おやまた、渡欧日記

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      災難は忘れたころにやってくる、渡欧日記もやってくるのでアリマス。でもって、今回の
    テーマは見せ方。紹介のアイデア。思うに日本が苦手な分野とでもいいましょうか。店主は
    そう考えているのですが。どうでしょうか。私は、これまでウィーン、ベルリン、ストック
    ホルムとヨーロッパの都市にしか行ったことがないから片寄った見方かもしれないけど、と
    にかく知恵と工夫を駆使したディスプレイにはいつも感心させられます。

     以前行ったときに舌を巻いた素晴らしい展示に今回も行ってきました。応用美術館はデザ
    イン関係専門の美術館で特別展示でマッキントッシュのパソコンがズラリと並んでいたけど
    これは常設展。トーネットの曲げ木椅子が見事に勢揃い。曲げ木はなんといってもシルエッ
    トがきれい。なので、このように並んでおるのでしょう。大してお金は掛かってませんが、
    効果バツグンでして、改めてセンスの良さに脱帽ですわい。

     裏に廻ればこの通り、表通りでもよし裏通りでもよし一つの椅子が二倍楽しめる。主に立
    体的な作品が多いのですが、特に家具に関しては日本ではめったに見る事の出来ないものが
    いと静かに居並んでいます。多分、来館者も少ないだろうにきっちりとやるべきことをやっ
    ている美術館の方針が文化の厚みを感じさせます。客寄せではなく、デザインに対する真摯
    な姿勢がスバラシクもウラヤマシ〜。

     こちらは友人Chrisが是非にと連れて行ってくれたワイン博物館? 地方のちっちゃな町、
    周囲はぶどう畑の真ん中のポツンと。彼は、この変形傾きのある建物がお気に入りの様子。
    で、私はどうってことないだろうと思っていたけど、これがまた仰け反るほどの素晴らし
    さ。いや、マジで。

     入ってすぐの販売スペースの棚に目が止まり。へぇ〜どうやって作ったんだ、これ? 私
    にはワカリマヘン。作り方が。

     一枚の板の半面だけが曲面加工されてますから、裏返す(表返す?)とワインが置けるよ
    うになっておりやす。この板、厚みといい曲面といい実に魅力的なんざんす。カードの立て
    方も自然でいい。ウーム、出来るなおぬし。かなり手練なデザイナーがからんでいると見た
    ワタクシ。

     博物館のそばにある小さな建物から、地下に誘われます。博物館だと思っていたのは試飲
    と販売のためのもので、肝心のワインに関する展示は元々はワイン蔵だったところを手直し
    したところ。体験型展示で「あなたがたはぶどうになったつもりになって下さい」「最初は
    ぶどうを潰して液状になります」といった趣向。その体験はなかなか刺激的で面白いもので
    ありましたが、なんせ暗くて撮影不能。これは、最終段階の壜詰めを視覚的に表現したもの
    で、幻想的で美しかった。

     ワイン製造のどの工程を表現しているのかわかんないけど。こんな不思議なディスプレイ
    が至るところにあって飽きさせない工夫に感心しきり。しかも、それぞれの造形や照明(地
    下ですから)がまことに見事で・・・・。

    確かこれは天井扇風機のように回っていました。きっと、ワインを撹拌しているイメージな
    のでしょう。

     これは階段手すり下部のガラス。きっと、スパークリング・ワインの泡をイメージしてる
    んでしょう。板ガラスにいろんな形の穴が開いてます。当たり前だけど、透明感がスゴイ。高いんだろうなァ、これ作るの。

     かなり長い地下迷路を巡ってすっかり身体はワイン化してしまった店主。地上に出たとこ
    ろは元の建物の中。いや、なにもかも良く出来とるんですわ。その出口にあったのがコレ
     お子様用の落書きコーナー。壁は黒板になってます。大人がワインやお土産を探してる時
    には、ここでお子様はお絵描きカリカリ。ここは吹き抜けになってて、脇の階段を上がれば
    一階の売り場。上からちょいと覗き込めば下にいる子供が確認できるし、声も聞こえます。

