはほとんどデザート感覚で女子サッカーか。

                 なんか毎日怠惰で受け身と思われるでしょうが、怠惰な奴ほど真面目に仕事をするもんで
                す。これ、なんの意味もありません。以前、購入したウッド・ダイのカラーサンプルを作ろ
                うと一念発起。まずは、はかりを買いに東急ハンズ渋谷店へ直行。いろいろあったけど銭惜
                しみで最安値1500円を、帰宅後さっそく量ってみるとこれがなんとも使えない。私が求め
                ているのは1gがちゃんと量れる「はかり」なの。

                 いろいろあったけど、結局再び買ったのが誤差0.1g 4200円の代物。最初からこれを買え
                ばよかったんじゃい。なんてこったい。
                 さすが高いだけあって充分使えます。16色を濃、中、淡の三段階のサンプルを作らねばなら
                ないから、一袋5.25gを5つに分け

                 小さな紙で包んで

                 これでぜんぶ。ここまでは単純作業が地獄の責め苦の私でもさほどの苦痛感はなく順調

                 でもって、ここからが最初の峠。粉染料を指定のぬるま湯で溶き、作っておいた木片を
                染める一大事業。木片を染めるには、刷毛やスポンジなんか使えるわけがない。16色を3
                種類に染め分けるから16×3=48回の染め作業。その時にいちいち刷毛を洗うことなんか
                じぇったいにできません。

                 ここは当然、容器に染料を入れて木片を浸けての着色となるわけで(そんなら刷毛も不要
                だから)、用意しましたプラケース。カミさんの弁当箱にも使われていた逸品?

                 染料+ぬるま湯=木片浸け、染料+ぬるま湯=木片浸けを重ねること48回。と言いたい
                とこだけど、サンプルは3セット作るから×3の144回。眠くなります、飽きます、気分転換
                が必要です。アイスを食べ、シャワーを浴び、BGMを変え。がんばりましたワイ。

                 出来上がったのがこれで全部。上の壜は各色の残り染料、中はサンプル、下は各色の色を
                特定するためのフランスの伝統色(DICのカラーサンプル)。

                 これがダイロン東京ショールームで入手できた全色。気分一新、気持ちいい。なんて
                カラフルなんでしょ。まだ姿を現していない作品が目に浮かぶようです。

                 例えばオレンジの3色。丸い品番を付けました。っていうと簡単そうだけど、この◯の
                切り抜きはハサミ。いやー手がかかりました。これが2番目の峠でしたな。

                 そして裏面は、ウッドダイの番号、DICの色番とサンプルを貼りこんでオワリ。

                 長かったカラーサンプルの道もこうして終焉の時を迎えました。やればできる、終わりの
                ない仕事はない、百歩の道も一歩から、アー疲れた。肩凝った。このサンプル、1セットは
                知り合いの工房に差し上げ、残りの1セットは私用、もう1セットは予備ということに相成り
                ます。さらに、これを収納するケースが残っていますけど、当分気力は湧きませんから先の
                話しになるでしょう。とにかく、これを生かすも殺すも私の能力次第、ガンバラにゃあなり
                ませんて。

                ってなことで、一息ついている・・・・・・・・・・・・・店主でした。



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