よっこらしょ、っと

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     数日間の旅行から帰ってきたら、家はどこもかしこも整理整頓されててビックリしたなモ
    ウ(by  てんぷくトリオ)。一体どうしたことだ! 何があったんだ!!。いつもどおりに晩
    ご飯を作って、お風呂に入り、カミさんから電話。いかなる心境の変化なるや、日曜日に心
    機一転の大掃除の挙に至ったと。こういう特別なことをされると、怖いんですよ。しかもこ
    んなタイミングだからさ。別にこっちが悪いことをしてきたわけじゃないけど、なんか気に
    なる大整理。なんかのサインか? あるいは予兆か? 妄想は広がります。

     そんなことを思いつつの爆睡。今朝起きてタバコを買いに行き、支払いを済ませ、炭を熾
    し、珈琲をたてて、アンプを温めて、いつもの隅っこの机に向かう姿は穴熊のようにも見え
    る。メールを整理し。さて、と・・・・・これでいつもの生活が整ったわけだ。

     私はどこに向かっているのだろう・・・か。・・・遠くに見えるは、富士山・・・・か?
     

     こりゃ、東名高速ではないか

     よく見えるんだ! 富士山が!!

     気が付けば、前を走る車が顔に見える。なんかバックで高速を走ってるみたいな、奇妙な
    感覚に遊びつつ

     東名高速、富士山と来れば、次は海が見えるしかない

     高速、富士山、海、そして雲。まるで絵に描いたような素晴らしさ。それにしても、なん
    て素晴らしいかたちなんでしょう。

     景色も素晴らしく、天気も極上、車は快調だし。これで助手席に女性が座っていれば文句
    なしなんだけど、そうはゆかない。私の物語に、むくつけき男の子は必要ないんだけど、そ
    れは同乗者とて同じこと。お互いの心は同じ事を考えてる。そんなシーンに流れるのは、
     このCD。いいんであります。雰囲気はますます盛り上がるんであります。しかし、オノコ
    二人は変わりようもない。あぁ、オノコがメノコに変わる日は来るのだろうか? 残り少な
    い私の人生、心がつぶやく。

     一転にわかにカキクモリ、雪がちらついてまいりました。困るやん、そないに雰囲気盛り
    上げてどないもこないもワヤやおまへんか。演出はえ〜けど、役者がおらへんがな。男二人
    でど〜するつもりやんかいさ〜。

     ゆりちゃん・・・・・こりゃとうぶんやみそうもねえな。・・・・・・吹雪いてきたぜ。
    あぶね〜から、どっかで一休みしようか。そんな、状況には間違ったってならないから。男
    二人で風呂に入ってどうするの? 嫌いなんですよ、男の身体はさ。自分のだって見たくな
    い、ましてや他人のはトンデモナイってことですよ。そばに寄るなって〜の。だからさ、そ
    ばに寄るなって〜の!! こんな妄想はもういやでっせ。ご勘弁ねがいたい。

     ジャ〜ン!! やってまいったのは、

     タイガー コペンハーゲン!! 今旅行の第一の目的地。以前、TVで観て大爆笑させていた
    だいた時から訪れてみたいと思っていたのだ。混んでいるとは知っていたけど、すんなりと
    中に入れたもののご覧の通りの大混雑。とてもじゃないけど自由意志で歩けません。まわり
    の人混みに押されるままで、これじゃお祭りの縁日状列でっせ。マジで。
     これは比較的空いている二階。一階はこんなもんじゃない。カメラを取り出すこともでき
    ないし撮ることもできません。なんせギュウギュウなんですから。商品棚の下段を見る事も
    できないし、商品をじっくり見る事も出来ない。目についた商品をひたすらカゴに入れるし
    かない。こういう状況だから商品用途は瞬時に判断せにゃなりませぬ。すべての商品は300
    円くらいだし、メチャクチャ買ったとしても一万円には届かないだろうと心に決めてひたす
    ら買いまくる。

     もう一回最初から見て、見落としがないかどうか確かめたいと思ったけど気力が萎える。
    もういいか、と思っていたらレジの列が二階まで延びているんだ。ここがレジの最後尾です
    よ〜とカードを持つスタッフが叫ぶ。約10台ほどのレジは休むこともなく稼働しつづけるも
    客がそれを上回る。だからの行列。すんごいな〜。こりゃ。たまたま友人がそばに並んでい
    て、私は買った商品の使い方を自慢しようと見せたら、私の考えが間違っていたことを指摘
    されちまった。なんてこったい、使い方が気に入ったから二つも買っちまったぜ。それを聞
    いてた友人と私の間で待つ美女が、くすっと笑う。笑いましたね? 受けてくれましたね?
    面白いでっか? そうでっか〜? んならどっかでお茶でも飲まへんか?? と、行きたい
    とこだけど混雑がそれを許さない。レジ周辺ではぐれてしまいの、それっきり〜の。

     これが買った全商品。しめて25個、8450円也。私が使うものもあるけど多くは来年の授
    業の参考資料。言うとくけど、エロばかりじゃないでっせ。けっこう真面目な店主は、未定
    の授業のために大阪に行き先行投資を惜しまない。偉いなァ、とささやく声が聞こえたよう
    な気がするけど・・・・・・・・・空耳だった・・・・・・・・か? 

     次年度の授業はまだ決まっていない。もう、年ですからな。いつ、辞めてくださいと言わ
    れても不思議ではないのです。しかし、それを待っていたんじゃ準備は整わない。多分、私
    が受け持つのはトイ(玩具)とファニチャー(家具)を専攻する学生のミックスになるだろ
    う。二つの異なるジャンル双方の学生の要望や志向を満足させるための課題は「トイ・ファ
    ニチャー」なる一見奇妙なテーマにならざるを得ない。もちろん、それ以外の好適なテーマ
    は存在するかもしれないけど、肝心な私が思い付かないのだからしかたない。トイの学生は
    ファニチャーのようなトイ、ファニチャーの学生はトイのようなファニチャーを考えてくれ
    作ってくれというわけ。去年はアレッシィというイタリアのメーカーを仮想イメージしたけ
    ど次年度はタイガーというのが私の考えなんです。

     さらにファニチャー専攻の学生は他の授業でデンマークのデザイナー:ハンス・ウェグ
    ナーの椅子を模作しているんで、トイのようなファニチャー+ウェグナーのイメージが重な
    る。こりゃ難し過ぎるかな。現代のデザインは、いくつかの要素やイメージの融合によるも
    のに傾いてゆくというのはいたしかたないというのが店主の持論でさ。だって、すでに新し
    い文化が発見されることもないし、新しい技術や素材が発明されることもほとんどなくなっ
    てしまいましたからね。過去のデザインムーヴメントは必ずといっていいほど何らかの刺激
    によって起きたものでしょ。浮世絵と印象派、パイプとバウハウス、ステンレスとアールデ
    コ、鋳物とアールヌーボー、成形合板とイームズ、客層の変化による大量生産への移行、刺
    激はひとつだけじゃなく複数かもしれないけど、とにかく新しいといわれるデザイン作品は
    なんらかの刺激を必要とするもんです。

     世界中のあらゆる文化は紹介され尽くしていて見た事もない風俗習慣文化はもう出現しな
    いかもしれません。素材もしかり、ちょっと前にファイバー繊維がもてはやされたけど、そ
    れ以後はこれといった新素材はない。だから、今のデザイナーは、今までの使い古された素
    材や技術や様式や機能なんかを組み合わせるしかない。しかし、それを組み合わせるにして
    も従来の考えでは新しいものは生まれないから新しい「視点」が必要なんじゃない? 視点
    =感性ということでもある。だからこそのエロなんですよ。例えば、コーヒーテーブルを考
    えるとしましょう。まず、頭に浮かべなくてはならないのは性別です。とはいえ、もちろん
    テーブルには性別はない。あるのはかたちと素材と機能だけ。でも、それらすべて過去の遺
    産でしかないんだから、どう組み合わしたところで新しさは生まれません。そこで性別の視
    点を加えようってこと。テーブルの雄と雌、あるいは男と女。だから一対というかカップル
    になります。たとえ2つ作らないにしても、性別をイメージすることは重要なことだと思う
    んだ。

     ミミズみたいに雌雄同体なら別だけど、ほ乳類のようないわゆる高等生物にはカップルが
    存在するし、行き着くところ性器が備わっています。女性=柔らかさ、曲線・男性=硬さ、
    直線という一般的なイメージはあるけど、そんなぬるま湯みたいなあやふやなもんじゃな
    く、とどのつまりの決定的な相違は性器にある。そこを出発点としてイメージを膨らませよ
    うというのが私の考え。しかし、いきなりテーブルにちんこを付けて下さいなんて言ったら
    若き学生たちはドン引き間違いないし、学校からはイエローカード必須。だからさ、差し障
    りのない性別ってことになる。とはいえ、フツーの生活を送ってきた若者にはなかなか理解
    できないことはわかっとる。そんな変テコな考えを必要としない学生がいることもわかっと
    る。だけど、教える側としては自分なりの考えを持っていなきゃならないだろう。それが私
    の考え。言ってみりゃ教師は、会社で言えば上司だしお客さんですから、なんらかの方向性
    を打ち出す必要があります。

     木で椅子を作ってくれ。そんな乱暴で無責任な課題は出せません。注文側のイメージがな
    けりゃ考えようもないでしょ。注文がうまく理解出来ないこともあるだろうけど、大切なの
    は注文主のイメージを理解しようと考えかたちにすること。過程でわからなけりゃ質問し、
    アイデアを見せて確認し、的確な構造を話し合い、成果物にまとめあげるために努力する。
    それが学校で学ぶべきこと会得するべきことだと思うんだけどなぁ。なんか、妙に真面目に
    なってしまったけどさ。

    こういう面も持ってるんですよ・・・・・・・・・・・・・・店主は。



    久々にプロを見た

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        はて? 私は何処に向かっているのでしょうか?
       
       それは一昨日。朝も早よからヨ〜・・・・・・・向かうは

       ちっちゃな看板・・・・・・・・・・成田空港?

       ・・・・・・・・・・・・・・成田空港!

       どうみても、成田空港でしょう!!

