脱皮して、蝶になりしか蛾になりしか
巌窟王にさも似たり、地下で黙々の孤独な作業がほぼ終わりました。ライブ会場に変身す
べくのあれやこれの改装十日ほど、げにげになにげにいいんだなァと出来上がりに自画自
賛。コーシーを飲みつつマイルスを聴きつつ。気持ちは貴族の店主。それにしてもなぜか眠
いのダ。
改装にあたって、まずは壁に取付けるための構造部材をチョッキチョキ。材料はホームセ
ンターのSPF、ツーバイフォーの建築材です。安価で強い、まさにうってつけの材料。
手前の斜めは背もたれが付くための加工、3つの穴は壁にとりつけるためのもの。
そしてもう一種類のこれは座板を支える部材。座板は少しだけ傾くので板を組み合わせて
角度をつける。この厚さの違う板は8本のビスで固定。ちなみにボンドはなし。
ダイロンのウッドダイ No.13で着色。この青は、腰壁に張ってある紙と同色で、言わず
もがなのJBL(アメリカの有名スピーカー)の青。ウチのオーディオには採用できなかったけ
ど、なんといってもこの青はJBLの証。良い音を視覚的に表現した最高事例と考えています
から、それに敬意を表して。
一方、コンクリ壁に穴を開け、こんな金具を打ち込みます。6ミリのアンカーナットという
もんだけど、これにボルトをねじ込めば木製部材が固定できる。
こんなふうにね。今回の大失敗は穴が3カ所だったこと。2つの穴ならばさほどむずかしく
なくボルトで固定できるんだけど、3カ所になるととても難しくなる。やってから気が付く
相変わらずドジなんであります。ドリルの角度がちょっとでもズレたり角度が付くととたん
に受け付けてくれない。原因は板の巾。もっと狭ければうんとカンタンなんだけど。知って
はいたけど、やってみてから思い出す。なんだか最近はこんなことばっかし。それが老人力
だ!!
こんなふうになるわけだ。2つの部材を固定するにはネジを9本も打っちまいまして。最
初はボルトで、と思たんですよ。ネジの永井で数十本買いまして、まずはお試しで組んだん
だけど、ボルト穴がちょっとだけ大きくて荷重を掛けると下がるんですわ。にゃるほど、そ
ーいうこと? やっぱね。みっともないしなんか日曜大工みたいで情けない気がしないでも
ないけど、これが一番理に叶っているか。で、ズンズンとひたすらネジを打ち込み〜の、固
定しまくり〜の。
そして無垢板の仕上げに取りかかる。これは二人分で長さは1.2m。まだまだ可愛いもん
です。
節穴の柔らかい部分、ゴミをホジホジし
端面を少しだけ丸くヤスリがけて
サンダーで容赦なく磨き
お得意のウズクリで磨き、オイルを塗布し、さらに耐水ペーパーで磨き、木ロウを塗り込
み、磨いて磨いて磨きまくる(それほどじゃないけど)。ピッカピカ艶こそ出ないものの肌
ざわりは良くなり、オイル仕上げ独特の深みのある仕上がりになりました。
まずはこんなふうに座板を取り付け
背もたれを取付ければ、この通り。これが三人掛けのベンチ。長さは1.8m
反対側には5〜6、7人用のベンチ。扉前の小巾の板はもちろん取り外し可能でやんす。
そうしないと工房に出入り出来ませぬ。
ほぼ、出来上がったライブ会場。如何でしょうか?