     最初に館内に入った時、案内もしていただいた受付の女性がいたく気に入って写真を撮ら
    せていただきました。撮影をお願いした時に店主を撮るのと勘違い、いやいや貴方を撮りた
    いと言ったら喜んでくれはりました。でもって、パチリ
     おっぱいが大きいからというわけでもなく、笑顔が素晴らしいというわけでもない。

     サシが入った後ろ髪、染め色が気に入った! 短髪具合もよろしい

     応用美術館しかりワイン博物館しかり、訪れる客が多くはなさそうにもかかわらず隅々ま
    で気合いが入った展示ぶりに感心(そればっかり!)しきり。なんなんでしょうか、これ
    は。集客に力を入れてる雰囲気もないし、売ろうとする態度も皆無。ひたすらデザインやワ
    インを尊び敬愛する心が伺えてまっこと気持ちいいひとときでした。

    あ〜、私の仕事もそうありたい・・・・・・・・・・・・の、店主でした。


    マジメにお仕事

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        いや〜毎日遊んどります。そんな〜・・・・・・私なんかどうってことないんですから。
      な〜んにも知らんのでっせ、まったく。なんて言い続けていると真に受ける人が多くて困
      る、とポロリとこぼすのは友人O氏。ホントに大したことないんだ、ホントになんにも知らな
      いんだ、と言葉通りにね、受け取ってしまう。いや、いーんですけどね。たまにゃ、いやい
      やそんなことはないでしょ、そんなはずはないでしょ、と突っ込んで欲しいわけでね。
       私もまったく同感でして、謙虚なんてことばはすでに死滅しとるんじゃないか。そう思わ
      ざるを得ないことに、日々しばしば感じる今日この頃。みなさま如何お過ごしでせうか。

       言ったもん勝ち、押し出しが強けりゃ声が大きけりゃいい。みたいなことが世間に満ちあ
      ふれとります。と、思うワケ。いやいや、そんなことないでしょ。と、聞き返す人はまこと
      に少なし秋の空。うーむ、いつの間にそうなったんだ。あれれ、おかしいな。中村錦之助演
      じる名作「宮本武蔵」だって、謙虚でしたもん。そんな謙虚さに気が付かないアホな浪人が
      なめてかかるとズバッと斬り捨てる。でも、私は斬ることもできずに見損なった友人知人か
      ら素早く遠ざかるのみ。せつないのう。しかたないのう。

       前置きが長くなりました。大したことないと言ってるけど、実際も大したことない私だけ
      ど仕事もしとるわいやっとるわい!! 逃げなくてもいいの、怒ってるわけじゃないから。
      ちゃんと仕事もしてるぞ。言っとかないと、単なる年金老人悠々自適な趣味人と思われちゃ
      う心配がね。あるわけですよ。それでい〜じゃん、なんて言わんで欲しい。もっと老人をい
      たわってほしい。

       ここの地下でライブを計画してますが、演者・玉野井氏が先日遊びに来た時に「椅子がほ
      しいなァ」と、これまたポロリと口になされました。やはりね、私も少しは考えていたこと
      ですが、言われてしまいましたワイ。でね、急遽押っ取り刀で作ることになったのです。な
      んせ、椅子がなけりゃライブが出来ないのですから急がにゃならない。地下は狭いし常時椅
      子を置く訳にはゆかないから、当然組み立て式で軽量でなくてはなりません。なんにも知ら
      ない大したことない私でもね。考えるときはあるわけ。

       学校の授業の合間にそこらへんにあった材料で作った模型。ちゃちなもんですわ。でも、
      最初は大体こんなもんだと思うだけど・・・・・・・・・・。

       事務所に帰って、ちょちょいと作ったモデル。縮尺は1/6。座面と背もたれが1パーツ。
      6枚の板脚が1パーツ。すべて長蝶番で折り畳めます。

       これを今日打ち合わせで会った玉野井氏に見せて軽いディスカッション。なんせ、ライブ
      の主役ですから一応っていうか礼儀として進捗状況をお知らせしなくてはなりませんから。
      彼も考えていたアイデアを披露してくれて、ちょっと席を離れた瞬間にアイデアが閃いたの
      です。▼がいいかもしんない!!
       四角い板脚が三角形に。

       ちょっと不安定かな? 大丈夫だと思うけど・・・・・・? どうかな?