       9:15着で来日したのは、ぬゎんと

       ノア君、初の単独旅行!!(なんてことあり得ませぬ)
       うーむ、去年ウィーンで逢ったばかりだから、久しぶり感はゼロ。元気? なんて挨拶も
      必要なし。日常感が横溢していて不思議な気持ち。まったく世界は狭くなったもんだ。今回
      の来日は、奥さんのおにぎり屋さんがいよいよスタート! ってことで、炊飯器やらおにぎ
      りマシンやらの購入が主たる目的。さらに、併設されるギャラリーで展示販売するためのあ
      れやこれやの仕入れ。事前に聞いていた店主もお手伝い、オークションで入手した木製品を
      チェックしてもらわなくてはならないこともある。また、東京から京都へと探索の輪は広が
      るのであります。京都に行くんならついでに友人も誘い、夫妻とは別行動で愛車FITで京都
      ヘ。経由で大阪まで足を伸ばし、音楽仲間との妙なるひとときを過ごそうって算段。果たし
      ていかなることに相成ることでせうか。

       成田から横浜の宿泊地へ行き、FACTIOに戻りオークション商品の確認。
       事前に展示販売する商品のことを聞いていたからオークションで買い集めていたもの。一
      品3000円が上限と心得て。浮世絵版画のことなんてあきめくら、どうしたって木製品になっ
      てしまいます。しかも、彼らがこれを気に入るかどうかわかりませんから、私が使えるもの
      でなければならない。竹や木で作られたこの道具たち、いずれも漆仕上げです。奥のお膳も
      いいけど手前の春慶塗りのお盆が素晴らしく渡すには惜しい。これ全部で16,000円ほどだか
      ら私は安いと思うけど。彼らはどう感じたのだろうか。

       翌日は。ビッグサイトで開催されている厨房設備機器展で落ち合う。

       まずは、おにぎりマシンを探さにゃならぬ。広い会場を歩く中、食器やら炊飯器やら寄り
      道しつつ。奥さんは身重だからそんなに歩くわけにはゆきません。とあるブースで聞いたら
      あっちにありまっせと教えてくださり、向かうは本命の予感みなぎる鈴茂器工株式会社。一
      応商品を見て、説明を受けたんだけどそれはアジア担当の方でヨーロッパ担当の方は接客
      中。それが済まないと我々とはお話ができない。待って、待って、待ちます。ひょいと前の
      ブースを見たら
       場内禁煙にもかかわらずタバコが吸えるらしい。新菱冷熱・省エネ型喫煙ブース。入口で
      アンケート記入の念をおされたけど、そんなことぁなんでもない、タバコが吸えるんなら。
      で、中に入ったら「喫煙モニター」とかなんとかのヒモカードを渡され首からぶら下げて、
      さてと、一服。すかさず営業マンが商品の説明をするんだ。説明を聞かないとタバコが吸え
      ない。ゆっくりとタバコを賞味するなんて贅沢なんてこと、なかなかにして許してもらえま
      せん。レクチャーを受けながらの喫煙。当然の営為ですよ、これは。なんといっても出展費
      用は安くはない。ビジネスですから。とはいえこちらは申し訳ないけど、その商品にはぜん
      ぜん興味はない。私以外の来場者すべては同じ気持ちなのではないか。しかし、営業マンは
      仕事ですから果敢に説明を試みる。うーむ、これはなかなかつらい仕事ですよ。そんな気持
      ちを察してあれやこれやせめてものお返しと質問します。でも、内心は興味ないんだ。かな
      りねじれた営業方法であることはわかるけど、メーカーにしたらこの方法しか思い付かな
      かったこともワカル。

       で、一服の後戻ったらようやく件の営業マンが来てくれた。来るや否やドイツ語で話しま
      くるんだ。げっ、ドイツ語出来るの? しかも、話し始めて数分もかからないで昔からの友
      達みたいな親しげでさ。こ奴プロだなと思ったの。夫の母国語はドイツ語ですから、自由に
      話せる喜び楽しさが顔に出ている。しかも内容はマシンのことではなく、どうやらスキーの
      話らしい。ワールドカップのシーズンですからね。オーストリアのスキー場の話や選手の話
      で雰囲気は完全に打ち解け状態。スパッと日本語で妻にマシンのことを聞き説明し、またス
      パッとドイツ語。今度はサッカーで盛り上がる。この切り替わりが素晴らしいんだ。いや〜
      仕事出来まっせこの営業マンは。この会社の商品はおにぎり&寿司マシン類なんだけど、食
      材のこととか炊飯器のことまで事細かくアドバイス。海外仕様の炊飯器はラオックスで売っ
      てた、とか、ウィーンで一軒だけパナソニックの炊飯器を使ってるとか。

       思わず写真を撮ってしまいました。ひとときも飽きさせず、全員均等に話を振る。そこで
      考えた。こんな営業マンを一度捕まえたら客は離さないだろうって。だから、次の客は長時
      間待たせられることになる。けど、そんな不満は一瞬にして霧散するほど素晴らしい接客。
      きっとこの人は売り上げだってトップなんだろうて。

       仕事に必要だから勉強するんじゃない、好奇心であれこれ学び楽しんだ事が結果的に仕事
      につながる。これでしょ、やっぱり、出来る人っていうのはさ。ウィーンに住んでると言っ
      たら即「気位が高いフランス人に比べたら親しみやすいし、なんでウィーンがもっと観光で
      伸びないのかな?」なんてパリと比べてウィーンを褒めることも忘れない。自然でいやみの
      ないお世辞も心地よい。きっと、フランス人がお客さんだったら「ウィーンはちょっと地味
      ですよね」と逆のことを言うんだろう。相手に合わせて話しを変えるなんてことは朝飯前。
      こんなプロ久しぶり。

       終わって、クリスのリクエストで神田・神保町の「いもや」に行く。地域ではかなり有名
      なてんぷら定食の店。車に乗り込むノア君。もう、上機嫌で

       およそ30分程度で到着。近辺に「いもや」は数あれど店主のお薦めは夫婦?二人が営む小
      店。無口な亭主は面白くもないような無表情で黙々と天ぷらを揚げる。彼の言葉は「何にし
      ましょう?」だけ。夫婦?に会話はなく黙々と仕事に励む。動きはどこまでもなめらかで
      踊っているように見えなくもない。着席と同時に四杯のお茶が出る。すかさず一杯の水。こ
      れはお子ちゃま用。うーむ・・・・・こ奴できるな! と思う間もなく子供用の茶碗二つと
      スプーンとフォークが音もなく用意される。うーむ・・・・・・・・・・。さらに、出入り
      口の引戸の隙き間からの風に興味深いクリスとold style doorなどと話していたら、寒かった
      ら奥へどうぞと勧める亭主。うーむ・・・・・・・・・・。

       奥へ移動し、供された定食とともにカウンターにさりげなくティッシュBOX。これもお子
      ちゃま用。うーむ・・・・・・・・・・。天ぷらを美味しくいただきながら心の中で唸る店
      主。やはり、この店はかなり素晴らしいのう。普段は、大人だけですから、こんなサービス
      を見る機会はありません。多分、ほとんどは大人の客だけだろう。めったに来ない幼児のた
      めの準備もおこたりなくぬかりはない。昔、読んだ本でホテルの名店で風邪薬を頼んだら素
      早く用意、ボタンを繕うのに針と糸を頼んだら、これまた素早く持って来たことを思い出
      す。あらゆる客の要望を想定する、先を読んで行動する。これがプロの仕事ではないか。も
      ちろん天ぷら、ご飯、みそ汁すべて極めて美味。しかも安価。時たま持ち帰りの天ぷらを依
      頼する客もあり、席は常にほぼ満席状態。

       サービスはかくありたい。仕事もかくありたいものです。同日別の場所で仕事の内容も異
      なれど、ほとほと感心させられたプロの心と技。まっこと、よか一日でした。

