脱皮して、蝶になりしか蛾になりしか

0
      巌窟王にさも似たり、地下で黙々の孤独な作業がほぼ終わりました。ライブ会場に変身す
    べくのあれやこれの改装十日ほど、げにげになにげにいいんだなァと出来上がりに自画自
    賛。コーシーを飲みつつマイルスを聴きつつ。気持ちは貴族の店主。それにしてもなぜか眠
    いのダ。
     改装にあたって、まずは壁に取付けるための構造部材をチョッキチョキ。材料はホームセ
    ンターのSPF、ツーバイフォーの建築材です。安価で強い、まさにうってつけの材料。
     手前の斜めは背もたれが付くための加工、3つの穴は壁にとりつけるためのもの。
     そしてもう一種類のこれは座板を支える部材。座板は少しだけ傾くので板を組み合わせて
    角度をつける。この厚さの違う板は8本のビスで固定。ちなみにボンドはなし。
     ダイロンのウッドダイ No.13で着色。この青は、腰壁に張ってある紙と同色で、言わず
    もがなのJBL(アメリカの有名スピーカー)の青。ウチのオーディオには採用できなかったけ
    ど、なんといってもこの青はJBLの証。良い音を視覚的に表現した最高事例と考えています
    から、それに敬意を表して。
     一方、コンクリ壁に穴を開け、こんな金具を打ち込みます。6ミリのアンカーナットという
    もんだけど、これにボルトをねじ込めば木製部材が固定できる。
     こんなふうにね。今回の大失敗は穴が3カ所だったこと。2つの穴ならばさほどむずかしく
    なくボルトで固定できるんだけど、3カ所になるととても難しくなる。やってから気が付く
    相変わらずドジなんであります。ドリルの角度がちょっとでもズレたり角度が付くととたん
    に受け付けてくれない。原因は板の巾。もっと狭ければうんとカンタンなんだけど。知って
    はいたけど、やってみてから思い出す。なんだか最近はこんなことばっかし。それが老人力
    だ!! 
     こんなふうになるわけだ。2つの部材を固定するにはネジを9本も打っちまいまして。最
    初はボルトで、と思たんですよ。ネジの永井で数十本買いまして、まずはお試しで組んだん
    だけど、ボルト穴がちょっとだけ大きくて荷重を掛けると下がるんですわ。にゃるほど、そ
    ーいうこと? やっぱね。みっともないしなんか日曜大工みたいで情けない気がしないでも
    ないけど、これが一番理に叶っているか。で、ズンズンとひたすらネジを打ち込み〜の、固
    定しまくり〜の。
     そして無垢板の仕上げに取りかかる。これは二人分で長さは1.2m。まだまだ可愛いもん
    です。
     節穴の柔らかい部分、ゴミをホジホジし
     端面を少しだけ丸くヤスリがけて
     サンダーで容赦なく磨き
     お得意のウズクリで磨き、オイルを塗布し、さらに耐水ペーパーで磨き、木ロウを塗り込
    み、磨いて磨いて磨きまくる(それほどじゃないけど)。ピッカピカ艶こそ出ないものの肌
    ざわりは良くなり、オイル仕上げ独特の深みのある仕上がりになりました。
     まずはこんなふうに座板を取り付け
     背もたれを取付ければ、この通り。これが三人掛けのベンチ。長さは1.8m
     反対側には5〜6、7人用のベンチ。扉前の小巾の板はもちろん取り外し可能でやんす。
    そうしないと工房に出入り出来ませぬ。
     ほぼ、出来上がったライブ会場。如何でしょうか?
     照明が付き、演奏者を待つばかり。
     一方の反対側は、
     既存のテーブルを階段側板に金具で取付け、もう片方は2本脚で立ちまする。このテーブ
    ルは、ライブの時は5人分のテーブルになり、普段は作業デスクになるからもちろん取り外
    しが出来るようになっちょる。
     テーブルを撤去すればこんなふう。まずまずこんな感じでしょ。悪くないと思うのは私
    だけでしょうか。そうではないだろうと言いたいけれど。こればっかりはわかりませぬ。
     と、ここまで書いてライブの主役玉野井徹氏が来訪。近くに寄ったついでにということ
    で、ベンチに付くテーブルについての打ち合わせ。彼と共通の友人の通称サブロウさんの
    知恵を寄せ集め、いろいろ話した末にgoodなアイデアが生まれ出ましてまずはケッコウけっ
    こう。テーブルを固定するためにドイツの金具を直輸入しましょう。およそ2週間で届きま
    す。こんなちっちゃな部品だけど、ナンチャッテな店主にも意地はある。まとまった頃に、
    「近くの焼き鳥屋に行かへんか?」のお誘いを断る理由もなくスイスイと。5時頃から飲み
    始め閉店時間の9時半まで飲んで食べて、今しがた帰って来てブログの続きを書き続けてい
    るのでアリマス。
     けっこう酔っぱらっていますから、誤字脱字てんこ盛り。文章も変かもしれないけど。そ
    れも面白いじゃん。聴いている音楽はオーソドックスなカントリーミュージック。たまにゃ
    いいです。まったく日本の民謡と同じような世界にどっぷり浸りつつのブログ書き。
     焼き鳥屋ではおよそ4時間。ほとんどしゃべりっぱなし。尽きる事なし。仕事のこと音楽
    のこと女性観なんやかや。ちなみにライブ会場は気に入ってもらえたようでとっても嬉し
    い。自分の作品を理解してもらえることは幸いなこと。しかもなかなかの人物と思っている
    方からの頭ナデナデ発言は千金の重みがあります。どうってことない店員さんから「お似合
    いですよ」お世辞と比べたら数百倍数千倍の違いがあることは間違いない。
     日頃接している学生たち共通に感じることは、褒められたりけなされたり問題を指摘され
    たりする相手(まぁ、先生のことだけど)を読んで(理解して)対処しないこと。先生だっ
    て神じゃない。全員が学生自身にとって有用な意見を述べるなんてこたァあるはずがありま
    せん。頭が切れる(血じゃない)人や言っちゃあなんだけどアホな人や鈍い人もいるわけで
    それをみんな同じと考えてあちらこちらに作品の方向性がフラフラすることは問題でっせ。
    学生は若いし、先生は年配だからなんでも知ってるし少なくても自分よりも経験あるから
    言ってる事は正しいと思う事はわからないでもないけど。それでも直感的におかしいぞ、と
    か、ちょいと変かもと思わないのかい! 年上の人の意見やアドバイスなら素直に受け入れ
    ていいんかい!! 自分の直感力を信用せんかい!!! ゴメン、なんせ酔っぱらっいの
    戯言ですから。なんちって。
     酔ってるから言葉は荒くなってるけど、要はそんなことを毎週感じているわけです。い〜
    んですけどね。でもね、と言いたい。若いからむずかしいとは思うけど人を見る目がなけ
    りゃこれから会社に入ってから大変でっせ。なんせ、みんな年上ばっかだから。しかも言う
    ことが違っていたらば、誰の言う事を信じていいかわかんないでしょ。恋愛だって、この人
    ならば間違いないだろうと思わなきゃ身も心も捧げられませ〜ん。違いまっか。そりゃ、い
    ろいろ経験した末でなきゃわからないだろうけど、あるでしょ直感力が。少なくても私には
    ありましたよ。その年代で。それが当たりか外れかわかんないけど、とにかくその瞬間に感
    じた自分を信じるっきゃない。
     そんな経験を経ての今、私がかなりの人物と思っている方からの発言は従いますし信じも
    しましょう。良い会場とおっしゃるならば素直に喜びましょう。
     さあて、いよいよ舞台は出来上がりました。なんちゃってスポットも点灯し、ライブを今
    や遅しと待ち受けています。あとはテーブルを用意するばかり。そのテーブルも姿が見えて
    きました。なかなかのブルースとなかなかの食事となかなかの内装のライブの定員は10名。
    宣伝する気がないわけじゃないけど、ブログを読んでいただいている方で興味がおありな方
    がおられたらってことでのご紹介。失礼しましたァ〜
    もう寝ちゃうから・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