       透明人体モデルに登場していただき、確認。したものの、不安定さは拭いきれない。座っ
      たらひっくり返るかな〜。

       それを確認するには実物を作るしかありません。ハイッ。材料は薄いベニヤ板で厚さは6
      ミリ。思うにこれが限界でしょう。6ミリの上は9ミリだけど、それじゃ重くなるし普通だ
      から。ここは一番6ミリに賭けてみましょう。とはいえ、このモデルはあくまでも基本形。
      単なる構造モデルでしかありません。それぞれの板を固定する方法とか、アレッシーの大方
      針EMOTIONの粉をパラリとフリカケてもっとカッチョ良くしなければ。な〜んだ、やっぱり
      大したことないじゃん、なんて言われちゃうもんね。

       この椅子を最大10脚と大きなテーブルが2コ必要。そのテーブル、今日の話し合いの中で
      T氏が素晴らしいアイデアをドサリと投げ出してくれました。狭い部屋には4本脚のテーブル
      はいかにも邪魔くさい。ならば、床板に穴を開けて直接コンクリの土台に基礎を作って、そ
      こにテーブルの脚を差し込めば。2本脚のテーブルが出来るじゃぁないか。ヤッター。そう
      しようっと!! ゴルフのグリーンの穴よろしく地下の床板に4個の穴が開き蓋をすれば
      使わない時もすっきり、使うときもすっきり。お互いダテに年はとってない、ありがたや
      友のアイデア。

      なんとか年内中にはライブを願っている・・・・・・・・・・店主でした。


      東西三役揃い踏み、ってか

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          渡欧の際におみやげとして持参したタイツ&靴下の使用報告がメールで届きました。ベル
        リン在住のTiro氏から。東西ベルリンの壁が、破壊される前に東ベルリンから西ベルリンに逃
        亡した強者。であることは前記事に書いた通り。その友人で今回ウィーンで世話になった
        Chris夫妻は「Tiroはきっとあの靴下は穿かないと思う、真面目だから」。そのTiroが穿いた
        のです!

         彼から送られたデータが大きすぎて取り込めず、パソコン画面からデジカメで再撮影。ま
        ったく無知でお恥ずかしいけど、他の方法がわかんないんですから仕方ない。穿いたけど、
        毛は剃ってない。ごめんね。みたいな文章が添えられてたけど、穿いていただいただけで
        満足っす。

         同じ靴下はChris氏のもの。ウィーンで愛用していただいてます。かしらね? 彼もTiro
        同様毛剃りカンベン派。でもいいっす。穿いていただいただけで。

         これはChris奥様の差し上げたタイツ。いや、いーんですよ。これが。プレゼントした側が
        言うのもなんだけどダンゼンなけっこうぶり。似合う似合う。特に外国の街で目にすると和
        のテイスト発揮しまくりで。まったく素晴らしい。絶賛の嵐は吹きやみません。彼女もいた
        く気に入っていただいて他の2種類を希望されました。買いましょう送りましょう、喜ん
        で。

         で、これが今日学校に穿いて行った私メの脚。穿いてまっせ。一度剃ったすね毛はまたた
        く間に生えて来てしまう。もう、剃るのや〜めた。のでゴザンス。その理由はいかに?