照明が付き、演奏者を待つばかり。
一方の反対側は、
既存のテーブルを階段側板に金具で取付け、もう片方は2本脚で立ちまする。このテーブ
ルは、ライブの時は5人分のテーブルになり、普段は作業デスクになるからもちろん取り外
しが出来るようになっちょる。
テーブルを撤去すればこんなふう。まずまずこんな感じでしょ。悪くないと思うのは私
だけでしょうか。そうではないだろうと言いたいけれど。こればっかりはわかりませぬ。
と、ここまで書いてライブの主役玉野井徹氏が来訪。近くに寄ったついでにということ
で、ベンチに付くテーブルについての打ち合わせ。彼と共通の友人の通称サブロウさんの
知恵を寄せ集め、いろいろ話した末にgoodなアイデアが生まれ出ましてまずはケッコウけっ
こう。テーブルを固定するためにドイツの金具を直輸入しましょう。およそ2週間で届きま
す。こんなちっちゃな部品だけど、ナンチャッテな店主にも意地はある。まとまった頃に、
「近くの焼き鳥屋に行かへんか?」のお誘いを断る理由もなくスイスイと。5時頃から飲み
始め閉店時間の9時半まで飲んで食べて、今しがた帰って来てブログの続きを書き続けてい
るのでアリマス。
けっこう酔っぱらっていますから、誤字脱字てんこ盛り。文章も変かもしれないけど。そ
れも面白いじゃん。聴いている音楽はオーソドックスなカントリーミュージック。たまにゃ
いいです。まったく日本の民謡と同じような世界にどっぷり浸りつつのブログ書き。
焼き鳥屋ではおよそ4時間。ほとんどしゃべりっぱなし。尽きる事なし。仕事のこと音楽
のこと女性観なんやかや。ちなみにライブ会場は気に入ってもらえたようでとっても嬉し
い。自分の作品を理解してもらえることは幸いなこと。しかもなかなかの人物と思っている
方からの頭ナデナデ発言は千金の重みがあります。どうってことない店員さんから「お似合
いですよ」お世辞と比べたら数百倍数千倍の違いがあることは間違いない。
日頃接している学生たち共通に感じることは、褒められたりけなされたり問題を指摘され
たりする相手(まぁ、先生のことだけど)を読んで(理解して)対処しないこと。先生だっ
て神じゃない。全員が学生自身にとって有用な意見を述べるなんてこたァあるはずがありま
せん。頭が切れる(血じゃない)人や言っちゃあなんだけどアホな人や鈍い人もいるわけで
それをみんな同じと考えてあちらこちらに作品の方向性がフラフラすることは問題でっせ。
学生は若いし、先生は年配だからなんでも知ってるし少なくても自分よりも経験あるから
言ってる事は正しいと思う事はわからないでもないけど。それでも直感的におかしいぞ、と
か、ちょいと変かもと思わないのかい! 年上の人の意見やアドバイスなら素直に受け入れ
ていいんかい!! 自分の直感力を信用せんかい!!! ゴメン、なんせ酔っぱらっいの
戯言ですから。なんちって。
酔ってるから言葉は荒くなってるけど、要はそんなことを毎週感じているわけです。い〜
んですけどね。でもね、と言いたい。若いからむずかしいとは思うけど人を見る目がなけ
りゃこれから会社に入ってから大変でっせ。なんせ、みんな年上ばっかだから。しかも言う
ことが違っていたらば、誰の言う事を信じていいかわかんないでしょ。恋愛だって、この人
ならば間違いないだろうと思わなきゃ身も心も捧げられませ〜ん。違いまっか。そりゃ、い
ろいろ経験した末でなきゃわからないだろうけど、あるでしょ直感力が。少なくても私には
ありましたよ。その年代で。それが当たりか外れかわかんないけど、とにかくその瞬間に感
じた自分を信じるっきゃない。
そんな経験を経ての今、私がかなりの人物と思っている方からの発言は従いますし信じも
しましょう。良い会場とおっしゃるならば素直に喜びましょう。
さあて、いよいよ舞台は出来上がりました。なんちゃってスポットも点灯し、ライブを今
や遅しと待ち受けています。あとはテーブルを用意するばかり。そのテーブルも姿が見えて
きました。なかなかのブルースとなかなかの食事となかなかの内装のライブの定員は10名。
宣伝する気がないわけじゃないけど、ブログを読んでいただいている方で興味がおありな方
がおられたらってことでのご紹介。失礼しましたァ〜
もう寝ちゃうから・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。
- 2012.11.30 Friday
- 地下の試聴室物語
- 14:10
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- by factio