      市井にプロは居る、油断はできない・・・・・・・・・・・・の、店主でした。



      金具天国

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          ♬ラ〜ララララ〜 ラララ〜ラララララ〜 ラ〜ララララ〜 ラララ〜ラララララ〜 妙
        に耳に残るイントロだったのはウォーカー・ブラザースの「ダンス天国」だったけど、私は
        ダンス・・・・・ではなく金具。そう、金具なんざんす。金物とも言うかな。近所の金物屋
        がなくなったのはいつの頃だろうか。天井からやかんがぶら下がっていたりちょっとした工
        具やネジなんか売ってた。文房具屋さんもね。小さな町だけど2軒あったのが、もうない。
        この文房具屋さんが店じまいする時に大量のトレペを買い古いロットリングペンを戴いたこ
        とを思い出す。扱いがわからなくて銀座伊東屋に持ち込んで「こんな古いもの!」と感心さ
        れたことも思い出す。寄る年波の頭の中は思い出すことばかり。思い出を並べて商売でもし
        たろか? 思い出露店とかなんとか。
         さておき、金具です。建築でも家具でもよく使われる金属や樹脂製の部品のこと。代表選
        手は蝶番や取っ手や引手でしょうか。学生作品をコンペに出品して、入賞した際に知り合っ
        たT氏はこんな金具のメーカーに勤務していて、おりにふれ金具の払い下げをしていただき私
        の周辺は、そんな金具たちがそこかしこに潜んでいてまったく「金具天国」とでも呼んであ
        げたい。好き者にはこたえられない桃源郷なのです。最初の大きな払い下げは、新橋にあっ
        たショールームが移転するんで設置してあったサンプル類が不要になり、トラックを用意し
        てどっさりいただいたんだっけ。なんせ大量ですから、あちらやこちらにお裾分け。次は、
        知り合いのところに預けてあった引き出し類。これはワタシの車で引き取り、我が家と工房
        と事務所に使い、知人の家のクローゼットに設置してほぼ無駄なく使い切りました。偉くな
        いか? と、誰も言ってくれないから、自分で言うしかない。
         さて、我が家のキッチン。最新設置の食器棚がこれ
         左がそれ。右は旧来のもの。幅はピッタンコ。だけど天地が高すぎて10センチほどカッ
        トしました。最下段の鍋置きは今まで使っていたものを転用したけど。どうです、Tさん。誂
        えたようできれいに仕上がりましたでしょ。取っ手を引き下げると
         こうなるのだ。それにしても、上下する扉は棚の半分しかカバーできず、海外ではこれで
        え〜んだろうかと思っちゃう。清潔好きほこりを嫌う日本人は首を傾げるかもしれないけど
        私はこれでいいんじゃ、大満足なんじゃ。その脇の空いた場所には棚をつけ。この金属枠も
        払い下げ品。確かスイスのメッキ処理と聞いた覚えがある。
         流し台とレンジの下は白いメッシュの引き出し
         お米の収納は30kg。カミサンの郷里から送られてくるお米は常に30kg。それが、丸々収
        納できます。でもなんの問題もないさ。軽々なのさ
         その上には、上下する金属棚
         そして、本来はキッチンゴミバコに使うものは、ショップに
         足が見えてるけど、本来はココを膝で押す
         あ〜ら不思議、そろりとゴミバコがでてくる
         仕切りは4つ。ウィーンの友人宅でも使ってた。逸品だけど我が家のキッチンは狭すぎて
        使えないのさ。だから、こうしてショップで使うしかない。
         それにしても今日は寒い!! 東京じゃみぞれのような雪でっせ。赤々な炭火、オイル
        ヒーター全開の地下でもひしひしと寒さが感ぜられ、どうにもこうにも縮こまるしかない。
        温泉に浸りたいなぁ〜。温かい珈琲もすぐ冷める。珈琲の利尿効果と寒さのプラス二乗で、
        たちまちトイレに行きたくなる。こらえ性のない膀胱は身悶えして排尿を訴えるのだ。我慢
        せいよ! と元気づけるけど一階にあるトイレに階段を登り降り。回数数えちゃうぞ! も
        う。本来は生殖と排尿のダブルキャストであるにもかかわらず、とんと生殖本編の出番はな
        くなってしまった。残る排尿機能も衰亡一直線のていたらく。寒さに凍えてチンコますます
        縮こまりすでに身体本体に没して外からお姿を見る事かなわない。そういえば、若いときに
        長く海で泳いでいるとこんなこともあったっけ。見たことないでしょ、女性は。それでなく
        とも老いさらばえたシワシワなチンコ、哀れなもんでっせ。とてもじゃないけどお見せ出来
        るもんじゃない。私だって見たくない。
         以前も紹介したけどアンプ棚の扉で大活躍の金具。
         本来は、電子レンジなんかの目隠し扉を跳ね上げるためのものらしいけど。これに、幅2.6
        m高さ36センチの板を取り付けまして、下げると
         こんな感じで、跳ね上げると
         こんな感じ。今は、この板に映写幕も吊り下げてるけど、そんな重さにゃビクともしな
        い。素晴らしい全幅の信頼感です。
         取り外ししなければならないベンチ座板は、
         ちっちゃな部品を、
         こう付けて、もう一方にも
         こう付けて
         手でグッと押し込めばきわめてガッチリと固定出来る。さらに、この座板にテーブルを取
        り付ける
         ざっとこんなふう
         でも、なんといっても代表格はスライドレールなる金具。この会社の製品は、
         こういうもんで
         引き出しの下にあるフックを両手で外すと、
         カンタ〜ンに取り外せるのだ! ご覧下さいませ、二本の棒が見えますでしょ。これに引
        き出しが載るんざ〜ます。載せて、押し込めばカチリと固定される。このカチリがえも言わ
        れぬ快感でしてな。しかも外からは一切見えない奥ゆかしさ。
         それにしても今日は長い!! 長すぎまっせ。要はヒマなんだわ。なにもやることないん
        だわさ。思い立った金具大公開はT氏への感謝の気持ち。折々にご報告はしておったんだけど
        全部まるまるの時期なのかなとね。ふと、思ったわけよ。だから、この記事はT氏だけのため
        です。そんなこと書きながら聴いてるのは大萩康司の「Cielo」。長谷川きよしもいいけど大
        萩康司もええですよ大阪のNさん。私の大好きなギタリストです。その前に聴いたのはテナー
        サックスの第一人者・須川展也。クラシック、ジャズなんでもござれで清々しくも精緻な音
        色に痺れる店主。またしてもトイレが私を呼ぶ。見れば、外は雪じゃんか。なんてこった
        い! ゆりちゃん、こりゃ当分止みそうもねえな、吹雪いてきたぜ(by 龍・中西)。こんな
        寒くちゃじっくり腰落ち着けて書き続けるしかねえな。二人で最長不倒の金字塔でもうち建
        ててみようか。な、ゆりちゃん。
         スライドレールの本体です。どーです、立派でしょ。すらりと伸びた姿に惚れ惚れ。硬く
        て伸びる。ほんにあんたは・・・・・・・。これが伸びれば
         こういうことになるわけだ。
         
         うっひょ〜、えれ〜伸びるの〜。これは48センチ。フル・エクステンションですから奥行
        き48センチの引き出しがぜ〜んぶ出て来ちゃう。しかも、これはダンパー付ですからバーン
        と強く押し閉めても残り数センチでスゥ〜と収納されるのじゃ。これがまた気持ちいい。娘
        のマンションのキッチンはすべてこのダンパー付きだから効用のほどが理解出来ます。
         さきほどのゴミバコの上の引き出しにも
         お米収納の上にも
         
         キッチン引き出しもご覧の通り。もうすでに我が家で引き出しを付ける所はありません。
        まったく満杯です。そして、ギュウギュウ満員です。
         ごく最近の恩賜の引き出し
         ごめんね。場所はもうほとんどないからショップのテーブル脇に設置せざるを得なかっ
        た。両側板が透明アクリルだからさ、ズバリと中央に置きたかったんですよ。でも、悲しい
        かな狭いかな置き場所がない。こんな隅っこでなんとも申し訳ない。この引き出しは、
         こんなふうにド〜ンと全開になるんだけど、素晴らしいのは下を引き出せば上は引き出せ
        ず、上を引き出せば下が引き出せないようになっとること。二段の引き出しをいっぺんに引
        き出すと本体がひっくり返るからさ。それを防ぐための機構なの。その機構がよく見えるよ
        うに本体が透明アクリルで作られているの。複雑でっせ、この機構は。どこがどうなってい
        るのかわからない。そりゃたしかに便利ではあるけど、こんな複雑な機構を考える技術者は
        きっと複雑な仕組みを考えるのが好きなんだろう。ゼニカネ抜きでやっとるとしか考えられ
        ない。でも、そ〜いうの大好きですから。持っているだけでウレシイのだ。
         それにしてもお腹が減ってきた。もう12:30だもんね。昨日は、二日酔いで朝寝だったけ
        ど、その反動でか今日は8:00前に目が覚めて、パン食べて、机に向かって書き始めたのがそ
        もそもで。こんなマラソン記事になるとは思わんかった。地下のオーディオだとCDの入れ替
        えが面倒なので、ついさっき一階にあるサブシステムのスイッチON。なんせ五枚のCDを連続
        演奏出来るからBGMにはサイコー。聴くのはENYA。すべてのCDを持っている。ENYAは
        え〜んや。なんてね。図面を書いたり模型を作るときにENYAは最適だってこと知ってます
        か? まるで大型船が海を渡るような、遠目には静かだけど近くに寄れば波をかき分けズン
        ズン進むような感じがまことによろしいのだ。
         
         そうしている間にも炭は姿を変える。赤々は白い灰になり放置しておくと消えてしまいま
        す。新しい炭を足し,熾(お)きた炭の位置を変えなければならない。なかなかにして炭火
        は手間がかかりやっかいなもの。だから、常時、火鉢で暖をとるためには私のようなヒマな
        老人が居なくてはならず、そんな老人が居ない家では火鉢は使えない。こうなっとるわけ。
        また、この炭なるものちゃんとしたものでなければならないのですよ。一度、ホームセン
        ターでバーベキュー用を買ったんだけど、煙ってどうしようもないことがあってね。近所の
        燃料店のものしか買わなくなった。でも、炭火のほんのりした暖かさはなかなかのもんで、
        捨てがたい魅力はある。ENYAは快調に奏でてくれているけど又してもトイレが呼ぶんだ。
        ネイチャー コール ミー なんて言ってたころもあった。HすることをGIセンターなんて
        ことも。帰りしな外を見ると雪はどうやら本格的な展開。
         なんてこったい! さきちゃん、こりゃ当分止みそうもねえな、吹雪いてきたぜ(by 龍・
        中西)。またかい!! こんな寒くちゃじっくり腰落ち着けて書き続けるしかねえな。二人
        で最長不倒の金字塔でもうち建ててみようか。な、さきちゃん。でもって、who is SAKI?
         こんなんのもあるし
         こんなんのもある
         長い記事でも終わりはやってくるんだ。これが我が家の金具ぜ〜んぶ。家のあちこちで息
        を潜めて出番を待つ姿に想いを馳せる。誰も見ていないとこでもちゃんと仕事をすることの
        すばらしさなんてものは今どきなかなか居ませんぜ。仕事ってのはこうでなきゃいけません
        よ。見習いたいもんだ、まったく。目立ってなんぼのココロは店主もおんなじだけど、こう
        いう地味な存在には尊敬の眼差しは忘れておらんのじゃて。
         なんて言ってないで、そろそろ昼ご飯にしましょうか。ご飯はありますし、おかずは昨晩
        の残りがある。みそ汁だって。記憶によれば、サーモン刺身(30%引きだったから)と野菜
        炒めがおかずでみそ汁はじゃがいも。自慢じゃないけど私がすべて料理した。けど、遅い帰
        宅のカミサンは夕食済ませてきたから、私が平らげなければならない。下手すると数日同じ
        おかずを食す栄誉に輝くこともある。でも、地球の営みからもたらされた貴重な食材ですか
        らありがたく頂戴しますよ。捨てるなんてことは絶対にしない。マジで。
        じゃ、そういうことで・・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