    デキル女の恋愛事情

    0
        浜の真砂は尽きるとも、世にデキル女の種は尽きまじ。なんチって。男女とも20代は元
      気だけが取り柄でまだまだお子ちゃまだと思ってる店主。デキル女もやはり30代以上じゃな
      いでしょうか。上は何才なのかな。40〜50代だって充分大丈夫、60〜70代は私と同世代も
      しくは先輩にあたるけど、私の出会う女性はなんだか恋愛なんか埋もれた遺跡みたいな方々
      ばかり。欲求はあるにはあるけど顔に出さないのか。こういうところがまったくわかんない
      女性軍。80〜90代はどうなんでしょうか。皆目見当もつきません。60〜70代で埋もれた感
      のある恋愛飢餓感、まさか埋れ火が再燃するなんてことは・・・・・・・・ないでしょう。

       世の男性軍は常に恋愛飢餓状態に置かれている。と思っているんですが、どうもそう
      じゃないみたい。恋愛とSEXが同一だとは思わないけど一つの節目、到達点や通過点である
      ことは確かでしょう。狭い私の身の回り、講師をしている学校の男性軍からSEXに興味がな
      いという若者が少なからずいることに驚きます。しかも、それは年々増加傾向にあるよう。
      そんなことを言う学生はもちろん希少だけど、一人でもいるってことはその後ろにゾロゾロ
      と予備軍が付き従っていることは世の常ですからね。不気味だし恐いですよ、これは。

       そんな男性ばっかりじゃないだろうけど、SEX・恋愛・女性に興味がない男性軍は今後ま
      すます危うい立場になること必定。江戸時代の武士が平和の中で弱体化していったように、
      平和な平成の世、男性の性意欲は減退し続け、片やデキル女の恋愛は常に枯渇状態に置かれ
      ることも疑う余地がない。悲しや切なや、デキル女の恋愛事情はいかなる結末に。乞うご期
      待。

       なにがデキルのかというと仕事。だから生活力はあるしお金だってほどほどある。結婚し
      たくないわけじゃないけど、それは生活力が乏しいからじゃない。男性に食べさせてもらわ
      なくてもけっこうだけど、恋愛で心躍りたいし子供だって欲しい。甘えたいしSEXの喜び
      だって経験したいじゃないっすか。そんな女性はどーしたらえーのんか。勝手な私の憶測か
      もしれないけど、あながち的外れってわけではないんじゃないか。ど〜です女性軍の勇士た
      ちよ。

       デキル女はしょうもない男じゃ飽き足らない。性欲ギラギラは論外だし、乳とか尻とか脚
      とかいわゆる顔カタチで評価する輩も困ったもんだ。ちゃんと私を理解して欲しい、仕事も
      生き方も考え方もひっくるめて。そんなこと20代の経験淡い男性勇士が出来るとは到底思え
      ない。私の経験則でしかないけど。いいな!と思ったらすでに結婚してる、エエ男はみ〜ん
      な成約済み、なんてことは昔聞いた事があったけど、それは今も同じじゃないかしら。
       
       そんなことを考えたのは「夜の河」という映画を今日観たから。山本富士子のベスト、気
      弱な相手役・上原謙もなかなかの好演。女性の恋愛を色彩で表現するという意図ですから色
      使いはまったく素晴らしく。特に山本富士子が脱衣してお風呂に入ろうとするシーンは何度
      観てもため息が出てしまう。キャメラマンは天下の宮川一夫で文句なし。

       その富士子さんがデキル女でね。うぶだけど恋愛にはなみなみならぬ意欲の持ち主。けど
      周囲には身体目当ての親父連、女の幸せは結婚だなんていう人ばかりで。仕事に精を出さざ
      るを得ない状況の中、ひょんなことで出会った男性と恋仲になっちまう。ああ、恋愛映画
      ね、とか言われちゃうんだろうなぁ、この映画は。だけど、問題の核心はデキル女の恋愛。
      本能と倫理との狭間で悩む一人の人間についてのあれこれを物語る。深いんであります。

       初めて枕を共にした後、「あなたの子供ならきっと目の大きな可愛い子供でしょうね」と
      言われた男は狼狽する。ええ、ええ、わかりますよ。男なら誰だって子供が欲しい、ことを
      持ち出されちゃこうなります。でもね、富士子嬢は「自分で育てる」「あなたには迷惑はか
      けない」って言うし心からそう思ってるわけだけど、男はそうは思わない。恋愛はしたい
      しSEXもしたいけど子供は困る VS 恋愛はしたいしSEXもしたいしあなたの子供がほしい。
      さて、どちらに軍配が上がるのでしょうか。観てのお楽しみィ〜

       いや別に観なくたって世の女性軍の勇士たちは充分ご存知のハズ。映画なんかよりも実生
      活で体験してるし実感なさってるんですから。映画という虚構で納得するよりも自分自身で
      心躍らなくてはリアルじゃないしつまんない。魅力ある女性軍をかような目にあわせるのは
      如何なもんか。しっかりせい、草食男性軍!受けて立たんかい!!子孫を残さんかい!!!

      もう、頼りない奴ばっかりなんだから〜・・・・・・・・・・・・の、店主でした。


      「映画ぼんち」改め『ぼんち倶楽部』に

      0
          11月にひっそりと始まった「映画ぼんち」は、12月から『ぼんち倶楽部』と改名し、内
        容も変えることにいたしました。映画だけでなくライブなども開催するので、というのが主
        な理由です。日時も毎週土曜日の午後7時に移動します。むろん、FACTIO地下の会場は変わ
        らずそのまま。

         そもそもこの「ぼんち」というのは、市川崑監督の大映映画『ぼんち』からの頂きもの。
        大店のおぼっちゃんが女性遍歴の末に一文無しになってしまうのが大筋。老いて一文無しに
        なってもぜんぜん後悔なんかせずに相変わらずノホホンな主人公は市川雷蔵。いいとこの子
        供をぼんぼんっていいますが、それ以上の存在が「ぼんち」だと何かで読んだか聞いたか。
        私なりの理解ではお金にあくせくしない、世俗のことには頓着せずに、自分の思う通りに生
        きて、それがどんな結末になっても一切後悔はしない。その時々、興味のある事、好奇心の
        赴くままに行動し、その連続が未来につながる。だから過去なんか関係ない。まっ、こう
        いった存在に憧れ少しでも近づきたい・・・・・・・店主ですから。

         内容は映画が主になりますが、それだけじゃない。私が目指す方向性の範囲内であるなら
        なんでもどんどん観ましょう聴きましょう。私が心惹かれるものならなんでも。という主旨
        ですから、誰が一緒だろうと、たとえ私一人だろうとなんの問題もない。これは、言ってみ
        れば人生という道を私一人で歩いてゆくようなもの。途中で誰かと同行することになって
        も、たまたま数人が道連れになったとしても、分かれ道で別々になったとしても、結局私は
        一人で歩いてゆくしかない。それじゃ淋しいじゃんと言われるかもしれないけど、所詮人は
        孤独なもんだし、私しゃそれが嫌いじゃないし。歩みが止まったときは死ぬ時。そう考えて
        おるのです。

         前書きが長くなったけど。ってことで12月のスケジュール

        12月 1日(土)午後7時 映画「バージニア・ウルフなんかこわくない」
               1966年 アメリカ 監督 マイク・ニコルズ
                          出演 エリザベス・テイラー、リチャード・バートン他
         タイトルは知っていたし、とっても気になっていた映画だけどなぜか未見で。お嬢様女優
        のリズが演技派に転向、その中でもベストというのが双葉評。壮絶な夫婦喧嘩をチラッと何
        かで観た事があるけど、そのシーンだけでも充分だという気がする。ちなみにアカデミー 主
        演、助演女優賞を受賞。双葉サンの採点は85点。

        12月 8日(土)午後7時 映画「十三人の刺客」
               1963年 東映 監督 工藤栄一
                        出演 片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、内田良平、里見浩太朗ほか
         11月に予定していましたが、とある事情でこの日に移動。
         重厚な時代劇といえば大映というのが私の考え。時代劇はどこでも作ってたから何も大映
        だけがいいってわけじゃないけど。やっぱり大映なんだなァ。でも、これは東映。コミカル
        な時代劇が多い東映としては、珍しくと言っちゃあ失礼だけど、これは正統時代劇として名
        を馳せた名画なんざんす。ラストの戦闘シーンが有名だけど、魅力はそれだけじゃない。存
        在感のある役者陣がなんといっても素晴らしい。脚本もいいけ映像表現もセットもいい。
        ほぼ文句のつけようがありませんのさ。