         靴下の下に穿くタイツを買ったのさ。すね毛は二重になったタイツと靴下で見えません。
        どないなもんだ! 先日、東急ハンズに塗料を見に行った帰りに、東急本店に寄ったワケ。
        いえね、10杯用コーヒーメーカーを探しにということで。なにもデパートで買わなくても
        いいんだけど、年金口座開設のプレゼントで商品券一万円分をもらったんでね。でも、超高
        額品しかなくって、このまま帰るのは癪にさわります。だからね、なんとなくぶらぶらして
        いた時にふと思ったのでアリマス。

         女性用のタイツがあるかもしれない、と。刺繍ものは絶対ダメ。この水玉ならば、女性っ
        ぽ過ぎないだろう。で、二足お買い上げ。これはいわゆるパンスト(なんと呼ぶのかわから
        ない)タイプですから、腰回りはまことに暖かく、これで一冬越せるかもしれません。

         この靴下&タイツは天下の「イッセイ・ミヤケ」です。両者ともに青山本店の左側レディー
        ス売り場で購入しました。秋冬物季節物ですから、もう売り切れてるでしょう。現に、靴下
        は私の分が最後でしたから。レディース、季節物、なおかつ海外で購入することはかなりム
        ズカシイということであれば、ドイツとオーストリアで男性が着用している人は絶無である
        と考えられます。そして、日本の私。この状況は、まったく、スバラシイと思うのは私だけ
        でしょうか?

        これを人はアホと呼ぶのだろうか・・・・・・・・・・・?な店主でした。



        映画の小部屋

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            渡欧日記はちょっと休筆、FACTIO地下での映画鑑賞についてのお知らせというか。とに
          かく私はその時にこの地下で映画を観ることにしました。ということをね、お伝えしとこう
          と思ったワケ。そんな個人的なことを知らせする必要あるのか? と言われてしまうでしょ
          うねえ。わかっています、わかっていますけどね。言わせてもらっちゃおうかな、ちょっと
          だけ。みたいな。ほんとにささやかなお話なんです。

           店の地下は試聴室になっていますが、それだけの使い方ではもったいない、予々そう思っ
          ていた店主は、いよいよ本格的?にここを拠点としてなにか始めようと考えた。とはいえ、
          狭いから出来ることは限られる。まず声を掛けたのは友人のT氏。このブログには度々出てく
          る重要な役どころの男性。外資系のサラリーマンにしてまれにどこかで唄うたう。その人に
          ここで唄っていただこうと。それがずいぶん前、でOKが出て準備に入ったのであります。氏
          はここに合うギターを選び、私は食べ物の段取りと場内整備にいそしむ。氏の映像は唯一
          YOU-TUBEで聴き観ることができます。名前は、T氏こと、玉野井徹。
          http://www.youtube.com/watch?v=Yz70ff8e4f8

           それはそれとして、氏の演奏は仕事柄そうそう出来るもんじゃないし、定期的に開催する
          ことも同じ理由でムズカシイ。そんなら、空いている時たま〜に映画を観よう。私一人でも
          いいんだけどもう少し入れる広さもあるし、このブログを読んでくれてる人にも声を掛けて
          みようと。別に募るわけじゃない、私が映画を観てる時にたまたま遊びに来た友人知人ある
          いはお客さんとついでに一緒に観るっていう感じ。だからチケットもなし予約もなしタダだ
          し持ち込み自由だし喫煙OKだし、なんでもありなの。タバコを嫌う方だって天井に大きな穴
          が開いてるから地下とはいえさほど煙害には悩まされない、と思うけど・・・・・・。

           これが鑑賞環境。映写幕は左右1.2m天地90㎝、決して大きいとは言えないけどここでは
          これが限界の大きさ。もっと大きくなるとスピーカーが隠れてしまいますから。プロジェク
          ターは床置き、観る私も床に座ります。座布団を用意しましょう。背もたれは壁、そのため
          に青い腰紙?を貼りました。むろん、寝て観ることもできます。

           問題は何を観るか。このブログでも紹介しましたが、私は双葉十三郎氏の映画のバイブル
          と言うべき名著「ぼくの採点表」(全6巻)を持っています。この本で評価されている四つ星
          『ダンゼン優秀』の中から入手可能な映画が対象となります。この本は洋画だけですから、
          邦画は私の鑑賞眼に頼らざるを得ません。だって、邦画対象のものはキネ旬しかありません
          から。キネ旬の年度別ベストテンは参考にはしますが、それ以外となるとあちこちで見聞き
          した私の眼を信頼するしかないのです。