        ライブ見聞記

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            昨晩、中目黒のバランチェッタに行ってきました。R&Bライブと称するイベント、料金は
          三千円でワンドリンク食べ放題。行ったときにすでにライブは始まっていて、席は埋まり、
          立ち位置がわからない店主。どうしたらよかんべ、居心地が悪い。こりゃ、早めに帰ること
          になりそうだワイ。入口扉のあたりに陣取って、ワインを飲みつつ一服しつつ演奏を聴く。
          40〜50代の日本人と黒人男性のデュオ。悪くないぞ。有名な曲を弾きまくり歌いまくるの
          は、営業的戦略だろう。知られていない曲だとお客さんも盛り上がらないもんね。
           と、これを書きつつ聴くのはエヴァ・キャシディ。流れているのはシンディ・ローパーの
          名曲「トゥルー・カラー」。ええでんな〜。店主の心は引きずり込まれる。そして「タイ
          ム・アフター・タイム」。引きずり込まれて溺れそうだ〜。朝一番で居間の壁面棚に取り付
          ける棚板を塗装して乾くまでの時間は工房が使えない(ほこり厳禁です)から、なにもする
          ことがない。だから、のブログ。流れる音楽を聴きつつのひとときは無上の喜び。こんな私
          の心を理解してもらいたいなんてことはつゆにも思わない。わたしひとりの世界はわたしひ
          とりで楽しめればいい。そういう気持ちは誰にでもあるんじゃないのかい。そして「サンフ
          ランシスコ・ベイ・ブルース」に曲は移る。ギター弾き語り一人芝居はしみじみ私の心に沁
          み入る。
           居心地悪い私に近づいてきたのはバランチェッタ店主の奥様。あっどうも、なんて言いな
          がら知ってる人がいたことにちょっと安心。店の隅っこで小皿で食べながらワイン飲みなが
          らタバコ吸いながら・・・・・・休憩になったゾ。奥の席で奥様が手を振って、こちらにど
          うぞ。見れば両脇に友人二人、いずれも中年の女性。いずれも興味をそそる方ではない。け
          ど、なんかお話ができるかもしれないと怖ず怖ずと着席したのです。仕事の同僚だという片
          割れがしきりに私の白シャツを褒めるんだ。ま、つかみはOK。これで白シャツも喜んどる
          ことだろう。でも、後がいけない。話しはおしゃれのことになり、おしゃれでない人はやっ
          ぱりダメですよね、なんてこと言うんだ。いや、だから、そうじゃなくってさ、おしゃれで
          あろうとなかろうと頭がきれる人はいる。おしゃれは単にそれが好きか嫌いかだけとか世間
          に対する制服なのではないかしら? などと物腰柔らかくお話するも首を傾げる女性。
           さらに、ひとしきり食べ物の話しになって、最近は毎日料理をしてますねん、と店主が言
          うと、なんて素晴らしいんでしょう、ウチの夫なんかはな〜んにもしないと言わっしゃる。
          まっこと不満な様子がアリアリで、その後の話しで夫は好きじゃないしすでに心が離れてい
          る、憂さ晴らしに19才の子供と酒を飲んでいるなんてことを聞くに及んで、「だって、そう
          いう男に惚れて結婚したんでしょ」とついつい夫の肩を持ちたくなる、私。仕事のストレス
          を発散すべくライブに来た。だからR&Bに合わせて踊りもする。さらに、ひょっとすると恋
          の出会いも、といささかの期待もあるわけだ。相方の女性と、相手は老人で金持ちか美形な
          若者か、イケメン男子でお金持ちは若い娘に傾くからお呼びじゃないでしょう? なんて愚
          にもつかない話しで盛り上がっとるんダ。まぁ、言ってくれるわけです。
           己を知りましょうね! と心で囁く私。恋に年齢は関係ないし、お金(ぜんぜんないん
          じゃ困るけど)も関係ない。結婚しようって年齢でもないし、気に入った相手とのひととき
          を楽しめればいいんじゃないのかい。長年連れ添った相手と恋のトキメキは無理なことは誰
          でも知ってる。だって、恋は長持ちしない極めて短い賞味期限でしかないことは万国共通で
          すから。連れ添った相手との関係は「信頼」ですから、恋とは質が違うことをご存知ではな
          い。そんな恋を実現するためには、現実の生活とは異なるそのときだけを愉しむ心智がな
          きゃね。そりゃ、無理でっせ。服装(おしゃれ)は、あくまでもつかみのものであって、そ
          こを手掛かりにして相手の心の扉をそっと開いてみる。心の玄関を見回せば相手の人となり
          が理解出来て、恋に小さな種火が・・・・・・・・・。
           そのためには人を見る目も必要だし、会話の内容も大切になります。連れ合いの不満だと
          か仕事の話し、ましてや子供の話しや病気健康の話しじゃ、それこそハナシにならない。お
          互いが会っているその時瞬間を楽しめる資質がないととてもじゃないけど恋は炎になりませ
          ん。不満のはけ口、愚痴のこぼし合いのような会話と恋を一緒にしちゃあイケマセンぜ。恋
          をそんなどこにでもあるような事と一緒にしないで欲しい。短い人生の一瞬、出会いを感謝
          し、心を寄せ合い、別れてもなお心に残り続けるような、そういうものが恋なんじゃないか
          と私は思うんだ。なんか理屈っぽくなっちゃいました。要は、おおむねそんなことを分かち
          合えるような出会いを私は望んでやまないので候。
           そして後半のライブ。前半はアコースティック(アンプは使ってたけど)後半はエレキと
          いう構成なんだけど、打って変わっての大盛り上がり。ここを先途と盛り上げる話術と選
          曲、演奏テクニックはなかなかなのもの。久しぶりにプロを見た。特に黒人の方のベースに
          は感心、やはり持って生まれた資質があるんだろうか。演奏が終わり、彼らのCDを買い、一
          緒の席であれこれお話をしていたんだけど、気が付けばお客は一斉に出て行くんだ。えっ、
          どーして? 演奏の余韻をお酒で楽しむんじゃないの? そうじゃなくとも1〜2杯のお酒を
          飲んで帰るのが礼儀ってもんじゃないのかい? そんな気持ちは微塵もない。さっ、帰ろう
          ってなもんです。味気ないなァ。SEXに前戯後戯があるようにレストランでのライブにも後
          戯があってしかるべきなんじゃないかい。それじゃあSEXが終わって即洋服を着て帰るよう
          なもんじゃん。楽しむことの貧しき心がこんなところに浮かび出てしまう。ああ、嘆息。
           愉しきひとときの余韻に浸る店主は結局最後のひとりになってしまい、後片付け清掃に慌
          ただしいスタッフに追い出されるように退散と相成りました。最初の思惑はすっかり忘れて
          結局は最後まで居残ってしまったナァ。明日も営業だからさ、わかりますョ。ごめんね、バ
          ランチェッタ。素敵なひとときをありがとう、バランチェッタ。
          二日酔いで起きたのは昼前・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

          卒業式の季節なんですが

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              毎年この時期になると卒業式の案内を受け取ります。今年の式はは3月12日だったか
            な。以前記事にしたようにずいぶん長い間卒業式には欠席している店主。今年もやっぱり参
            加せずなのであります。なにが私をそうさせるのか、いろいろあるんですけどね。本来であ
            れば教え子の門出だしめでたい席ですから出席させていただきたいとは思っています。ひね
            ているアタイだってそれくらいの道徳心?はありますって。でも、そうはさせてくれませ
            ん。それは何か? いや、大層な理由ではないんです。大したことじゃないんですけど。

             私が二年生の担任を仰せつかっていた頃は、卒業証書を手渡す役目があるから職務として
            否応もなく出席していました。その後、その職もなくなりましたが出席していました。ある
            時、式の後の懇親会(っていうのかしら。要は飲み会)に赴いたところ食べ物と飲み物があ
            まりにもひどくってビックリ。3000〜4000円の会費を払っていかになんでもこれはないだ
            ろう! けっこう大箱な店の貸し切りなんですが、とにかく食べる物はレタスと貧相なハム
            ぐらいしかなく、飲み物も限られていたんだ。そんな店を予約する心智がわからない。デザ
            イン学校なんだからさ。出来るだけ低予算でしかも食べ物飲み物インテリア接客それなりの
            店を選ぶセンスが求められるんじゃないかってね。そんな意識がない人はデザインなんか仕
            事にしちゃいけませんよ。そうは思いませんか?

             私は東京デザイナー学院という専門学校の講師もしているんだけど、名称に含まれる「デ
            ザイナー」にこだわるんだ。デザイナーとは何か? なんていう小難しいことはさておき、
            一般の人からはある種の特別な能力を持っていると見られているんじゃないのか。今はそう
            いう見方をされないのかもしれないけど、私は断固そう思っているんです。実は、特別な能
            力なんかではなく八百屋さんとか魚屋さんと同じように、その道に精通している単なる職能
            だとは思っているけどさ。なんか新しいモノを生み出す能力ってのも必要な場合もあるだろ
            うけど、一番大切なのは「問題解決能力」じゃないのか。どんな場合だってなんらかの問題
            があって、それをうまく処理して成果物として提案するのがデザイナーじゃないの? 何も
            問題がないんならデザイナーは不要だ! というのが私の考え。

             件の懇親会だって、学生はお金がないだろうから予算は低額に傾くし、ある程度の満腹感
            も必要だろうし、場所は近くで、しかもけっこうな人数を収容できて、出来れば貸し切りが
            望ましい。飲み物だって飲めない人や飲める人に対応しなくちゃならないし、来場者を飽き
            させないなんらかのショーアップも考えなけりゃなりません。こんな厳しい条件をクリアし
            つつ参加者に満足していただける会場を選ぶというのはまさにデザイナーとして求められる
            能力の試金石だと思うの。それがレタスと貧相なハムじゃね。言いたかないけど開いた口が
            ふさがらないってもんですよ。しかも、その後も相変わらずその店で懇親会が行われるに
            至ってはなにをかいわんや。だ〜れもその店を問題だとは思っていない証拠です。そんな身
            近なことに気が付かない感性ならば仕事だって同じようなもんだろう、と思わざるを得な
            い。

             その昔、在校生から「なんでウチの学校の先生はダサイ人ばかりなの?」「デザイン学校
            の先生ならば、美女と腕を組んで学校に来るぐらいなことして欲しい」って言われちまった
            ことがあるけど、まったくな正論だと思うんですよ。少なくともデザイナーを志すならば学
            校があるお茶の水や水道橋周辺の店に詳しくないといけないし、東京ならば銀座、新宿、渋
            谷、下北沢、上野、池袋といった街々で一つや二つの店を知っていないと恥ずかしいで
            しょ! デザイナーを志しているんなら恋人がいないなんてことも恥ずかしいいことじゃ
            ん! なんてことも言われてしまった。どれもこれも正論きわまりなし。返す言葉は見当た
            らない。まったく降参の態です。感受性と好奇心はデザイナーの必須条件ですから、身の回
            りのあらゆる事に対して興味を持つ気持ちが大切であることは間違いないですから。