        12月15日(土)午後7時 「QUEEN Night」
         今日BSで放映された「ボヘミアン・ラプソディ殺人事件」があまりにも良かったんで、こ
        れをメインにしてクィーンで一晩明かそうっていう催し。知らない人のために言っとくけど
        ロックバンドのクィーンです。フレディ・マーキュリーを含め4名。プロモーションビデオ
        もありますウェンブリーライブもありますLIVE AIDのDVDもあります数多のCDもありま
        す。飲食はすべて持ち込み、自分のものは自分で用意してください。近くのコンビニで買う
        ことも出来ます。原則オールナイトですから何時に来ていただいてもけっこう。狭いですか
        らおよそ10人くらいが定員。

        12月22日(土)開場午後6時 開演午後7時 「玉野井徹ライブ」
         私が飽く事なく聴き続けている玉野井徹。ほぼ2年くらいほぼ毎月ライブを聴いています
        が、やっとこさ当地でのライブが整いました。ブルースがベースになったオリジナル曲を弾
        き唄ってくれるでしょう。数本のギターが用意されるようです。狭い地下ですからマイクな
        し。私もこんなに近くで聴いた事がありません。どんな音が聴けるのか期待は高まります。
        楽曲、演奏は何回聴き続けてもまったく飽きることのない私の感性を信じていただくほかあ
        りません。

         定員あり料金ありです。食べ物は中目黒の名店バランチェッタの前菜盛り合わせ+パン。
        ボリュームあります。飲み物はすべて持ち込みです&近くで買うことも可。グラス、氷用意
        、珈琲は何杯でもOK。愛煙家の方にも誠意ある対応を考えています。

         料金はすべてこみで3000円ポッキリ。定席は10人、詰めれば13人程度です。料理を注文
        しなければならないので予約制になります。先着順、定員になり次第締め切り。申し込み
        は、私のメールアドレス、FACTIOの問い合わせいずれでもかまいません。

        さ〜て、忙しくなってきたぞ・・・・・・・・・・・・の、店主でした。


        と思ってたら、感心させられたし

        0
            いやいや、やっぱり捨てたもんじゃない。世の中ニャ感心させられることもあったし。前
          回は、不満の八つ当たりで失礼しました。だけど、間髪入れずにどうよ。BSで放映された二
          つの番組は。共におフランス関連で、なんか偉そうにしてる感じのフランスだけど、それも
          納得できちゃう店主なのでアリマス。

           芸術部門が売りのフランス、音楽部門がウィーン、映画部門はアメリカと相場は決まっと
          るけど、フランスだって一時は凄かったからね。私にとっては、なんてったって「旅路の果
          て」だけどそれ以外だって「死刑台のエレベーター」「舞踏会の手帖」「天井桟敷の人々」
          「嘆きのテレーズ」・・・・・・まぁ、目白押しですわ。最近ではドキュメンタリーの傑作
          「ミクロコスモス」「WATARIDORI」「OCEANS」三部作もあった。なんてったってファ
          ーブルの国ですからドキュメンタリーも素晴らしいんだなァ。

           感心させられた番組は「ケネディの残光 ケネディ家宿命の子供たち」と「旅のチカ
          ラ」。ケネディは、暗殺されたジョン・F・ケネディとこれも暗殺された弟のロバートにまつ
          わるいろいろ。アイルランド移民のケネディ家、ジョンの父親の野望は大統領を輩出するこ
          と。だからしつけや掟も厳しい。不祥事なんか絶対許さない。驚いたのはジョンの妹にロボ
          トミー手術を施して三歳児の知能にしちまったこと。ことの発端はダンス好きで男にすぐに
          のぼせ上がってしまう妹が妊娠したりスキャンダルを起こしたら大変。だから先手を打って
          手術しちゃった。ゲッ、いいんかい。そんなことしちゃってさ。頭を開いて前頭葉かなんか
          をちょこちょこといじっちゃうんでしょ。「カッコーの巣の上で」だけだと思っていたら、
          ケネディ家もそうかい。ドヒャーっと仰け反る店主。

           ジョン暗殺後は妻のジャクリーンとロバートは肉体関係があったようだし、そのロバート
          が暗殺された後は、メチャクチャぶりに拍車がかかり子供たちは飛行機事故で死んだり、麻
          薬で死んだり、強姦で起訴されたり。その前だって砂を壜に詰めて「ケネディの砂」として
          売ったり、わざと交通事故で死んだふりをしたり、黒ミサはやるは石で窓ガラスを割るわ、
          そりゃ大変な悪ガキだった。内容も過激なんだけど、進行を勤めるナレーション役が子供た
          ちの養育係でね。この養育係は世間にはまったく知らされていません。ロバートの子供なん
          か10人以上いるんだけどすべて妻が育てているということになってるわけ。つまり、大統領
          一家の生活を演出するためには養育係が知られちゃまずい。そこに目をつけることに感心し
          詳細な取材を元にした冷徹な演出に感心し、アメリカの大統領選の熱狂ぶりを冷ややかに観
          察する冷静な視点に感心し。まったく文句のつけようもなしでね。さすがフランス、すべて
          において素晴らしい。

           そして「旅のチカラ」。柔道の金メダリスト吉田秀彦がフランス柔道の強さを探ろうとい
          うのがテーマ。日本柔道は常に一本勝ちを狙っているというけど、フランスも同じでさ。ほ
          とんどの国はセコくポイントを重ねて勝とうというのとはワケが違う。なぜ、そうなんだ。
          ってことなんだけど。日本は武士道あちらは騎士道、これがなかなか興味深い。驚いたのは
          インタビューされる人がほとんど「柔道は学校だ」と言ってること。「相手への尊敬や自分
          への自信」「テクニックだけじゃなく自分をコントロールできる」だから人生の学校だって
          いうわけ。へぇー、そういうことか。ちゃんと心の土台があるわけね。

           フランス柔道は、礼儀、勇気(正しさを貫く)、友情、自制、誠実、謙虚、名誉、尊敬の
          8つの心得がある。騎士道と武士道は共通するところが多く、今の柔道家たちはどうやら皆
          それがちゃんとわかってるんですよ。しかも、日本人よりも力は強いし、練習は合理的だか
          ら強くならないわけがない。確かに技は日本が圧倒的だけど筋力は外人の方がある。「力も
          技のうち」ということ。そりゃそうだ、と膝を打ちましたよ。しかも、吉田秀彦が最初に訪
          れた道場の師範は、彫刻も好きで隣接したアトリエで作品を見せてくれる。怪訝顔の吉田ク
          ン。芸術の素養もある、その延長としての柔道。柔道に美を見出している、こりゃかないま
          せんわ。

           単に力だけじゃありませんからね。体育会系の精神論だけじゃとてもじゃないけど、無理
          なんじゃないっすか。柔道を正しく深く理解してるもの。どーしてこうなったん。私は高校
          で柔道やってたんだけど、武道館で見た一本勝ちはまるで舞踊のようでした。瞼に焼き付い
          ています。きれいでした。そんな凛とした清々しい柔道家が日本に居るのか!フランスには
          居るぞ!! こんなこっちゃ、いずれ日本柔道は衰退し(すでに衰退してるけど)イギリス
          みたいに発祥の国としての存在でしかなくなっちゃうだろうなぁ。

           捨てる神あれば拾う神あり、なんとまぁ良く出来た出会い二つの番組でした。ちゃんと仕
          事してる人いるんだなー。そうでなきゃいけませんぜ。気持ちはまるでシャワーを浴びたよ
          うにスッキリ。背筋もピシッと伸びたような。これでしばらくはしゃきっと出来るわい。有
          りがたやBS、サンキューBS。

           明日からまたがんばろう・・・・・・・・・・・・っと、の店主でした。


          感心させておくんなまし!