           若い時から映画が好きで溺れていた時期もあった私ですが、最近はめっきりじっくり観る
          機会がなくなりました。なんだか映画が私から遠のいてゆくような感じです。だから、この
          計画はなによりも私自身にとって大切なものなのです。ですから誰も来なくてもいい、私一
          人映画を観る時間が欲しいというのがことの発端なのです。こんな感じで死ぬまで映画を愉
          しみたい、ただそれだけのことでしかありませんのです。

           私が映画を観る日時:2012年 10月 20日(土)午後4時頃から
           観る映画のタイトル:「眠狂四郎 炎情剣」 1965年大映
                     監督 三隅研次
                     出演 市川雷蔵 中村玉緒 西村晃 姿美千子 ほか

           柴田錬三郎原作の眠狂四郎。虚無的なキャラクターで幾度も映像化されましたが、なんと
          いっても極め付きは市川雷蔵。姿かたちも素晴らしいが口跡も見事で、以後このような明瞭
          でクッキリとしたセリフを吐く役者は渥美清のみ。役者も良ければ、映像も負けずにけっこ
          う。脚本、装置、照明どれをとっても当時の日本の映画レベルの高さが伺えて何度観ても
          うっとり。ため息が出るほどです。すべての眠狂四郎シリーズを観ましたがこの一本がベス
          トと思う私です。
           今じゃ誰も口にしない市川雷蔵ですが、私にとっては格別の存在。ずいぶん前に文芸地下
          で上映会があったときに、客席から拍手とかけ声がかかったことが忘れられない。それほど
          の人気だったし端正な顔立ちは多くの女性ファンに永く愛されていたことは間違いない。

          そんなこんな・・・・・・・・・・・・・・・・・の、店主なのですが

          PS
          この件についてなにかお聞きになりたいことがあれば、FACTIOの問い合わせからどうぞ

          続続 渡欧日記とはいえ

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              続続ってことで3回目。古い映画ファンならご存知の通り当たった映画は続、続続と続い
            た後は新となり、なんとか編となってシリーズ化されというのが通り相場。いやもうけっこ
            う、飽きたもんね。そんな人もいるだろーけど、とにかく大量の画像を処理しなくちゃなら
            ないこっちの事情もあるわけで、なかなか急には止まれない。

             いよいよ旅の二日目。まずは美術史美術館に行かねばなるまい。向こうの夫妻が同行して
            くれるので安気なもんです。なにも考えずついてゆけばあーら不思議、いつのまにか到着。
            内部は相変わらずスンバラシイ。なにも言う事ありません。今年は、クリムトの生誕記念と
            かで足場を組み、壁画が間近で観れるようになっている。だけど、正直私はそれほど好き
            じゃないからね。でも、せっかくだから登ってみました。上手ですねぇ〜、下から見えない
            とこまで細密に描いていますねぇ〜。真面目な仕事ぶり。誰も見ていなくてもちゃんと仕事
            をするクリムトは偉い! いや、マジでそう思っとるんですわ。

             で、私が大好きなのはピーテル・ブリューゲルだからさ。そりゃ見にゆくわさ。大きな一
            室がすべてブリューゲルでこれまた贅沢なこって。「雪中の狩人」でちっちゃな人物の人数
            を数え、遠くの家が燃えているのを確認して大満足の店主。愚鈍で助平な農民の酒宴で婦人
            をナンパしたり尻に手を回したりもまことにけっこう。こんなことはどうってことない、へ
            っちゃらさ。そんな空気が充満してるのがたまりませぬ。お目当てのそれだけを見て、ぐ
            る〜と回って帰ろうとしたらフェルメールに遭遇。ここには一枚だけあるんです。でもね、
            なんたってブリューゲルの私はちょっとだけ布のフワフワだけを確認すればもう充分。

             ちょっと一服ってことで植物園を改装した喫茶店へ。
             背中合わせのハイ・ソファとローソファ?の高さが違うのに感動。右にカウンターがある
            んでその高さに合わせたのでしょうか。それにしてもこのアイデアは当たり前といえばそれ
            までだけど私には新鮮なんだもん。しょうがありません。んでもってパチリ。

