大海に泳ぎ出たMJB
車に持ち込み、運転しながら聴いたのがMJBことメアリー・J・ブライジ。いやまったく
これがスバラシイんで仰け反り、もう少しで電柱にぶつかるとこだった。ウヘッ! 選曲、
アレンジ、歌唱すべてにおいて満点きわまりなし。運転しながらで2〜3回、学校で1回、
帰りの車中で1〜2回、そして今も。立て続けに6〜7回も聴いちまった。近年稀に見る
出来事感動であることは間違いナス。
ジャケットはこれだし。白い毛皮に包まれてちょっと哀しげな目元が印象的。あぁ、
我が腕に抱きしめてあげたくなってしまう。改めて惚れ直してしまったもんだ。
クィーン・オブ・ヒップホップ・ソウルと呼ばれて久しい彼女、BSのソウル・ディープ
で知って以来多くのアルバムを買い続けた店主。ブラック・ミュージックの正統な継承者
であり、黒人のリズム(ラップ)とソウルのメロディを合体させ新しい音楽ジャンルを
切り開いた功労者でもある。最近リリースされたこのアルバムは彼女の新境地であること
は間違いないだろう。音楽を聴き続けて50年の私だけど、しょせん素人愛好家の私だけど、
今、最高の一枚一押しの一枚であることも疑う余地はない。誰がなんと言おうと、だ。
帰りの車中で聴いてたら誰かとデュエットしているように聴こえる7曲目のWhen YOU
WISH upon a star。はて、誰かと裏面を見たらば、ぬゎんとバーバラ・ストライザント
じゃんか。げっ、バーバラとデュエットかい。あの、バーバラが一緒に歌うことをOK
したってことは彼女に認められたってことの証だもんね。良かったねメアリー、嬉しかった
んじゃないかい。彼女を含め4人とデュエットしてるんだ。いずれも、まことにけっこう。
文句をつける隙き間はこれっぽっちもありませんぜ、姉御(っていっても年下だけどさ)。
輸入版だ。中はこんな写真が。ゴージャスだぜ。キレイじゃんか。化粧上手いじゃんか。
クリスマスアルバムは数枚持っている。数えてみたらごちゃ混ぜオムニバスが6枚、
個人のは2枚だった。マライア・キャリーとディスティニー・チャイルド。マライアのは
1994年だから19年前、私にとっては思い出てんこ盛りのアルバムでなかなか聴く事が
できない。そのワケは?・・・・・・・言えねえ言えねえ、もう言えねえ。
このアルバムもかなりのもんだったと思っているし、
デスチャのもけっこうな出来映えだったけど
MJBを聴いてしまったらもうイケマセン。どけ、どけ、そこのけ、メアリーのお通りだい。
あまたのクリスマスアルバムを蹴散らして、夜空に輝くワンスター。眩しいのうなんだわさ。
近頃、私が聴くのは昔の人ばっかりでさ、たまに新しい曲でも昔の曲となんらかの関わりが
あるものばかり。最近の音楽と離れてゆくようで寂しい気持ちもあったんだ。結局、昔を
懐かしがるだけなのかい、老人だから懐古趣味にふけるってことかい、なんてね。言われて
しまっても返す言葉もない。心で違うんだってば、とつぶやいたところで結果が物語ってる
からね。そんな私にとって、直近の音楽で私が感動にふるえる体験が出来てることは、実に
そのう、まことに、かなり、相当な、ことなわけ。で、また最初っから聴き始め、これで
9回目になるのか。聴けばきくほど「だんだん良くなる法華の太鼓」ってか。
で、大海だ。今まではヒップホップ・ソウルという広大な音楽ジャンルの一分野、いわば
大海の一部としての湾の中で育てられ、大魚となったMJB。出自がヒッポホップだから
リズム主体、それにメロディが乗るという楽曲が多かったけど、今回はのっけからストリングス
が前面に押し出されてリズムは後ろに控える。ヒップホップとは真逆のストリングスの多用や
バック・コーラスもアメリカ伝統の美しいハーモニーだから昔からのファンの中には不満を
漏らす方々も多いのではないか。でも、ヒップホップをもっと中央に押し出すには一部の
ファンだけじゃアカン。土俵の中央に出て行かなければ黒人音楽、ひいては黒人の存在を
アッピール出来ないし、地位の向上もないと思ったんじゃないのか。真摯な生き方を求め、
黒人の魂をなによりも尊重するメアリーならば、そんなことを考えたって不思議じゃない。
そのためならば甘いメロディ、美しいハーモニー、有名な曲だって歌ってやろうじゃないか。
すでに我々黒人はアメリカのマイノリティじゃない! そんな志しが透けて見えるようだ。
ウィキペディアで調べたら、1971年1月11日生まれの彼女。なんだ、私とおんなじ2の系数
じゃん。毎度おなじみ、この系数。五味康祐氏による相学の重要ポイントだ。この系数に
よれば彼女の運命の年令は11,16,20,23,25,29,34,38,47,52,56,62,70。デビューは1992年
だから21才、94年に2枚目のアルバムがプラチナになって、これが23才。2001年には
復活アルバム「ノー・モア・ドラマ」が30才。そしてこの「A MARY CHRISTMAS」が
42才。なんだ、ぜんぜん当たっていないじゃんか。ってことは何かい、外人は違うって
ことかい。あるいはメアリーにとっちゃ音楽っていうのは人生を左右するもんじゃないって
ことかい?
コレを共に聴く人はクリスマス迄には出現しないだろう・・・・・ア〜ァな店主でした。
- 2013.10.28 Monday
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- 23:37
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- by factio