          0
              今日は、講師をしている学校の卒業制作のモデル審査で水道橋までのお出かけ。来年の1
            月末が提出期限なので、約2ヶ月半(正味2ヶ月弱)で実物を作り上げなければなりませ
            ん。デザインを決め、モデルを作り、までが今日。これから具体的な構造を検討し、材料を
            決め、発注してから製作にかかるといった案配ですが、これがなかなかの難物。なんせ、学
            生は経験がないからなかなか決定する事ができないし、自分の表現したいことにかなり拘泥
            しますから他人のアドバイスを受け入れないこともしばしば。いや〜頑固なんです。若いの
            に頑固ってどうなの。

             私の授業は月曜日の午前中ということもあってか、敬遠されるキャラクターあるいは物言
            いの故かいつも出席者は少なく、卒業制作期間になってからは拍車がかかりまくっておるの
            です。誰にだって選ぶ権利はあるし、他の先生のアドバイスを参考にしてあるいは自分で考
            え抜いてなかなかな作品になっていれば納得できますが、そうにはならない。まったく。審
            査で隣り合った先生も「授業の出席者が少なくて・・・・・」とこぼされるのあります。
            薄々わかってはいたけど・・・・・・・やっぱりね。学生は、誰に相談することもなく、
            言っちゃあなんだけど浅薄な知識と乏しい経験で自分勝手なアイデアを開陳するばかり。

             いくら知識や経験がなくたって、こんな老人に少しは感心させていもらいたいのです。な
            るほど若い人はトンデモナイことを考えるわい、とかね。しかも、今日は学生だけどそんな
            若い人以外でもなかなか感心させてくれる人がいません。だから学生に八つ当たりしてるの
            かもしれない。年老いたからもっと落ち着いてとは思うものの最近はますます過激になって
            きて、自分でも怪しいと思わないでもないけど、それが自然なんだからしかたない。

             普段の授業でも相談する学生はことのほか少なくて、教室に居ながら孤立したアイデアを
            いじくり回していることがフツーになっておる。だから、卒業制作になっても同じ事が繰り
            返されることはそれなりに理解していたつもりだけど。それにしてもひどすぎやしないか
            い。あと半年もすれば就職、それじゃ受け入れる会社も大変じゃ〜。わからないことは相談
            する、なんてことは当たり前じゃないっすか! 違うかなァ〜変かなァ〜、あっしの考え。
            きっと会社に入ってから相談する事もなく、ちょっと叱られたぐらいで辞めちゃうんじゃな
            いか? そう思わざるを得ないんですよ。学生を見てると。

             思えば、この傾向は年々強くなっているんだ。ただ少しずつ変化しているんで感づかない
            だけで。なんかいつのまにか野良犬がいなくなったとか、飲み会で春歌を歌わなくなったみ
            たいなことと同じかも。最近は、そんなあれこれのことに気が付いてだんだん若者に興味が
            薄くなっているのですわ。要するにツマンナイ学生ばかり。ちょっとエロっぽい話しをすれ
            ば顔をそむけるような学生だらけ。それとこれとは違うでしょ、って言われちゃうかもしれ
            ないけど私にとっては根は同じ気がしてならないのです。

             年寄りは昔話ばっか!と言われても否定はしませんよ。けどね、あえて言わせてもらえば
            およそ40年ほど前は酒飲めば春歌でしたから。もちろんカラオケなんかありません。各自自
            分の持ち唄がありました。数え唄が定番だったけど替え歌も。むろんセックスに関する唄ば
            かり。記憶の中で印象深いのはTV番組「怪傑ハリマオ」の替え歌で「怪傑ハリマンコ」。歌
            い出されたとたん私しゃ大爆笑。あとは「青い山脈」の替え歌。♬若く明るい歌声に〜に対
            して♬チチも出た出たケも生えた、直裁でお下品な歌詞にうっとり。こんな唄を列の端から
            歌い続けます。歌えない人はちょっとバカにされる雰囲気もあって。もちろん男ばかりでは
            ありません。女性もいるわけです。彼女たちは歌いはしなかったけど、けっこう笑って受け
            てもいたわけ。

             セックスに対してこんなおおらかな空気があった。しかも江戸時代なんていう昔じゃなく
            ほんの数十年前にあった。セックスと学生が相談しないことの因果関係は誰も証明できない
            でしょうけど、私にはなんらかの関係があるんじゃないかって思えてならない。ウチの学生
            を見てるとなんに興味があるのかわかんないのです。音楽?映画?の反応はすこぶる薄く、
            異性のこととなるととんとダメ(っていうか、はぐらかされる)、何を聞いても反応はうす
            い。まぁ、こんなオッサン老人と話しはしたくないのかもしれないけど。ひょっとして興味
            のあるものがないんじゃないか。そうとしか思えないのであります。

             私はね、人に興味があってさ、その興味の究極の場がセックスなわけ。人と人がこれ以上
            近づきようもないほど密着するのがセックス。一部は繋がっているしね。これ以上密着でき
            ない体験をしたとしても男女(男男、女女でもいいんだけど)の間には「深くて暗い河」が
            あるわけで。それを実感するためにもセックスを通過しなきゃなりません。邦画「浮雲」は
            そういう経験をした上でなきゃ理解できないんじゃないの。つまり、乱暴な言い方になるけ
            ど、そういうことが大人ってことじゃないの? 

             ましてやセックスは人類生存の根源的な必須行為なわけだから、これに興味がない(=人
            に興味がない)ってことはその個人の存在意義も問われることになりかねません。そんなこ
            とはほっといてんか、余計なお世話やんかいさ〜。いーんですよ、別に。ただ、私はそんな
            類いの人たちにはほんのちょっぴりも興味ないし、魅力も感じないってことだけ。だからね
            どーでもいーんです。私の人生にはなんの必要もない方々、通行人としても出演していただ
            きたくありません。ナンチッテ。

            ずいぶん過激激烈な・・・・・・・・・・・・・・・・店主でした。

            急速腰痛?

            0
               当店の地下をライブ会場にすべく、そろりとすべり出した改装計画は以前記事に書きまし
              たが、紆余曲折二転三転。狭小空間に10人程度の座席を作らねば、ということでスタートし
              た最初は、薄いベニヤで折り畳める椅子を作ろうと思ったわけ・・・・でしたが。

               こんな感じにね。でも四角だと部材も多く必要だし、そんなら三角で

               こう考えてみた。座板は作らなかったが、L形に折り畳める板が載ります。

               と、そこまでで小休止していたんだけど、知り合いの材木屋さんの在庫の板材が格安だ
              ったことを思い出し。材料のサイズと具体的な値段を聞き、それならベンチにしちゃおうか
              しら。壁がコンクリだから直接取付ければ脚は不要になるし。狭いところを有効に生かすに
              は造り付けが一番だ! なんて格言はとうに忘れていて、老人力パワー発揮しまくり。
              私が愚かだった。あ〜なんてこったい。

               それじゃあ、と。ちょこちょこと考えてみて。どんな場合でも最初はこんなダサイものし
              か思い浮かびません。なんたって私しゃ天才ではないから。少しずつ良くしてことしか出来
              ない。そんなことは充分わかってるから、い〜んです、最初はこんな感じで。

               接合部の構造や部材の多さが気になります。もうちょっと考えてみて、こうなって

               大体こんなもんか。と、これがほぼ最終形に近づいたことは経験からわかる。でも、安心
              はしてないけど。まだ変わるかもしれません。気が付かないもっと良い案が思い浮かぶかも
              しれないから。
               ベンチの前、空中に浮かんでいるような板はテーブルです。足元を自由にしたいから普通
              のテーブルのような四本脚には出来ませぬ。三本でもだめ。せめて2本か、あわよくば1本
              が望ましい。もっと言っちゃえば0本がサイコー。

               ここらへんまで決まりつつある頃に、きっかけは忘れたけどライブの主役の玉野井氏とア
              イデア応酬合戦がね。始まったわけです。ギター弾き唄も歌う玉野井氏の本業はれっきとし
              た会社員。しかもめっぽう構造や技術に強いのであります。技術的な発想力の点では強敵な
              のであります。歌い手である彼と勧進元の私が、ほぼ専用の劇場について意見を交換する。
              考えてみればなんて贅沢なことでしょう。規模や予算は関係ありません。その心智が贅沢と
              いうことで。

               それぞれでスケッチを描いてはメールで送り電話でディスカッションの繰り返し。日頃
              めったに体験することのないアイデア合戦はまさに丁々発止。ある種の快感さえ覚える店
              主。もうちょっとで昇天しそうになりました。だって、一つのことについて集中的に話し合
              うなんて経験はそうそう実現する事じゃないし、当事者同士の経験や知識が一定のレベルに
              達している関係なんか求めても求められないませんもの。今までの私の人生でも数回しかな
              い希有なひとときであることは確かなこと。