             そしてこれがカウンターでして。止まり木の高さに再度カウンターパンチ。わっかるかな
            ァ、わっかんねぇだろうなぁ。カウンターのトップよりも止まり木がかなり高いってこと。

             こんな感じになります。腕を乗せ、新聞を読む好男子。カウンタートップとの差が見えま
            すね。だからさ、グラスが止まり木よりも低い位置になってスッとは持てない。持てないけ
            ど腕を手首を乗せる快感には勝てません。それはそれとして向こうに立つメガネの女性はな
            んでしょうか。一人旅で隣りに座られても何事も起きません。人のことを言える私ではない
            けど、それにしてももうすこしなんとかならなかったもんか。この絵にはちょっとそぐわな
            い。完全なミスキャスト

             カウンターのハイスツールの構造美は素晴らしいし

             トイレの入口の風景も素晴らしいし

             串刺しになった出て来たケーキも素晴らしいし

             カウンター上部の壁に鎮座するデッキもね。素晴らしい(天下のルボックス製)けど

             ミスキャストが惜しまれる、と思っていたら。いましたいました。これなら充分っていう
            かヒロインとしてはほぼ完全、イメージ通りの役者の登場です。
             えーでんな〜、スパニッシュ。知らないけど、スペイン風に見えるんだからしかたない。
            伏し目がちもいとをかし。といいたいとこだけど、仕事真っ最中なんで下しか見てない。ず
            いぶんシャッターチャンスを待ったんだけど、目線を決して上げようとはせず。あんまり長
            時間カメラを構えてると変態だと思われちゃうし。心の中じゃ充分変態なんだけど、そう見
            られるのはまだまだ抵抗があるビギナーヘンタイなんざんす。

             列車の中とかコンサートとか、とにかくこんな人が隣りに座ったら何か起きますよ。観客
            も期待するでしょうし、その期待を裏切ることはできません。国はスペインでっか?なんて
            ね。それともイタリア? なんてね。あ〜ぁ、妄想は募るけど相手ははるかカウンターの
            中。どーしようもなく、後ろ髪を引かれつつ立ちサ〜ルのでありました。

             今旅行中人物写真は3人。その中の一人が彼女で、残りは後々出てきます。いずれも役者
            やの〜って感じでね。唯一、ミュンヘンの居酒屋で隣席の4人組の一人の女性が撮れずに心
            残り大。いかにもフランス女性で見た瞬間に「大好き!!!」。それが、なんと手巻きでタ
            バコを吸うんですわ。ワォ〜。タバコを吸う美女は多けれど手巻きはいませんて。流石に。
            言うまでもなく紙と葉が別々で、吸う段になっておもむろにくるくるとタバコを作るのが手
            巻き。慣れた手つきはまったく官能の世界でまぶしいことこの上もなし。あ〜ぁ、狂いた
            い。なんて素振りはみじんにも見せず、心は千々に乱れとるんでありまする〜。

            なんてこったい・・・・・・・・・・・・・・・な、店主でした。

            続 渡欧日記ですもんね

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                いやはや日々の老人力は侮れない。記憶は彗星のごとく過ぎ去ります。忘れないうちに書
              き残さなくては(というほどのモンでもないけど)。記憶が薄れるのが早いか、キーを叩く
              のが早いか、ここを先途の鶴亀合戦。って、なんのことだか自分でもワカンナイけど。とに
              かく、そーいうことで。

               ハイ! これがモスクワ空港の喫煙室。なんて明るいんでしょう。喫煙者に対するこぼれ
              んばかりの思いやり、愛にわたしゃ鳴きました。泣きました。部屋は広く天井は高く、視界
              も万全で言うことナス。しかし、遠目では清潔に見えるけどそこは元社会主義のお国柄、伝
              統は失われておりません。

               これが備え付けの灰皿。指で押しているのは吸い殻を下に落とすためのゴツイ角棒。これ
              が重い。かなりの力が必要です。押せません。しかも、真下に押す事がむずかしく、左右に
              ユラユラと揺れてしまいますから、なおさら押しづらい。だから、みんな押して吸い殻を下
              に落とすなんてことはしなくって、吸い殻はてんこ盛り状態になっています。