             懇親会の内容も激変していることも不参加の大きな要因です。学生は学生同士でお話をし
            続け、しかたないから先生は先生同士で話しをする。なんじゃい、これは。そんなら別に学
            生と教師が一緒に飲まなくてもいいじゃん。もうほとんど形骸化しているのであります。い
            つ頃からこうなっちまったのか。少なくとも以前はこんなんじゃなかったっすよ。教師が老
            齢化したからなのか、学生が幼児化したからなのか、あるいは両方なのか、他の理由なの
            か。いずれにしろ終わって空しさが大きく残る催しなんです。食べ物はショボイしこれと
            いって楽しい会話もないし、どーにもこーにも招かざる客なら行きたくな〜い。給金に見合
            う仕事はふだんの授業で貸し借りなしだかんね。家で音楽聴いていたほうがなんぼかまし
            じゃ。お義理で参加なんかしたくないのじゃ。

             でも、卒業式と懇親会は別物でしょ? なんで卒業式まで参加しないの? ま、言ってみ
            ればそれは私のわがまま。否定のしようはない。卒業式は典型的な儀式です。それも極めて
            空虚で中味がなく、ひたすら我慢で座席に座っていなくちゃならない。もう、それに耐えら
            れないのです。理由はそれだけ。それでい〜のか? い〜んです。私一人が欠席したって全
            体から見ればどうってこともない些末な出来事。あいつはいつも卒業式を欠席してるな、
            だったらもう辞めてもらおうじゃないか、って首になってもいいんです。ほんの小さな覚悟
            ですけど、そう決めちゃったんですからね。ええ、ええ、アタシャわがままなお子ちゃまで
            ええんです。今後もそうなるだろうことは充分予想がつきます。それが転換して出席すると
            いう事態に至るにはなんらかの出来事が勃発せにゃならない。新しいこと魅力的な内容にな
            らなくてはならない。それを期待している自分がいることは確かだけど、そんな催しを企画
            できる人材が私の物語に登場するんだろうか? 偉そうな言い方だけど、人生残り少ない老
            人の戯言だから勘弁してちょ。

             この一連の出来事の一番の被害者は一枚のシャツであることは間違いないだろう。ずいぶ
            ん前になるけどファッション科の先生にイッセイ・ミヤケの素晴らしさについて事あるごと
            に話していたら、ある日職員室でジャケットとシャツをプレゼントされてしまったのです。
            驚きましたよ。なんせ新品ですからね。ぜったい高額。それをなんで私に? そのシャツが
            出番がなくてタンスで泣いている。シワシワなシャツは私の衣装の最高峰、めったなところ
            では着れません。ドイツの表彰式でも着ましたし、毎年の卒業式でもまるで制服のように着
            て行きました。かなり目立つ(色は白だけど)から普段の生活では着用のチャンスはまった
            くない。困ったなァ、かわいそうだなァ、シャツの心お察し申し上げます。なのに、一向に
            出番は来ない。あぁ、悲しや切なや。
             そんなら今日の夜、中目黒のバランチェッタのライブに着て行こうかい! そんなことで
            もしなきゃ陽の目を見る事なんかないかんね。レストランでのR&Bライブですから自由に参
            加できますし、むろん費用は私が持ちましょう。シワシワの白シャツ着てる私に一声掛けて
            ください。と、こんなこと書いたってだ〜れも来ないだろうけど、ま、それはそれでいいん
            だし。ってことで今夜の主賓は白シャツで決まり!!

            なんちゃって・・・・・・・・・・・・・の、店主なんです。
             

            速報! 新文芸坐

            0
                なんてほどじゃァないんすけど。行ってまいりやした、池袋。久しぶりでした。つい今し
              がた帰ってきたんだけど、家の近くのコンビニでお菓子を買ってたら息子に遭遇。親子揃っ
              て歩くのもずいぶんな久しぶり。不出来なテーブルでごめん、いやいや大切に使わせていた
              だきますよ、なんてね。なんか感慨深い会話。近頃、なんでもかんでも感慨を感じてしまう
              店主です。家に着けば、AMAZONからCD2枚が届いていて。それを聴きながら書いておりま
              す。CDは共にバーバラ・ストライザンド。アメリカのミュージカルを受け継いでいる数少な
              い歌手、ジュディ・ガーランドの正統な後継者と考えているのだ。歌うというよりも語る感
              じの彼女は大好きな歌手の一人。むろん今回のCDも当然のごとくすばらしい。

               混んで座れないかも、とほぼ一時間前に着いて、すぐにエレベーターで3階に。場所は駅
              から数分、表通りの明治通りから一本裏に入ったとこにあります。
               建物はマルハンビル。むろん階下はパチンコ屋さん。

               すでにけっこうな人混み。座席を確保して、珈琲を買い喫煙室に直行。なかなか良い空間
              です。昔の文芸座とは大違い、清潔で健康的で。これは、図書コーナー。すぐ右に売店があ
              ります。そういっちゃなんだけど、好きな監督、役者さんの本はあらかた目を通しているの
              で今さら心惹かれる本はない。だけど、売店で「文藝別冊・小沢昭一氏」をパラリとめくっ
              たら竹中労を発見し、もう即買い。そして即読み。

               ”ド助平人間は”まじめでござる”と称する一文。ぞの昔『あゆみの箱』なるチャリティ
              なるもんがあったのですが、これには多くの俳優やタレントが参加しておった。ある時にそ
              のイベントに時の総理大臣夫人とか厚生大臣妻が出席していたことにふれて。
               曰く
              「身障者に善意の寄付をするという、その行為自体を非難しているのではない。ニッポン低
              国政府は、身障者対策を徹底的にサボッておる。あらゆる身障者施設は、耐乏予算で四苦八
              苦のありさまである。日本の身障者を悲惨な状態に放置している元凶は、すなわち自民党・
              佐藤内閣である・・・・・・・・ならばどうして、佐藤栄作のカミサン、厚生大臣夫人など
              を”お招きする”のだ。司会者はうやうやしく「ご臨席を仰ぎまして」などといっとる。バカ
              じゃないのか。・・・・・・・・」

               これに参加した伴淳三郎(代表だった気がする)、高峰秀子、その他芸能人多数なんだけ
              ど、むろんこれらもメッタ斬り。で、一度だけ出演した小沢昭一がショーが終わるとまっす
              ぐトルコ風呂(※今のソープランドですな)に駆けつけて、チンコが擦り剥けるまで痴戯に
              ふけり「オレはゲスな助平な野郎だねエ?」とトルコ嬢に確認を求めた。これが実にマジメ
              な人間だという証だというわけ。

               しかし、一方で
               「『あゆみの箱』の毒気を、トルコ風呂で洗い流す高貴な精神ってやつは、裏返せばイン
              テリのコンプレックスじゃないのか。ほんものの庶民は、存外、佐藤栄作のカミサンの”ご
              臨場”に感激して、壇上でしゃっちょこ張っている愚かなスターどもの心情に、近いところに
              いるのかもしれねェんだ」とザックリ切り込んで
               
               さらに
               「山谷、釜ヶ崎、ニッポン資本主義の奈落に生きている下層プロレタリアート、いっさい
              の社会的羈絆(きはん)から脱して、その日暮らしの自由を選んだ人びとの世界に、小生は
              彼(※小沢昭一のこと)の”演技”を置いてみる。違う! 現代のエンクロージャー、非人社
              会の風景に、小沢昭一はもうひとつ遊離している。
               むしろ、『あゆみの箱』で泣いていた栄ちゃん万歳の伴淳三郎のイメージが、はるかに密
              着しているのだ。その矛盾、俳優小沢昭一にとって、もっとも大きな課題ではないか」と、
              締めくくっている。

               ウーム、キビシイのう。もちろん竹中労は小沢昭一の存在を認めている。認めているけど
              舌鋒鋭く、それでいいのか!と迫るのだ。再度の東京オリンピック計画を推進している多く
              のアスリート、原爆慰霊の催しに参加する政府関係者、沖縄しかり。意味は違うかもしれな
              いけど、今もって同じようなことが繰り返されている気がする。もちろん、店主にもこの言
              葉は突き刺さる。日本人でありながら洋楽(ポップスもクラシックも)を楽しく聴く、その
              心はいかに! ベタな演歌を避けて通ってきたことのいささかの後ろめたさ、さらに椅子を
              使わない生活であるにもかかわらず、あたかも椅子が代表選手であるような顔をしている家
              具ならぬファニチャーの世界に身を置いていることに疑義を抱かないのか、と。

               ウーム、わからん!! わからないのであります・・・・・・困っとるのであります。

               一服して席に戻ってみたらすでにほぼ満席。だから言わんこっちゃない、早く来て正解だ
              ったなぁ。こんな感じダス。お客さんはほぼ私と同年齢か年上の方ばかり。しかも9割方が
              男性。20〜30代の方はついぞお目にかかる機会はなかった。ウーム、そういうもんかい。
              そーいうもんだろうなぁ。昭和は遠くなりにけり、ちょっとだけ感慨にふける店主。

               そして一本目の「大当り百発百中」を観る。巻頭テンポ良く、中程でダレルも昔日のお笑
              い芸人に思わず笑ってしまう。特に由利徹(相変わらず絶品でした)、南利明(そうだな
              も)、武智豊子(相変わらず年齢不詳)、ジョージ・ルイカー(いたっけなぁ)、そして高
              原駿雄。そして休憩。またしても一服。その前をズラ〜と並ぶ人々。

               ぜんぶ男性。トイレの列。どひゃ〜、君もボクもみ〜んなおシッコ近いんだ。店主だって
              負けちゃいないけどさ、なんとか我慢できそうだから諦めて席に戻ったのです。そしたら、
              場内の階段にちょこんと座ってる老人(どうみても80代)がうな垂れているんですわ。あい
              や〜、こりゃ席を譲らんわけにはゆきまいて。どうみたってなんたって私の先輩だし先達の
              士として敬わないわけにはゆきません。で、席を譲り、最後列の立ち見に。すでにここも満
              席? 空いている壁がほとんどない。さらに、トイレが混んでるから上映時間を遅らせると
              のアナウンス。ならばと、コートを床に置いて席?を確保し、いそいそとトイレに向かい、
              そろそろ上映ですとのアナウンスに急かされるも、この年頃のおシッコはそうそう簡単に終
              わりません。気持ちとは裏腹にチョロチョロと。しっかりせんかい、括約筋(関係ない
              か?)