               テーブルの取り付け方法も天井から吊り下げる案が出され。ワイヤーで吊るとか木なんか
              カッコいい、しばしそのアイデアに乗りかけたけど、狭い部屋で天井から細いとはいえ何本
              も垂れ下がっているというのは視界を遮るし邪魔くさい。そこで私が考えたのは、壁や家具
              から腕木のようなものを突き出してそこにテーブル板を載せちゃうというアイデア。これな
              ら腕木はテーブル板で見えなくなっちゃうし、脚は1本でマカナエル。ま、そんなとこが落
              としどころとして妥当なもんだろうと。とりあえず納得しているわけ。

               テーブル以外、彼から送られてきたベンチを壁に取付ける方法のアイデアはこんなふう
              で。画像が大きすぎてはみだしちゃうかもしれないけど気にせずにご紹介しちゃいますゥ。
              無断掲載お許しあれ、玉野井さん。いーでしょ。
               そうか! 壁に取付けた板に座板を支える板を引っ掛ける方法があったんだ。ナルホド。
              これならベンチを使わない時にカンタンに外せるわい。やるな、おヌシ。でもね、昨日製材
              してて思ったんだけど、相当重い座板をそうそう取り外せるわけもなく常設になる可能性
              大。だから、この引っかけ方式は採用できないかもしれない儚い運命かも。

               これは背もたれの固定方法。ウーム。なかなか・・・・・。出来るだけネジを見せたくな
              いから、見えないところでコソコソとヒッソリと固定せにゃあなりません。考えてみればネ
              ジ君はそういう存在でちょっと物悲しい。いつも隠れていなければならない。特に木製家具
              ではね。なんだか目の敵にされているようで。そんな風潮に一石を投じたいとは思うものの
              製材された無垢板を目の前にすると・・・・・・・・。堂々と穴を開けてネジを見せちゃろ
              か、という私の心は萎えてしぼんでしまいます。前衛から遠ざかるのであります。

               でもって私が送った画像はこんなの

               材料はすべてホームセンターで売ってるツーバイフォーの格安材。めっちゃ安い、知り合
              いの材木屋だってかないません。ネジやボルトは知り合いのネジ屋さんで。環七に面した
              「ネジの永井」さん。どんなボルトやネジだって一本から売ってくれますし、どんなめんど
              っちい相談にも乗ってくれます。一度だって不快な思いをこれっぽっちもしたことがない
              名店。

               そして今日、材木屋さんから届けられたかなり巨大な板材を切断して表面を機械で削った
              のです。いや〜、最初はどうってことなかったけど量が多いのでみるみるうちに疲れは溜ま
              り尿酸の目盛りはうなぎ上り。板材は3枚、いずれも長さは3mで巾はおよそ40センチ。そ
              して問題となった厚さは35ミリから40ミリ。重いのです。極めて。一人でようよう持てる
              重さ。それを一枚づつ運んで切って、運んで削って、運んで立て掛けて。の、繰り返し。な
              んだかでっかいマグロを運んでいる錯覚。ふだん作っている棚やら箱やらはまるでスナック
              菓子のように感ぜられる。

               全部を削り終わるころにはもうけっこうヒーヒーで。ちょっと腰にきたかな? と、感じ
              ていたんだけど。どうってことないか、手伝ってもらって車に積み込み、学生と卒業制作に
              ついて話し込み(木材加工は講師をしている学校でやらせていただいたんです)、快調に店
              に到着。車から降りる時にね、あれれちょっと腰痛いぞ。でも、こんなもんかと思いつつ素
              早く店内に立て掛けて。ご飯の用意をして、美味しく頂戴して、横になって・・・・・・。
              トイレに行こうと思ったら、おやおやずいぶん腰が痛いじゃん!! どうなの、これ??
              これって急速腰痛だ! と思ってしまったわけですよ。急速冷凍ならぬ急速腰痛。決して瞬
              間ではありません。

               やっぱ腰に来てたんですわいな。侮れない老人力。歯や眼はわかっていたけど筋肉もね、
              そりゃ来ないはずがナイわいな。血は流していないけど汗と涙の腰痛の結晶がこれですわ。
              かっちょえーでしょ。一番右が三人用ベンチの座板。一番広いところで巾は50センチもあり
              ます。中の三枚が二人掛け、左のちっちゃいのは一人用。合計10人用の座板が輝いていま
              す。削った結果、板の厚さは2.7センチになりました。両耳付き(耳とは板の端がまっすぐに
              切断加工されいないもの、全部の板の両側は自然の木のまんま。曲がっているでしょ)。
              いや〜、これを削るのがチョー大変だったのさ。ちゃんと調整されているカンナ盤ならば
              お茶の子さいさいなんだけど、予算が厳しい学校ではそうはゆきません。押してもダメなら
              引いてみな引いてもダメなら押してみな、それでもダメなら二人掛かりでね。なんて、一面
              を削るのに汗が出てきます。すべてを削り終わるころには涙も滲んできたりして。なんて、
              ウソだけど。

               そしてこちらは背もたれの板
               ずいぶんと巾狭い。材料の関係で巾が狭くなっちゃった。ゴメンね。でもね、こっちは厚
              さが4センチもあるんですよ。エライでしょ。って何がさ?

               ほ〜らね。厚いでしょ。もう、びくともしないんだから〜。けっこうけっこう。手前が茶
              色で奥は白い、アカミとシラタというんだけど、この材は確か「樺」。カバ材はこういうふ
              うに赤い部分と白い部分が出てくるんですわ。これを嫌う人も多いけど、ベンチですから
              ね、自然な感じがいいんです。なんの抵抗もありゃしません。むしろ大歓迎なのです。都会
              の中に自然な風情が、といえばそれは千利休の草庵茶室に通じませんか。私は通じると一人
              確信しとるんです。

               さて、座板と背もたれの板はほぼ揃った。表面をさらに磨いたり耳の部分をきれいに仕上
              げる作業は残ってるとはいえ、一番の難作業は終えました。これから壁に厚材を取付け、座
              板を支える部材を取付け、座板の高さを調整し、背もたれの角度と高さを調整し。気はそぞ
              ろ楽しい作業が待ち構えています。この地下を作った最初の大工事に次ぐ規模の今回のベン
              チ作りはいよいよ改装の最終段階を迎えたことの証。このうえもなく気持ちがいい。夢見心
              地の店主なのでアリマス。

               思えば遠くに来たもんだ。地下をオフィス&工房にしようと一念発起したときには考える
              事も出来なかった変容ぶりに我ながら驚きます。一階は「つまみ」とオリジナル商品の店、
              地下はライブと映画と音楽の空間。その奥はまことに小さな家具工房。それぞれがうまく噛
              み合えばFACTIOの有効性はより明確になるでしょう。サンキュー!玉野井徹!!。

              てなもんや・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

              新 渡欧日記はたそがれる

              0
                  ヒマな日を持て余し、とは言いつつなんだかあわただしくて、どこから手を付けたらいー
                もんだか。しゃにむにやる気があるわけでもないし。なんとなく日々が流れて行くのであり
                ます。

                 かたときも離れない音楽は今、モーツァルトのピアノ協奏曲が流れています。いろんな演
                奏があるけどクリストファー・ホグウッド指揮、エンシェント室内管弦楽団しか聴かなくな
                りました。格別たくさんのオーケストラで聴いたわけじゃないから、どこがいいと言われて
                も困ります。気品があって清潔でといった漠とした感じでしかないけど。
                 映画は長いブランクを経てカムバックというと大袈裟だけど。若い時はあんなに観た映画
                もこのところすっかりご無沙汰で。そんなこっちゃアカン、死のそのときまで共に歩まん。
                ふんどしを締め直そうと毎週一本観る事に。既に観たといっても十数年前ですから、この歳
                になって理解できる事も少なくありません。今日は「スタア誕生」を観て一人涙ぐむ店主。
                ほんのちょっぴり心が豊かになった、かもしれません。

                 今回の渡欧日記は、以前書いておいたもの。続、続続、ときて新。だから、公開してある
                ものと内容が前後してるところもありますが、まっご愛嬌ってことで。
                 