               きれいな空港、広々とした喫煙室、ロシアに対するイメージは裏切られたと思いきや、そ
              うはゆかない。こんなところに顔出してくれてなんかウレシイ。やっぱ、ロシアはこうでな
              くちゃいけませんよ。

               新装なったウィーン空港。モスクワと甲乙つけがたくきれいです。

               出迎えてくれた夫妻と車で一路自宅へ。車はルノー。140キロでもびくともしない。私の
              フィットとの違いに少しだけ感心。自宅に着いたのは夜の12時近く。挨拶もそこそこに就寝

               で、翌朝。夫妻の家はウィーン市内だけど森に囲まれていてそりゃ〜すごいもんさ。大田
              区とはワケが違う。古い建物を購入し、ほとんど全改修してこんなふうに。屋根に飛び出し
              ているのは子供部屋だけど、ここは新しく作ったのです。デッキも同様で改修して付けた代
              物。設計は夫だけど、ここまで大掛かりな工事となると彼一人ではどーにもならず、ポーラ
              ンド人のグループが請け負いました。彼曰く「ポーランド人はごっつ働きますねん」

               そしてこれが入口
               
               ここが早速私の喫煙スペースになったデッキ。愛煙家である私を充分理解してくれる夫妻
              はさっとここに案内してくれて、灰皿まで用意。泣けるなァ。奥にあるバーベキューセット
              が私の灰皿。

               朝食に出たゆで卵。No.が打ってあるのに感心。外国だから余計にそう思うのかもしれない
              けど、やたら感心してしまう店主。いい年して情けない。

               庭を歩いていたら子供の自転車めっけ。
               薄い木を張り合わせた成形合板という技術で作られチョル。かわいいぞ。今回の旅行で感
              心したベスト3に入りそうなのがこの自転車。何が感心かっていうと、どこに行くんでもこの
              自転車が同行します。東京なら銀座でも乗り回すという感じです。車でも電車でも持って行
              き現地に着いたとたん子供は乗り回します。それがなんとも気持ち良さそうで。人混みでも
              スイスイと、我々の前や後ろを事故もなく動き回る。

               幼児だから大人と同じスピードでは歩けない。ならばこの自転車。これなら大人もストレ
              スなく歩けます。もちろん車道だって自由横断。これを見て考えました。私がもしこの自転
              車を買ったとして街中で乗せるかってことを。結論はNO、即断です。カミさんはさらに許さ
              ないでしょう。迷惑になるし危ないし。でもね、何回も出歩いたけど危ないことなんか一回
              もなかったし、迷惑がる人も全然いない。それよか、乗り回している姿を見て微笑む人もい
              たりして。

               私ならせいぜい家の前で練習する程度でしょう。だからペダルのないこの自転車はペダル
              付きの練習台のような儚い存在でしかない。彼らのような積極展開はとても思い付きようも
              なく。彼我の違いに驚き感心もしたわけでありんす。
               今まさに絶好調で走り回る貴公子? 喜ぶとヨダレを雄牛のように垂れ流してしまいま
              す。ペダルもブレーキもないからすべては靴が担当せざるを得ません。「靴が減るでしょ」
              と問えば「すぐに小さくなるから大丈夫」と平然と答える妻。うーむ、合理的やのう。

               ついでに室内用の別自転車の紹介でスンマセン?
               うまくできてるし、これもかわいいぞ。小さな板で作られてる胴体。板を繋いでるのは革
              ざんす。だからクニョクニョ曲がります。こんな感じで
               曲がってないじゃん! おっしゃる通り曲がってなかったね。ごめんなさい。これしか
              写真がないもんで。でも、良く見るとすでにこれは小さいですね。彼には。とすると、彼は
              すでに2台の自転車の所有者ってこと? うーむ、ナリホド。そう来ましたか。よくわから
              ん文体で再々ゴメン。