               そして二本目「競輪上人行状記」。原作が寺内大吉だし、監督が西村昭五郎ってわけでも
              ないのでしょうが、思った以上にシリアスな内容でした。寺の経営とか仏教に対する痛烈な
              批判がそこかしこ。単なる葬式屋と堕した、賽銭収入に右往左往する寺や仏教は一体なんな
              んだ。教師でもあった小沢主人公は悩みつつ、競輪で散財し、果ては教え子を連れての競輪
              行脚で幕を閉じる。その教え子が伊藤アイコ。いたっけなァ〜。ネットで調べたら私と同い
              年。さらに友人が小山田宗徳。いたっけなァ〜。確かウォルト・ディズニーの吹き替えして
              たっけなァ〜。

               その後に盟友・加藤武のトークがあったんだけど、なんか気が乗らずに帰路につく。そ
              りゃ確かに小沢昭一とは中学以来の友人だったかもしれないけど、小沢さんとは考えを異に
              するんじゃないかってね、思ったワケ。店主の勝手な思い込みかもしれないけどさ。だから
              ね、聴かずに帰ったの。時間はすでに3時近いから回転寿司を食べて、珈琲を飲んで。

               明治通りに面した喫茶店はなかなかの雰囲気で良かったっす。

               この喫茶店で目を通したのは神保町シアターで上映中の「時代劇の粋と美学」のパンフ。
              大映京都の二枚看板・田中徳三と三隅研次監督の作品全16本。その中に「眠狂四郎・炎情
              剣」と「斬る」が含まれていて気を強くした私。やっぱりね。この二本、私の目に狂いはな
              かったんだ。狂四郎はなんてたって炎情剣だもんね。来週当地で上映する「斬る」には、
              『自らの出生の秘密を知り、流浪の旅に出た天才剣士がたどる数奇な運命ー。雷蔵の凄絶な
              名演に息をのむ。大映時代劇の最高峰の一本で、雷蔵.三隅コンビの代表作。女優たちの迫
              真の演技、大映京都の技術陣の総力が七十一分に凝縮され、三隅美学の極致として結晶した
              一作』
               の短文で紹介されている。どんなに褒めても褒め足りない。ようも言ってくれた。時代劇
              の中でも燦然と輝いているに違いない。その輝きは、直接見ると目がつぶれるぞ。もう何回
              観たかわかんないほどだけど、こうして書いているだけでまた観たくなる。あぁ、こういう
              映画をもっと観たいけど、これから作れるわきゃないし過去の作品だってあらかた観ちまっ
              たからなァ。

              さびしさもあり〜の・・・・・・・・・・・・・な、店主です。


              急告! 新文芸座に集結せよ!!

              0
                  新聞で小沢昭一の回顧上映があると知り、すぐに演目をチェック。2月16日(土)に「大当たり百発百中」と「競輪上人行状記」の二本立てがあります。特に競輪上人のほうは観たいけどなかなかオークションには出品されず私にとって幻の映画(大袈裟じゃないんだ)。裏街道を熱愛する小沢さんと競輪の相性はバッチリ、悪かろうはずはないだろう。しかも、
                これを逃したらいつ観れるかわからない。だから、行く。

                 新文芸座http://www.shin-bungeiza.com/は池袋にあります。、私は満員で入れないのが
                心配だから午前10時には並んでいます。ご用お急ぎでない方は如何でしょうか?

                 他のブログ(http://www.mmjp.or.jp/pole2/ozawashoichisp.html)でこんな紹介が

                 「大当り百発百中」

                レコード会社のヘボ作詞家・及川太郎(小沢)の霊感で賭けた馬券がどれもこれも大当
                り、それを知った愚連隊が彼の才能を資金源にしようと企んで、太郎を監禁する。し
                かし脱走を試みて、追いつ追われつの大ドタバタ痛快コメディ。

                 「競輪上人行状記」

                娘の腹借り子を産ませ、犬を殺して食いつなぐ、しかも坊主は競輪狂い。色と欲を皮

                肉った大人の喜劇!嗚呼なんてバチ当たり。こんな映画、今じゃ絶対作れません!本

                作のために髪を剃った小沢の熱演も当時話題の一つになった。


                 と、こんな感じ。それぞれ約一時間と一時間半の軽〜い映画です。

                 さらに、http://blog.hiraki.jp/archives/2005/10/16-130558.php


                 「なんでも数年前、池袋の新文芸坐の深夜興行で、小沢さんの旧作を上映する企画があっ

                たそうで、そのとき小沢さんは、上映する3作のうちのひとつを、この「大当り百発百中」

                にしてほしいとお願いされたのだとか。ところが日活に確認すると、その映画のプリントは

                劣化して捨ててしまったという。仕方なく小沢さんは、自腹を切ってネガから再プリントさ

                れたそうなのですが、もしかして、今回ラピュタ阿佐ヶ谷で上映されているのも、そのときのプリントなのかなあ。小沢さん曰く、「わが青春の、元気一杯の映画です」。当時の小沢

                さんは30歳を少し過ぎたあたり。なんだ、今のぼくよりも年少なのか。それもまた、ショッ

                クだったりするわけですが・・・。


                 さて、そのころの映画館は三本立ての上映で、うち一本は上映時間の短い作品となること

                が多かった、ということを前に書いた。実はこの話も、小沢さんの文章から引っ張ってきた

                のだが、当時の日活映画は、石原裕次郎、小林旭の全盛期。小沢さんは、裕次郎や旭の主演

                映画にワキとして出演しながら、尺の短い作品では、時に主役をやらせてもらうこともあっ

                たのだという。この「大当り百発百中」も、そんな作品のひとつ。そして、今回の春原政久

                監督特集では、ほかにも若き日の小沢さんが活躍する作品を見ることができる。さて、石原

                裕次郎や小林旭の映画では、主役たる裕次郎や旭は、その映画の主題歌を自らカッコよく

                歌っていた。で、若き日の小沢さん、この「大当り百発百中」では、自分もラストシーンで

                歌わせてほしいと春原監督にお願いしたそうなのですが。


                 このラストシーンのくだりは、例の小沢さんのエッセイでも触れられているし、今回集上映のチラシでも、エンディングに注目、なんて書いてあるから、一体どんな場面になっているのかなあと思っていた。が、映画を見ているぶんには、小沢さんが書いているほど「実に滑稽で」「ちゃんと喜劇映画の結末」にした、というほどの滑稽さは感じませんでした。むしろ、ごく自然にハッピーエンドが訪れたという印象。満開の桜並木を、小沢さんは新妻役の松原智恵子と一緒に歌いながら歩いていく、というシーンなのですが、撮影のときに監督から指示された衣装が、裕次郎や旭みたいなカッコいい衣装じゃなくて、ツンツルテンの着物姿だった、ということに、小沢さんはショックだったようです。

                 なんでも、エンディングで自分も歌いたいという注文を、小沢さんはラストシーン撮影の前日に春原監督に突然言い出したそうなのだけど、映画が出来てみたら、その着物姿も、決して唐突ではなく、ちゃんと伏線があるようになっている。

                冒頭の「こんな服(=洋服)着てたら、ぼくの詞はダメになっちゃう」というセリフとかで、小沢さん扮する作詞家の及川は着物好きっていう設定になってるんですね。だから、突然着物姿で出てきても違和感はなかった。むしろ、小沢さんカッコいいじゃない、というくらい。
                演じる側の主観と、実際に映画になったものを見たときの感じ方が違うというのも面白いものですね。しかも小沢さんの中では、その記憶が40年も鮮烈に残っていたわけだ。
                もちろん、歌ってる歌詞は滑稽、かつ珍妙なものでしたよ。
                「君と僕とのウッフンバ、夢と希望のウッフンバ」。ウッフンバってなんだよー。」

                 なんていう記事も発見! もし、当日来てくれた方には昼食と珈琲をごちそうすることをお約束しましょう。ちなみに店主は緑のズボンと赤いチェックのコートに帽子という扮装です。お会いした事のない方は一声掛けてくださいませ。遠慮しないでね〜〜〜〜。

                ではでは、新文芸座でお逢いしましょう・・・・の、店主でした。


                やはり失敗したのだ!