                 予定調和の「新」となりにけり。夕暮れのシュテファン大寺院、なんだか大層な人混みで
                中から出てくる人に阻まれてなかなか入場(入院っていうのかな)に入れません。とにかく
                中には入ったけど、以前に比べて感慨も薄く早々に退散。出口で待ってる友人夫妻が説明し
                てくれたのがコレ
                 ガラスで防護されている刻印。05はOSを暗示していて、OSとはナチスの親衛隊の意味ら
                しい。ウーム。やはり第二次世界大戦の影はいまだにそこかしこに見え、単なる観光都市で
                はない暗くて厳しい歴史に思いを馳せる店主。名画「第三の男」は戦争直後のウィーンが舞
                台だったけど4つの国に分割された市内は、そりゃひどい有様でしたから。戦後の日本の闇
                市も大変だったらしいし、アメリカに占領されて(今でもそうだけど)娘が身体を売ったの
                アメリカの指示で鉄道事故が発生したの、国鉄総裁が謀殺されたのといろいろあったらしい
                けど(こっちは、なんせ生まれたばかりだから)、ヨーロッパだって同じ事でさ。何事も表
                面だけ見てはアカン。その下や裏にあるものを透かしてみるレントゲンアイを曇らせてはな
                りません。

                 あちこち歩いていて出会った巨大な石のモニュメント。街の中心、シュテファンのごくご
                く近くに聳えています。反対側にはこれも巨大な石塊の彫刻。思った通りにこれも戦争に関
                する碑でビッシリと文字が彫られている。それにしてもこの大きさはすごい。圧倒的です。
                 文字はくっきりと深く刻み込まれています。ベルリンの中央部にもホロコーストの巨大な
                記念碑があったことを思い出す。あっちは地下に埋もれるような感じだったけど。それにし
                ても世界大戦を埋もれさせることなく今に伝え反戦非戦を誓う国に感動もし、比べて日本の
                それはなんと薄弱なことと思い知る。最近はますます右傾化し、せっかく先人の智慧で棚上
                げされていた尖角列島の国有化などいう愚挙に出ることを見るだに情けない。石原知事を押
                さえられず、さらに法外な値段を吹っかけられて鵜呑みにする野田政権がアメリカ相手の外
                交なんか出来るわけがありません。それでなくても大人と子供ほどの違いがあるんですか
                ら。

                 そんな話しをしていたら、夫妻の友人で私の友人でもあるベルリン在住のT氏が東ベルリン
                からの逃亡者だったことを教えられビックリ仰天!! もちろんそれは東西の壁が壊される
                以前のことだったから、そりゃ命がけの行為だったわけで。そんならカミさんにへいこらし
                ないで威張ってりゃいいじゃんって言ったら。いや、そのカミさんもあちこち逃げ回って大
                変な目にあったから、そうもゆかないと言われて唖然。ナチスや東西分裂なんて遠い昔だと
                思っていたけど、それがニュウと顔を出したような不気味な気分に襲われてしまいました。

                 自分だって東西分断の時にゃかなり怖い思いもしたんだ、と更なる夫の恐怖体験を語られ
                いやはや表面では柔和で笑顔の絶えない夫だけど心の中は相当な傷を負ってるんです。その
                彼が珍しくさも嫌なふうで「スイスはどうして世界の銀行なのかを知ってるかい?」と聞く
                わけ。な〜んにも知らないから答えに窮している私に向かって、戦争中たくさんのユダヤ人
                はお金の預け場所に困ってスイスに莫大な預金をしたけど、虐殺されてしまい預金はすべて
                スイス銀行のものになり。さらにドイツ軍の偉いさん方も同じように預金をして、同じよう
                に殺されたり裁判にかけられたり。結局、スイス銀行はナチス関連で巨額の預金をそのまま
                いただき、今に至ってると。

                 満開の桜の下には死人が埋まってると、よく言われるけど。風光明媚なスイスの地面の下
                には沢山のユダヤ人の預金が埋まってるわけで。だからといってスイスの風景や人々がイヤ
                だというわけじゃないけど。そんなことを聞き考えるとおいそれとスイス見物に行く気には
                なれませぬ。これが、今旅行の大きな意義の一つであったことは確か。

                 歩きながらそんな話しをしていたら商店街に至り。
                 いや〜見事な爪切りセット発見! さすが金属の国、なんだか後光が射しています。27€
                だから3000円弱。決して高くはないけどお手入れセットは必要ないんだも〜ん。

                 こっちは18€。あーぁ買っときゃよかった。

                 ネズミ取り。かーわいんだもう。後ろのサビサビも欲しいとは思ったんだけどね。使う
                チャンスないから。店に飾っておいても良かったんだけど。

                 古典的なもんです。今どきこんなちゃちなもんに引っ掛かるネズミいるのかしら?

                 どーしてこういう下着の店が多いのか。よくわからない。歩いているご婦人なみんな真面
                目そうだし。夜な夜なこんな下着?を身につけるのかなァ。誰に見せる? まさかダンナ
                じゃないでしょう。

                 どひゃー。でも、これは好き。とはいえ、こんなのを目の前で着て「ど〜よ!」なんて胸
                張られてもな〜、言われてもな〜。答えに窮する真面目なワタクシ。押すのは強いけど押さ
                れると弱いのでアリマス。でも、そんな状況は今後ともまずあり得ない。悲しいのか情けな
                いのか・・・・・・・・・・。

                 素敵な金物屋さんで。ショーウィンドウの品物の入れ替えに精を出す美女二人。最初に
                ウィーンに行った時に新鮮だったのはこのガラスの開き方。日本だったら間違いなく後方か
                らってことだけど、アチラは違います。それにしても巨大なガラスと支える金属枠の素晴ら
                しさ。どーです。ウットリものです。

                 その隣り、向こう側に見えるのがタバコ屋さん。あまりに興奮して写真を撮り忘れちまい
                ました。いえね、小さなウィンドウにあった小さな機械に釘付けになり、店主に問うたもん
                ですから。明らかに手巻きタバコの機械が燦然と輝いていたんです。聞いたらやっぱりそう
                だということで、調子に乗ってすべての機械を買い求めたわけ。
                 これは手巻き専用のタバコ葉。ずら〜とね。あるわけです。

                 こっちは、巻くための紙。

                 手巻きタバコは若い時にゃお遊びでクルクルしたもんだけど、数十年ぶりに邂逅。生きて
                いたんだ。よかったよかった。まずはおメデタイ。こりゃ、ここから仕入れてFACTIOで並べ
                ようかと思ったんだけど、帰国後メールが通じません。日本のネットで調べてみたらあるあ
                るいっぱい。あるんですよ、手巻きが。な〜んだ、だったらなにも無理してウィーンから買
                うことないじゃん。まだまだ手巻きが存在しているのを知らなかったのはワタシだけ?!

                相変わらずトホホ・・・・・・・・・・・・・・・・な、店主なわけですと。


                映画ぼんち?

                0
                   ちょっと早いけどディスティニー・チャイルドの「8 Days of Christmas」を聴きながら
                  記事を書いております。只今午前1時30分。BSで放映されたブラックミュージックの歴史
                  番組の最後に登場したメアリー・J・ブライジが「あの子たちはいいわ」とのご託宣で聴く気
                  になったデスチャ。黒人音楽の正統を受け継ぐに充分だと考えている店主なのですが、この
                  アルバムを聴くと他のクリスマスアルバムとは違うことに頷くばかり。とにかくリズムが素
                  晴らしく、ノリの良さは抜群。え〜なァ。

                   さておき、4日(土)に3名の「みめうるわしき美女」三人が当店に舞い降りました。地下
                  の上映室で映画「ガキ帝国」を観るために。いつもは私一人で観る映画、そこに三名の別人
                  が暗い中に息をひそめて映画を観る雰囲気はえもいわれぬ不思議感覚。別にイヤラシいこと
                  はな〜んもないけれど、密やかさがね。新鮮体験で。三名の天使は映写幕正面の特等席、わ
                  たいは階段下。この結果、3人まではこの狭小の上映室で映画鑑賞が可能な事がわかりまし
                  た。いやね、部屋の広さは大丈夫だと思っていたけど、実際やってみないとわからないこと
                  もあるってことで。

                   その結果を受けて、正しき?映画の道をば歩もうとちっちゃな決心。以前の記事から選ん
                  で「映画ぼんち」というカテゴリーを新設しました。これからの鑑賞についてのあれこれや
                  映画についてのことがらなどは、そこからどうぞ。