              旅の疲れがトホホ・・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

              渡欧日記なのさ

              0
                 友人夫妻が住むオーストリアはウィーンから帰ってみた店主。およそ一週間、彼らの自宅
                に泊まり別荘に泊まり〜の無賃宿泊。なんてこったい、これでい〜のか。これでい〜のダ。
                by AKATUKA。観光でもなし、ビジネスと言えるほどでもなし。目的はなんだったんだろう
                か。親しい友との会話かしらね。言ってみれば、そんなとこで。

                 数年ぶりの成田空港。早速タバコを吸う場所を探します。ありましたよ、当たり前か。奥
                の奥って感じだけど、なかなかいいぞ。写真はボケてるけど外観内装ともに高級クラブ風
                で。黒と青がなかなかしゃれてる。ただ今、清掃中。見直したぞ、NARITA airport。

                 中に女性が居れば文句なしだけど・・・・内装はこうなっているのでして。居たのは掃除
                の無言おばさんのみ。モスクワ空港と比べたらキレイキレイ

                 窓がないからこういうふうにするしかないのかもしれない。などと思いつつ中で一服。と
                思ったはみたものの、はてさて肝心の着火事情はどうなるっているの? と思ったんです。
                だって火気は持ち込めないんでしょ、飛行機は。いえね、私は持ち込みましたけど。スパイ
                よろしく靴の中に。だから、心配はないんだけどフツーの人はどうなの。と、思っていたら
                あったんです。着火システムが。
                 昔の車にゃ必需品、今じゃまったく見当たらないシガーライター(って呼んでたと思うけ
                ど)。黒いポッチを押すと待つこと数秒でポンッという感じで持ち上がり、引っ張ると巻か
                れた鉄線が赤く熱せられているわけで。そこにタバコを押しつけるとカンタンに火がつく。
                けど、タバコの葉がくっつくんですよ。それがこれの欠点で。着火後にそこらへんにコツン
                と打ち付けて焦げついた葉を落とすのが流儀なんだけど。ワカルカナ〜、ワッカンネエダロ
                ウナア〜〜。

                 でね、一服した後出発ゲートに向かおうとしたんですわ。でも、世の中そんなに甘くあり
                ません。隣りにあった休憩所のような施設に引っ掛かりました。
                 シャワーとベッドのマークが見えるでしょうか。ふむふむ・・・・で何をするんじゃい。

                 と思った店主。確かにシングルもツインも必要なのはわかるんだけど。で、そこで一体な
                にをするんじゃい。シャワーを浴びて仮眠でしょ。わかってますって、そのぐらい。なんて
                たって63才ですからね。そのぐらいの常識はありますって。でもね、私の心はささやくの
                ですよ。で、そこで一体なにをするんじゃい。くどいけどしょうがない。自動反応で囁くん
                ですから。仮眠するまえに何かするんじゃないっすか。特にツインは。まさかダブルベッド
                は置けないでしょうから。退屈な飛行機の前に一仕事っていうカップルはきっといます。い
                ないはずがない。受付嬢に取材したい気持ちを抑えながら立ち去るのでありました。

                 TAX FREEの店で愛用のタバコ銘柄を発見。半額ほどで安く買えるんだけど、日本じゃ持ち
                込めるのは2カートン(10箱入り)と確か聞いたような。税関で申請しなきゃいいんだけ
                ど。思い付いて他国ではどうなの?って聞いたら、アラブの国では10カートンまでOK。え〜
                そんなに違うワケ!なんてことを言いながらまずはモスクワに。天下のアエロフロートに搭
                乗。

                 飛行機の中は格別なんにもなく。がっかりするやらホッとするやら。なんといっても悪名
                高きアエロフロートですから、なにがあっても動じない覚悟がね。必要なんですよ。だけど
                なんにも起こらない。食事もいいし、スチュワーデスもデカイことを除けばこれも問題な
                し。デカイのはお尻の横巾で、通路巾と変わらないと思えるほどの堂々っぷり。見応えは
                充分、ついつい後ろ姿を・・・・・・イカンイカン。

                とまぁ、こんな感じでしばらくは渡欧シリーズが続きまする・・・・の、店主でした。

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