                0
                    息子に頼まれたまんまほったらかしになっていた小テーブルを作ったのだ。彼の部屋は
                  ごっつ狭いからそんなテーブル何に使うのかいって思って尋ねたら。英検勉強の時に使うん
                  だと。なんせ6畳にベッドがドカン、でもってTVやら壁面棚(これもアッシが作った)が
                  あってテーブルなんか置けるわけがない。だけど、勉強の時だけの軽くてちっちゃな折り畳
                  みができる軽便な(同義語連発じゃんか)テーブルが欲しいってわけなんだ。彼の勤務先で
                  は英語検定何級とかいう資格が求められてるんだそうな。いあや、大変ですのう。
                   テーブルの広さは40センチ×60センチというミニサイズ。ホームセンターで売ってる折り
                  畳み脚なんか使えるわけはない。甲板が小さいから長い脚がはみ出しちゃう。これじゃまる
                  で蟹のようでみっともないことこの上もない。かといって既製の脚は高価だし重いし。って
                  ことで脚も作ることにしたんだけど、問題は脚と板の接合方法。これがどうにも無理そうな
                  ので、これが延び延びになってた大きな理由なんです。金具の取り付けに失敗の予感満載で
                  スタート
                   ホームセンターで購入したSPFなる建築材。所定のサイズに切断して。ま、ここまでは軽い
                  んだ
                   センターを出して。ここに金具取り付け用の穴を開けなければならない!
                   金具すなわちこんなボルト。これを脚に取り付けようって魂胆。上のが売ってるそのま
                  ま、下のはボルトのネジ部分をグリグリ回すためのダブルナット(二個のナットを重ねて取
                  り付ければ頭がない単なるボルトネジでもスパナで回す事ができる)を取り付けたところ。
                  当たり前だけど、上のボルトだけじゃ回して固定することなんかできないもんね。問題なの
                  は、これを取り付けるための穴開け。長い棒の切り口に穴をあける事はきわめての困難事。
                  なんせ、日本の卓上ドリルは垂直方向にしか穴は開けられませんから。今回の棒のような長
                  い材には切り口に垂直に穴はあきません。水平用の卓上ドリルなら開くんです。どうも、日
                  本では水平に穴が開けられる卓上ドリルはないみたいで、こういう場合とても困るわけで
                  す。
                   しばし考えた店主。こんなような治具(作るための道具)を作ってみました。
                   ふつうは台の上で使うバイス(別名、万力:まんりき)を垂直に固定し、それに脚を固定
                  してと思ってはいるけど、うまくゆく自信はまったくなく。でも進めなくちゃならない心境
                  はかなり心細い。
                   最後はハンドドリルで穴開けるんだけど、ハンドドリルでは垂直まっすぐに固定出来ない
                  から、少しでも垂直になるようにとこんな治具を作ってみたわけ。左側に開ける穴と同じサ
                  イズの穴を開け、これをガイドにすればいいんじゃないかとは浅はかな。わかっちゃいるけ
                  ど、これ以上のアイデアが出ないんだからしかたない。
                   固定された脚に、さらに治具を固定し、上からドリルで穴開ける。肝心のドリル本体がフ
                  ラフラしています。頼りないなぁ。失敗(まっすぐ穴が開かないこと)の予感は膨れ上が
                  る。でも進まなければならないのだ。
                   こうやってオープンレンチで回しながらネジ込んでゆきます。その際にもボルトが傾いた
                  まま捩じ込まれそうになり・・・・・・不安は陰茎のように勃起する。どう考えたって真っ
                  すぐに固定できないでしょう。わかっちゃいるけどやめられない。
                   まずは、捩じ込み完了。ボルトだけが頭を出しているんだけど、これが果たして脚にまっ
                  すぐ埋められ固定されているのかどうかわからない。ボルトの出っ張りが短いので確かめよ
                  うもないし、たとえ確かめられたとしても直しようもない。すでに入っちゃってますから
                  ね。まるでアルペンスキーの滑降競技のような一発勝負なんですわ。穴がまっすぐ開いてい
                  るのか、さらにボルトの捩じ込みがまっすぐなされているのか、二重の関門をくぐり抜けて
                  いるかどうかは、板に取り付けてみないとわかりません。
                   ボルトが取り付けられる板にはこんなように埋め込みナットが捩じ込まれている。この
                  ナットに脚のボルトをクルクル回して固定しようって算段。実は、このナットも、下穴は垂
                  直に開けられるけど、ナットそのものを捩じ込んで固定する時に傾きながらグリグリと捩じ
                  込んでしまう雰囲気がスパナを伝って私の手が感じるのです。これは怖いですよ。ちっちゃ
                  な恐怖だけど、これも一発勝負だから後には引けません。覗き込んで様子をみながら慎重な
                  作業に心がけてはいるけどはなはだ心もとないのでアリマス。
                   そんな不安をよそに出来ちゃったんです、子供が!。じゃなくてテーブルが。一見ちゃん
                  としてるように見える。けど、脚は曲がっています。どうやら、うまくいったのは2本だ
                  け。クルクル回している途中で脚の先っぽはあっちゃこっちゃ大きく回りながら捩じ込まれ
                  てゆく。悲しいのう、切ないのう。しかし、今となっちゃどうすることもできない。案ずる
                  より生むが易し、ではなく、案の定こうなっちまった。
                   塗装は油性ウレタン三回塗り。そこそこきれいな仕上がり。でもね、出来上がったものの
                  全体が軽いからフワフワして安定感はないし、脚が曲がってるし、なんだかな〜・・で。
                  どんな小さな仕事だってうまく行かないってのは気持ちが悪いもんです。こんな店主だって
                  いささかの矜持はありますからね。こんな出来でも、果たして息子は気に入ってくれるんだ
                  ろうか? 
                  まったくもって、気が晴れない・・・・・・・・・・・・・・・の、店主でした。

                  ビアンカ・オーバースタディ

                  0
                      愛用している図書館から、返却の催促があってゴメンゴメンあわてて借りていた本やらCD
                    を返しにいった。手ぶらで帰るのもなんかつまらない。といってもこれといって借りたいも
                    のもなし。久しぶりに筒井さんでもと覗いてみたら「ビアンカ・オーバースタディ」があっ
                    た。出版されていたのはブログで知ってたから手に取ってパラッとめくったら

                     ほ〜・・・・・・スペルマの大行列ですかい。こりゃ読まずにはおられませんよ。なんだ
                    い、またかいって。顔をしかめる方もおられることでしょう。でもね、もう気は引きません
                    ぜ。もう決めたんすから。誰に遠慮がいるものか。私のブログは私が決める。変態けっこ
                    う、受けて立っちゃうぞってね。昨日今日で私の心は大きく変化したんです。命短し恋せよ
                    オノコ。どんな記事を書いたところでいずれア〜ァと思う時が来るんだから、と中西龍も
                    言ってたもんね。だからさ、私の人生の一部のブログも思い通りにさせていただこうってね
                    思った次第なんです。

                     ってこと言いつつ、問題はスペルマ。スペルマといえば精液のこと? 英和辞書を引いて
                    みたらspermとある。スパームなのかな? 変だと思ってネットで調べるとラテン語の
                    sperma=精子、精液なんだね。へぇ〜ラテン語かい。原義は種子らしい。なるほどねぇ。ち
                    なみにドイツ語だとsamen(ザーメン)。これは聞いた事がある。ってことはやっぱり英語
                    での慣用はないんだ。なんか不思議だ。なんで英語が使われなかったのがさ。

                     それはそれとしてこんだけ精液に感情移入できることが素晴らしい。「哀しき」なんかよ
                    くわかるような気がする。著者の筒井康隆氏はカミさんから教えてもらったんだよね。だか
                    ら25〜26才のころからのつきあい。ちょうど今「文学部唯野教授」を再読している折もおり
                    で、両書を同時に読み進めている。唯野教授にも「勃起性の陰茎を持参してゆきます」なん
                    ていう素晴らしいギャグが頻発するんだけど、内容もまことに超絶でして、古今の文学理論
                    が講義形式で語られているの。それが実にわかりやすくアタシャ圧倒されっぱなし。第一講
                    の印象批評に始まり、新批評、ロシア・フォルマリズム、現象学、解釈学、受容理論、記号
                    論、構造主義、ポスト構造主義とまぁズラ〜と並んでいるわけです。文学の批評の歴史総ざ
                    らいはまったくもって見事なもんでね。この本から得たものは多大で店主が今まで最も影響
                    を受けた一冊のトップに挙げられるほど。この本と「残像に口紅を」を書き上げたことが原
                    因で胃に穴が二つ開いたと講演テープで言っていたっけ。ま、それほど大変だったんでしょ
                    う。

                     学校の教師たる店主、学生の作品を批評することは毎度のこと。「自分の知識や経験だけ
                    で人の作品をあれこれ言う印象批評」「あり得たかもしれないもう一つの理想的な作品、そ
                    のひとのでっちあげた架空のモデルと比べて、ここがよくない、あそこがよくないと無限に
                    ケチをつける規範批評」なんかやめようね、を学びました。それを知ってから他の先生の批
                    評が印象批評だったり規範批評だったり気が付く事が多くてさ、人の振り見て我が身を直せ
                    とばかりに戒めているわけだ。表現者たるもの批判する目を持つと作品制作の足かせになる
                    という危険性をもろともせずに突き進む氏に感心してしまいます。私は、この本で作品を批
                    評する多くの方法を獲得しましたけど、それは自分の仕事にも役立つこと多し。別にハウ
                    ツー本じゃないけどね。

                     筒井サンは今年77才かな。その年でこんなライトノベルを書けることが凄い。ブログでい
                    とうのいじさんと会ったなんて書いてあったけど、こんな絵を描く人なんだ。知らなんだ。

                     こんな表紙。手に持つ試験管には精液が入っとるんだろう

                     これが裏表紙。ビアンカ北町なる女子はとにかく全校一可愛くてさ、それが放課後に部室
                    で彼女に憧れている男子に向かって「あなたの精子ちょうだい」なんて言うんだからたまり
                    ません。多分ビアンカはヴァージン、その精子は実験に使うんです。

                     挿絵もこんなふう

                     こんなページもあったりして、実にカラフル

                     まだ途中までしか読んでいないけど、スラスラ読めてしまうから要注意。なんたってスペ
                    ルマですからね、射精までの時間は慌てちゃいけないじっくり楽しまなくちゃなりません。
                    彼の著作の中では「時をかける少女」も有名だけど、私は七瀬派。火田七瀬という人の心が
                    読める超能力少女が主人公で「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」の三部作
                    となっていて、私も私の娘も夢中になって読んでいたもんです。文学理論という硬、ライト
                    ノベルの軟、そんな硬軟を使い分けてしまうなんてことは余人では出来なかろう。まったく
                    素晴らしい資質と能力に仰ぎ見る存在なのでアリマス。

                     あぁ、私もそうありたいもんだ。家具の歴史もそこそこ知っていて、生み出す作品は軽妙
                    なものもあり重厚なものもある。なんでもござれでありたいものだ。20代のころと比べたら
                    そこそこ近づいているのかと思わないではないけど、きっとまだまだなんでしょう。そう
                    思ってりゃ間違いないことですから。でもでも言わせてちょうだいな、と私の心はついつい
                    いい気になる。この前考えたハンス・ウェグナーのテーブルは硬でFACTIOのオリジナル商品
                    は軟だと思わないでもない、と。オリジナル商品の中には化粧板ぐるりのゴミバコ(まだ公
                    にはしてない)があるんだけど、あれなんかまったくライトノベルみたいなもんじゃんか。
                    いや〜そう言っちゃいますか? 言っちゃいましょうよ、どうせ幕が降りたらそれっきりの
                    短い人生ですもの。と、これも中西龍かい!