                   私の映画遍歴などはまったく取るに足らぬもんですが、残りの人生の伴侶として映画も、
                  ということになればなんらかのバックが必要です。以前記事にしたように私のバックは双葉
                  十三郎氏の「ぼくの採点表」しかありません。古今の日本で上映された洋画8858本の中から
                  氏が選んだ「ダンゼン優秀作品」が509本。そのうち最高点の90点は、
                     1  1925年 黄金狂時代              
                     2  1930年 西部戦線異常なし   アカデミー賞 監督、作品賞 
                     3  1937年 大いなる幻影
                     4  1939年 駅馬車
                     5  1942年 疑惑の影
                     6  1945年 天井桟敷の人々
                     7  1950年 サンセット大通り
                     8  1951年 河
                     9  1952年 恐怖の報酬
                   10  1953年 水鳥の生態
                   11  1957年 野いちご
                   12  1961年 突然炎のごとく
                   13  1973年 スティング      アカデミー賞 作品、監督賞
                   14  1974年 ザッツ・エンターテイメント

                  の14本しかありません。黒字はすでに観た映画、赤字は未見の映画です。
                  さらに90点以下85点以上となると、

                       1  1902年 月世界旅行
                     2  1916年 イントレランス
                     3  1919年 カリガリ博士
                       4  1921年 キッド
                     5  1922年 ドクトル・マブゼ
                     6  1923年 幌馬車
                     7  1924年 アイアン・ホース
                     8     〃  年 結婚哲学
                       9     〃  年   ジーク・フリート
                   10  1925年 戦艦ポチョムキン
                     11     〃  年   ビッグ・パレード
                     12  1929年 巴里の屋根の下
                     13  1931年 会議は踊る
                     14     〃  年 自由を我等に
                     15   〃  年 街の灯
                     16  1932年 暗黒街の顔役
                     17     〃  年 グランド・ホテル   アカデミー賞 作品賞
                     18     〃  年 巴里祭
                   19     〃  年 仮面の米国
                   20  1933年 四十二番街
                     21     〃  年 或る夜の出来事    アカデミー賞 作品、主演男女優、監督賞
                     22     〃  年 商船テナシチー
                   23     〃  年 たそがれの維納(ウィーン)
                   24  1936年 オペラ・ハット    アカデミー賞 監督賞
                   25     〃  年 孔雀夫人
                   26     〃  年 望郷
                   27     〃  年 我等の仲間
                     28  1937年 舞踏会の手帳
                   29  1939年 スミス都へ行く
                   30     〃  年 風と共に去りぬ    アカデミー賞 作品、主助演女優、監督賞
                   31  1944年 ヘンリー五世
                   32  1945年 陽気な幽霊
                     33     〃  年 逢いびき

                   ここまでが戦前、ここで敗戦、以下は戦後

                   34  1946年 荒野の決闘
                   35  1948年 黄金         アカデミー賞 助演男優、監督賞
                   36  1949年 悪魔の美しさ
                   37     〃  年 踊る大紐育
                   38     〃  年 黄色いリボン
                   39     〃  年 情婦マノン
                   40     〃  年 第三の男
                   41  1950年 戦慄の七日間
                   42     〃  年 アニーよ銃をとれ
                   43     〃  年 イヴの総て      アカデミー賞 作品、助演男優、監督賞
                   44  1951年 巴里のアメリカ人   アカデミー賞 作品賞
                   45  1953年 バンド・ワゴン
                   46     〃  年 ローマの休日     アカデミー賞 主演女優賞
                   47     〃  年 グレン・ミラー物語
                   48     〃  年 シェーン
                   49  1954年 波止場        アカデミー賞 作品、主演男、助演女、監督賞
                   50     〃  年 ロミオとジュリエット
                   51     〃  年 悪魔のような女
                   52  1955年 エデンの東      アカデミー賞 助演女優賞
                   53  1956年 第七の封印
                   54     〃  年 赤い風船
                   55  1957年 情婦
                   56  1958年 魔術師
                   57  1960年 甘い生活
                   58     〃  年 太陽がいっぱい
                   59     〃  年 処女の泉
                   60  1961年 ウエストサイド物語  アカデミー賞 作品、助演男優、監督賞
                   61  1962年 アラビアのロレンス  アカデミー賞 作品、監督賞
                   62  1963年 8 1/2
                     63  1964年 シェルブールの雨傘
                   64  1965年 戦争は終わった
                   65  1966年 アルジェの戦い
                     66     〃  年 ロシュフォールの恋人たち
                   67     〃  年 バージニアウルフなんて恐くない アカデミー賞 主&助演女優賞
                   68  1967年 冒険者たち
                   69  1969年 素晴らしき戦争
                   70  1971年 ジョニーは戦場に行った
                   71  1972年 叫びとささやき
                   72     〃  年 スローターハウス5
                   73  1973年 ペーパームーン
                   74  1974年 タワーリング・インフェルノ
                   75     〃  年 フェリーニのアマルコルド
                   76  1982年 ファニーとアレクサンデル
                   77  1984年 アマデウス        アカデミー賞 作品、主演男優、監督賞
                   78  1988年 霧の中の風景
                   79  1998年 恋におちたシェイクスピア アカデミー賞 作品、主&助演女優賞

                  合計79本。これら双葉氏の推薦映画を中心にしてしらみつぶしに観てゆこうと。とはいえ
                  持っていない映画は買うことになります。あまり高額なものは安い出品に巡り会うまでは
                  手が出ません。追々、ゆっくりということになりますけど。基本私が観る、そこにたまたま
                  来合わせた来客が一緒に、ということなのでまったく問題はないってことで。

                   私の映画を観るのは、毎週日曜日の午後3時から。原則1本、すごく興が乗れば2本。突然
                  の来客に備えて10杯用コーヒーメーカーも用意しました。ですから、10杯まではでしたら
                  珈琲を飲みながら・・・・・も、OK。おせんにキャラメル(古過ぎる!)は、コンビニで
                  お買い求めあれ。くどいようだけど、あくまでも突然の来客と共に映画を観るというシチェ
                  エーションですから、事前の連絡は無用。もちろん料金は一切発生しません。なんせ、突然
                  の来客ということですから・・・・・・・・。

                   さて上映内容です。原則偶数週の日曜日は邦画、奇数週は洋画を観ます。私が、すでに観
                  た映画の場合は、再々観ても飽きないモノに限られます。未見の映画の場合は、双葉氏が推
                  薦されていても私が共感するとは限りません。氏がいくら批評のプロとはいえ、こっちだっ
                  てれっきとしたアマチュアファン(格別威張れないけど)ですから氏と私は映画感が違って
                  当然。事実、上記の映画の中でも首を傾げる作品がありますから。

                   上映スケジュールは、前月末にブログでお知らせします。ってことで、とりあえずあまり
                  時間はないけど、11月のスケジュールは以下のごとし

                   11月11日 スター誕生 1954年 アメリカ 154分 
                               監督 ジョージ・キューカー
                               出演 ジュディ・ガーランド、ジェームズ・メイスンほか

                   明るく楽しいミュージカル映画の中でも異色の存在。決してハッピーな物語ではないけど
                  ジュディの鬼気迫る演技は、ファンならずとも満足のゆくものと思います。同年に作られた
                  「イヴの総て」にアカデミー賞は攫われたけど、こんな名作でもアカデミーに振られた当時
                  の映画界のレベルの高さも理解できることでしょう。

                   11月18日 十三人の刺客 1963年 東映 125分
                               監督 工藤栄一
                               出演 片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、内田良平、里見浩太朗ほか

                   先日舞い降りた美天使の一人が旧作のコレを所望されたので観ることに。彼女が来るか否
                  かわからないけど、久しぶりに私も観たいということで。時代劇といえば大映というのが私
                  の考えだけど、東映にしては珍しくリアルで重厚なホンモノ時代劇でやんす。

                   11月25日 北北西に進路をとれ 1959年 アメリカ 136分
                               監督 アルフレッド・ヒッチコック
                               出演 ケーリー・グラント、エヴァ・マリー・セイントほか

                   サスペンス映画の大御所ヒッチコックから始めることに異存はない私。映画はすでに私の
                  頭の中でぜ〜んぶ出来上がっている、だから撮影時に楽しくもない顔をしてる、とか。撮影
                  スタッフ全員が白手袋をして静かに撮影を進める、とか。話題に事欠かないヒッチコック。
                  特にこの映画のラストでは、まったく思いきったエロティックなシーンを用意していてトリ
                  フォーもそのことに触れていたっけ。

                   この3本は、上記リストには入っていませんが、まずは手持ちのビデオから選んでという
                  ことになりました。上記リストの映画は少しずつ買い求めていますので、ある程度揃ったら
                  順次観たいと思っています。

                  ライブもやるし、映画も観るし・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

                  ゆけゆけ・・・・渡欧日記

                  0
                      止まりませぬ。ゆき着くとこまでゆくっきゃない渡欧日記。終着駅はどこだいな? 