                    ここんとこ毎日ブログ書いてるなァ〜・・・・・・・・・の、店主でした。



                    THE MULTI-ORGASMIC MAN

                    0
                        言っときますが、この記事は私が書きたくって書くんじゃない。友人T氏からメール添付で
                      送られてきたサイトが、私にコレを書かせるのだ。そりゃ、嫌いじゃない。嫌いじゃないけ
                      ど、こんな内容ばかりだとマジにちょっとオカシイんじゃないかと思われちゃう。思われて
                      もいいといえばいいんだけど。直接会う人なんかそうそういないだろうしね。でも、それだ
                      けかいって思われるのが癪にさわる。なんかまるでSEXの口寄せイタコみたいじゃん。私の
                      口を借りて語らせる、そは何者か? しかしてその実像は? あ〜ぁ、そして、ぬ〜ぅ。な
                      んのこっちゃ。ともあれ、今回の記事は思いっきり品下がりますから、それがイヤな方は読
                      まないでくだしゃんせ。

                       そのサイトはマルチプル・オーガズム開発法。http://www.geocities.co.jp/Beautycare-Venus/3214/multi.htm。なにやら怪しげな看板だけど、中味は至ってマジメなんでありま
                      す。曰く、

                       中国では3000年以上もの昔から、男性が射精を遅らせたり、抑える事でマルチプル・オーガズム(以下MO)を味わうことができることが知られていました。西洋では長い間、射精とオーガズムは同一視されてきましたが、射精とオーガズムは2つの異なった物理的作用なのです。それにも拘らず、西洋では男性の性能力はつまらない射精ばかりに重点が置かれています。本書では、オーガズムと射精を分離し、「束の間の快感しか味わえない射精」を「数え切れないほどの全身オーガズム」に変える方法を紹介していきたいと思います。
                       男性がMOを体験できるという話は、大部分の人にとっては信じがたいことでしょう。し
                      かし実は、女性がMOを体験でき、それが「普通」であると認知されたのはここ40年の話なのです。世の男性諸氏が自分達もその能力を持っている事に気づき、いくつかの簡単なテクニックを身につければ、ますます多くの男性がMOを体験できることでしょう。

                       なぬ! マジで!! いや、どーにもこれがマジみたいなんす。射精がつまらないって?
                      射精とオーガズムは違うって? なんやそれ、冗談もほどほどにしていただきたい。この道
                      数十年の私でっせ。そんなもん分けて考えられるわけがない。プロとは決して言えないけど
                      アマチュアではないだろう。一応年季は入ってるから。数百回の射精経験があるもんね。多
                      分だけど。数えたことないし。なんかだんだん声が小さくなるなぁ。それにしたってこの年
                      でMOなるものを体験したってなァ。どうなるもんでもないし、と思わないでもないけど。
                      面白そうだからドンドン読み進んじゃうのでアリマス。

                       実は、あなたはもうすでにMOを経験したことがあるかもしれません。驚くべきことに、
                      多くの男性は思春期に入って射精が始まるまではMO体質(multi-orgasmic)なのです。1940年
                      代にアルフレッド・キンゼイによって行われた調査によれば、思春期前の少年の半分以上が
                      わずかな時間の間にオーガズムを得ることができ、そのうちの約3分の1は立て続けに5回
                      以上のオーガズムを体験することができたのです。この事によりキンゼイは「性的絶頂と射
                      精はまったく独立のものであると主張するに至りました。

                       では、なぜ多くの男性はMO体質となる能力を失ってしまうのでしょうか?その理由として、「多くの男性にとって射精の体験が余りに圧倒的なためにオーガズムの体験の記憶が覆い隠されてしまう。そして、オーガズムと射精の区別が付かなくなってしまう」ということが考えられます。

                       キンゼイかぁ? キンゼイが出て来たんじゃ店主も縮こまってしまう。馬鹿者、な〜んも
                      わかっとらんくせに口答えするんじゃない!! なんて言われちまうんだろうなぁ。なんせ
                      SEXの深淵に挑んだパイオニアですからね。種の起源がダーウィンなら性の起源はキンゼ
                      イって言われても誰も異を唱えられないだろう。ウーム、じりじりと押されてしまうなぁ。
                      射精と性的絶頂は違うのか? それってどういうことなんかいさ〜。オーガズム体験の記憶
                      なんかじぇんじぇんありませぬ店主は、途方に暮れてしまうのさ。射精の圧倒的な体験かぁ
                      わかるような気がするのは私だけではないでしょう。いやはや、私の貧弱な想像力をはるか
                      に越えた言いきる名言に怖れおののいてしまうのだ。

                       長い間オーガズムは単純に性器にだけ関することであると考えられてきましたが、現在多くの研究者は「オーガズムには性器よりもむしろ脳が多く関わっている」と主張しています。脳波の研究も、オーガズムが主として脳内で起こることを明らかにし始めています。眠りながら、何にも手を触れずにオーガズムを得ることができるという事実がこの説を裏付けています(※夢精の事だと思われます)。

                       オーガズムが精神的・肉体的ともに「絶頂体験」であるのに対して、射精は単に脊柱の基部で起こる反射と精液の排出に過ぎません。訓練をつめば、あなたも射精反射を誘発することなくオーガズムを体験することを学べます。

                       性的快感は性器よりも脳で感じるのはわかるような気がするけど、性器がなくなったとし
                      たら、あるいは性器を介在させなくても、脳だけで快感は得られる? なんか哲学の話しの
                      ようでわかるようなわからないような。そういえば、性のフィールドワーカーの第一人者・
                      斉藤綾子女史によると、電車でつり革にぶら下がっている時に空想するだけで性的絶頂を体
                      験出来るって言ってたもんね。女性ならそれが出来て男性は出来ないなんてことはないとい
                      うのが正論なのかもしれない。けど、私の物足りない脳みそじゃ隅々までほじくったってそ
                      んな感じはこれっぽっちも出てきやしませんよ。でもさ、精液の排出なんて言われちまうと
                      なんか悲しいなぁ。悲哀を感じますよ。可哀相じゃないか、精液がさ。

                       医師でもあったタオイズムの導師達は、健康に関する大きな関心事としてセクシャリティに興味を抱いていました。彼らは射精が体力を奪うことを発見したため、セクシャル・クンフーを修行しました。あなたもきっと、射精後の疲労感、エネルギーが奪われた感じに気づいていることでしょう。西洋の民間療法も、性エネルギーの保持の重要性についてはタオイストと同じ見解です。アスリートは昔から射精後の脱力感や体力の消耗を知っていましたから、大事な試合の前の晩はセックスを控えたのです。

                       プロのアスリートは射精の影響をよりよく知っているでしょうが、男性なら皆射精時の体力の消耗を経験していることでしょう。西洋では射精は男性の興奮が高まった末の避けられない結果であり、セックスの終わりであると考えられています。一方中国では、医師は射精を「小さな死」と呼んでいました。男性の快感の終わりであり、体力を消耗することからこう呼ばれているのです。

                       この一文を読んで探したんだけど見つからなかったのよね。ある切り抜きがさ。それはオ
                      リンピック村では競技の前日の夜SEXの饗宴があるってことだった。世界的なアスリートが
                      密集している状況ですし、競技の前に興奮した精神と身体をSEXで鎮めることはいかにもあ
                      りそうなことだし。柔道の谷亮子(旧姓・田村)ちゃんは男殺しで居並ぶ柔道選手を食べ
                      ちゃった、ある選手と風呂の中でイタしていたところが見つかっちゃって。なんて話しも
                      あったけど、関係ないか。でもオリンピック村のこれ、どうもホントの話しなんす。なんか
                      わかるような気がしてね。でも、これは女性のことなんかな。主導権は女性にあり! なん
                      てね。男はどうしたって疲労感は残るからさ。

                       MO体質になるには、興奮が高まるスピードに気づく必要があります。ほとんどの男性は興奮の度合いといっても興奮しているかいないか、勃起しているかいないかしか知らないでしょう。しかしタオイストたちは、実際には勃起には4段階あることを知っていました。それはfirmness,swelling,hardness,heatの4つです(※訳者注:すみません。微妙なニュアンスの違いが分からず、うまく訳せませんでした)。あなたの勃起は単なる付属物ではなく、興奮の度合いを反映して変化するのです。

                       調べてみましたよ。勃起の4段階。firmness:堅さ、swelling:膨張、hardness:硬度、
                      heat:熱する。辞書で引いただけの直訳です。けど、なんとなくは理解出来る。とはいえ、
                      そんな違いが実感できる気がしません。勃起は勃起ですからね。4つの段階は一挙に起こる
                      てなもんですよ。まったくこれは焙煎してもらった珈琲豆の違いがわからないとか高価な豆
                      腐の味の違いがわからないと同じような。わかる人は味覚が敏感? 違いがわかる男のゴー
                      ルドブレンド? 

                       前立腺は骨盤の中央部、恥骨のすぐ後ろ、会陰のすぐ上に位置する器官です。前立腺は女性のGスポットと同じように、しばしば性的刺激に対してとても敏感な器官です。そのため「男性のGスポット」とも呼ばれます。女性のGスポットと同じく、興奮が高まりオーガズムに近づくにつれてだんだん敏感になっていきます。前立腺は、会陰から間接的に、または肛門から直接刺激することができます。

                       いろいろな論文?があるんだけど、やはりというか出てきたのが前立腺。上述の斉藤綾子
                      女史に対して男性ならなんといっても松沢呉一氏。その彼が実体験を述べていたことを思い
                      出す。かねてより前立腺の威力はものすごく、その威力たるや「勃起しないで射精してしま
                      う」ほどだという伝説を実証すべく試してみた。とある専門女性に肛門から指を入れても
                      らったところなにも感じない。感じないどころかウンコが出そうだし気持ちも良くないと。
                      体質によって感じる方と感じない方がいるんですよ、なんて言われてしまった。結局、その
                      威力を感じる事ができないままに何も得る事のないままに引き下がってしまったのだ。

                       思った通りなんだかとりとめのない内容になってしまいました。ごめんなさい。オーガズ
                      ムもわからないなんちゃってなお子ちゃまはこの程度なんです。笑ってくだされ、バカにし
                      てけっこう。な〜んも言えません。それにしてもこんなサイトを探すT氏ってどうなの? ど
                      うやったらこんなサイトをめっけられるの? そっちのほうが怪しいんじゃないかい。

                      性は深淵にして未知なるもんだと・・・・・・・・知った、店主。それで、どうなの?



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