                     今、当店の改装中なの。おーきなテーブル作り、棚を解体して作り替えたり新規に作った
                    り。工事はほとんど終わったんだけど、出しっぱなしの本やら雑物を元に戻さにゃなりませ
                    ん。なんせ床が見えないほどの散らかりぶりですけん。途方に暮れつつ、少しずつ復元作業
                    をですね、やりおるわけ。でもでも、とっても飽きっぽい店主ですからこういった地道な作
                    業はとにかく疲れる。 そこで、ブログで気分転換と相成る次第で。
                     Before & afterの途中
                     大きな壁に三段棚が付きます。いや、すでに出来上がっているんですけど。ま、それはい
                    ずれってことで。

                     前回に引き続きかの地の見せ方紹介のしかた篇のつづき。地下のワイン蔵を利用したワイ
                    ン醸造の体験型施設のお次は海抜3000mのスキー場に行ったのでして。むろん、雪は降って
                    ないです。ですから、山肌むき出しで一見どうってことはない。と思った私がアサハカだっ
                    たなり〜。
                     こんな観光写真みたいな景色は、どこにもあるわけ。確か、これは高速のPAから見えたん
                    だけど、当たり前のようにどこにでもあります。こんなのに感心なんかしませんよ。だって
                    日本だってこんな風景いくらでもありますからね。違うのは目新しいってことだけで。

                     いよいよロープウェイででっぱつ。これが最初で、この後2回の乗り換えで一気に3000m
                    に届いてしまいます。

                     ずいぶん登った。あたり一面ぜ〜んぶスキー場らしいんだけど、さっぱりイメージが湧か
                    ないな〜。

                     ロープウェイはこんな感じ。これは確か一段目っていうか最初のものだったような。リフ
                    トタイプやもっと大きい箱のものもあった。ちなみに扉は自動的に開くんだけど、どこでも
                    そうなのかな(日本でも)? 

                     ハイッ、これが3000m。突き出したデッキがすごい。風が強くて、ちょっと寒くて。下は
                    メッシュになってて見れるとこもあります。けど、それにしてもこのデッキはモーレツ。ド
                    イツはなんといっても金属加工がスンバラシイ。だからドイツ語圏でも同様に、っていうの
                    が私の持論。このデッキの構造体はすべて金属です。それを岩盤に突き刺すっていうアイデ
                    アもすごいけど、どういう方法で固定したんでしょうか?

                     高度3000mで一服。手前にあるのが灰皿。いや〜ここも寒いのであります。なんせ吹き
                    っさらしですから。たばこに火をつけた瞬間風の影響であっという間に燃え尽きる。まるで
                    オートバイを運転しながらタバコを吸う感覚。なんて、そんなこたあないっす。

                     スキー場はこんな感じ。寒いのは苦手だし、スキーは若い時に2回行っただけだから大し
                    て興味はわきまへん。とはいえ、ほぼ3000mの地点から滑り降りるとどれくらいの時間が
                    かかるんでしょうか。案内図は色別になってて、初心者用からセミプロ級までいろいろある
                    ようでっせ。

                     でね、デッキの向こう側にも行けるから行こうって誘われてしまい。つまり、デッキから
                    見える景色とは反対側の景色が見えるところにね、行こうってわけですよ。なんだかよくわ
                    からないままに入口を入るとすぐにトンネルになってて、ここも寒いさむい。岩盤をくり抜
                    いた湿った通路は暗くてゆるやかな下り坂だった。

                     そしたらね、こういったものが所々にあるの。なんでしょうか、これは?
                     下のプレートは1965、んでもって上は2011。ぬゎんと、山が動いとる。らしい。そうい
                    うことでしょ。この表示は。違うのかなァ〜 それはさておき見せ方が素晴らしい。山その
                    もの丸ごと見せましょうってアイデアに感心。

                     こっちは温度。外と通路と地下だったかな、確か。ぶっとい温度計が屹立しています。

                     さらにコレ。ラッパですわいな。懐かしいなぁ。といってもこんな蓄音機で聴いたことは
                    ないけど。この正体は「音」。地下の岩盤のきしみ音が聞こえるの。いや、マジで。聞こえ
                    るんです。ここで店主は仰け反りました。こんなアイデア誰が考えたの? 

                     つまりここは山の博物館のようなの。山の魅力をどう見せるか紹介するかに知恵を絞って
                    いるわけです。岩盤をくり抜くこのトンネルの他にも近隣の山々を空撮した映像を見せるち
                    っちゃな映画館みたいなものあったし。あらゆる方向から山の魅力に迫る。これなら、冬だ
                    けじゃなくて一年中楽しめるでしょう。現に、アラブの方々(多分、布で顔を覆っていまし
                    たから)が来てたし、けっこう多くの観光客がいましたから。

                     でね、反対側に出たんだけど。景色はいいけど、とにかく寒い。楽しむ余裕なんかありも
                    せず、早々に退散。と、思って再度トンネルに吸い込まれてみたら、そこは上り坂ばっか
                    し。こうきたか! 3000mでの上り坂はキツウござんす。なんか、だんだん息絶え絶えみた
                    いな。果てしなく続くこの道は、いつか来た道? なんてことは絶対ない。そうこうしてい
                    るうちにオシッコがしたくなっちまいまして。かなり相当な大変な目に遭ってしまいまし
                    た。

                     ようようの思いで元の場所に戻り、休憩でもしようということに。いや〜待ってました。
                    暖まりたい、コーヒー飲みたい。そうそう、こっちのコーヒーは日本で飲むいわゆるホット
                    コーヒーはなかなか飲めません。ないんです、メニューに。エスプレッソとかラテみたいな
                    のばっかり。単なるホットコーヒーは、友人に言わせると一番不味いコーヒーだと。どうも
                    作り方が違うようで確かにあまり美味しくはない。聞けば、濃いコーヒーをお湯で薄めるら
                    しい。それでも、もっぱらわたしゃ飲んでましたけど。
                     ここがレストラン。こうでなきゃイケマセン。豪華ではないけど落ち着いていてゆったり
                    できます。メニューも豊富っす。
                     すべてセルフサービス。自分でトレイを持ちお金を払います。なんの問題もありません。
                    なんせ3000mですからね。スタッフも最低限しかいないから、当然のことと理解できます。
                     青を基調にしたデザインも納得。空の色でしょうから。椅子やカウンター、照明などにも
                    うなずけること、いと多し。気をてらったり妙なところはこれっぽっちもない。理にかなっ
                    た大人の世界が気持ちいいなぁ。

                     行ったことが少ないのであまり強いこと言えないけど、こういうスキー場なら私だって
                    行ってみようかと思うわけですよ。でもね、日本だとラーメンとかカレーみたいなメニュー
                    だからさ。そこが貧乏臭くっていやなの。べつに贅沢さとか豪華さを求めてるわけじゃない
                    んだけど、普段の生活感がこういうところににじみ出てると、どーなのかなってね。思うわ
                    けですよ。

                     広大なスキー場ですから、こういったロッジ?があちこちにある。

                     ずいぶん降りて来たとこにあったのがライブハウス。完全に独立した建物だから、どんな
                    に大きな音だってOKってことでしょう。お酒を飲んで踊りましょう羽目を外しましょう。

                     すぐ隣りにあった建物。食事が出来て宿泊も出来るのかしら。赤いチューブは子供用なの
                    か。雪が積もってるときに遊ぶものなのかな。

                    さて改装に戻ろうかな・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。


                    1

                    calendar

                    S M T W T F S
                        123
                    45678910
                    11121314151617
                    18192021222324
                    252627282930 
                    << November 2012 >>

                    selected entries

                    categories

                    archives

                    recent comment

                    links

                    profile

                    書いた記事数:690 最後に更新した日:2023/12/23

                    search this site.

                    others

                    mobile

                    qrcode

                    powered

                    無料ブログ作成サービス JUGEM