心晴れ晴れなのだ
昨日の午後3時、所は水道橋にある東京デザイナー学院の地下木工室。受け持ちの
学生の卒業制作の最終組み立てに立ち会う。ちゃっこいけど運命の一瞬だ。この作品、
折り畳みスツールなんだけど、座るようにする最後に革で締め上げなくちゃならない。
木の部分を担当したアシスタントのI川君が締め上げる一瞬を固唾を飲んで見つめてる。
作品の搬入は今週末の土曜日だから、もしこれがうまくゆかなかったら一巻のオワリ。
今までの苦労が水泡に帰す。部品をボルトで組み、革を引っ掛けて、ジワジワを力を
掛けてゆく。いや〜恐いでっせ、これは。革を引っ掛けるギボシが抜けるんじゃないか?。
その前に試した時は、ギボシのボルトがひん曲がってしまったかんね。軽荷重用だから
ボルトが耐えられないんだ。それを太くして真ちゅうを鉄に換えたけど、それが耐えられる
かどうか・・・・・・・わからないのよね。
それが見事というかギボシ君は平気な顔で、「へっちゃらさ」って感じ。みるみる
I川君の顔に満面の笑みが浮かび心は晴れ晴れ。三人は固い握手を交わし、抱き合って
喜んだ(なんてことはない)。一般的に卒制作品というものはジワジワ完成に近づいて
ゆくもんだ。部品を組み合わせて一気に組み上げる、しかも可動部分があり、さらに
締め上げる、それが革という自然素材が相手、ということなんかめったにあること
じゃないから、緊張はいやが上にも高まる。もしも、壊れたり緩すぎてヘナヘナに
なったらという不安を抱えながらの作業のドンズマリ。傍で見てるアタイも緊張しました
ワイな。ヨカッタヨカッタ、一同胸をなでおろし、大団円となり、FITでTINAを
聴きながら帰ったのさ。
さてと、依頼されてた美容院の看板でも考えべ〜か。以前も美容院の受付カウンターを
頼まれて作ったことがあるけど、これはそれとは別のもの。目黒に開店した美容院、看板が
ないからなんの店だかわからない。そこで置き残された木枠を使って看板を作りたい。
まだ若い美容師が初めて持った店だから当然予算はない。しかも、看板の知識や技術なんか
まったくないから自分で考えて誰かに作ってもらうことなんか出来ないんだ。デザインも
できて作れる、こういった仕事が私に舞い込むわけ。なぜなら、そういったどっちもできる
言い換えれば中途半端な人はそうそういないから。デザインを考えることと実際作れること
はなかなか両立しないようで、私の周囲にもあまりいないみたいだし。
予算がない、出来ればタダでなんだろう。こっちだってかなり中途半端な仕事だから
幾ら請求していいかわかんない。こういうときによく提案するのは物々交換。相手が
美容院だからカットしてもらって相殺しちゃおうって寸法だ。お互いの出費も減ずるし。
この方法、今行きつけの美容院の棚を作ったときにも使った手口で相手も喜んでくれたの。
なんてことを言ったらたちまちOKが出てしまった。でも一回分のカット料金じゃ安すぎて
相手に心の負担をかけてしまうかも。ってことで一回だけカット+髪を染めることで妥結。
そこで何色に染めればいいのか? という次の問題が浮上する。すでに薄くなった私の
毛髪、染める意義はあるんだろうか? かなり以前、茶色に染めたことがあるんだけど
禿げているから誰も気が付かなかったという哀しい思い出がある。いっそ金髪ってのは
どうだろか? 銀髪なんかあるんかいな? 緑や赤はさすがに気が引ける。いくら私でも
そこまでの勇気はない。いくらしばらく経てば元に戻るとはいえ、いくら出歩かないから
といっても、八百屋のおかみさんや魚屋さんで買い物するからさ。間違いなく変な目で
見られます。それに、なんたってカミサンがまた変なことやってるって思うだろう。
それでなくとも私の服装を見て一緒に歩きたくないと言ってるほどだから、薄い髪を
染めたらそんな態度に拍車がかかること間違いない。
若い頃はこんなじゃなかった。マジメで内気なタチだった。どうしてこんなふうに
なったんだろう。いつからこうなったんだろう。目立ちたいモテたいという気持ちは
心の中で充満してたけど、表に出す事なんかできなかったウブなアタイだった。それが
どうだ、今じゃ日に日に過激なってゆくんだから人ってのはわからないもんだ。若いとき
にやれなかったことを片っ端からやり倒すみたいな。後がないし、どう言われたってイイ
恐いものはないみたいな、どうせ幕が降りたらそれっきりの人生みたいな、仰ぎ見る
大先達のTINA TURNERを知った今、突っ走りけっこう、ジロジロ見られることも頓着
せずに我が道を歩けるお年頃になったというわけか。
ってなこと言って、その気になって・・・・・・・・・・・な、店主でした。
学生の卒業制作の最終組み立てに立ち会う。ちゃっこいけど運命の一瞬だ。この作品、
折り畳みスツールなんだけど、座るようにする最後に革で締め上げなくちゃならない。
木の部分を担当したアシスタントのI川君が締め上げる一瞬を固唾を飲んで見つめてる。
作品の搬入は今週末の土曜日だから、もしこれがうまくゆかなかったら一巻のオワリ。
今までの苦労が水泡に帰す。部品をボルトで組み、革を引っ掛けて、ジワジワを力を
掛けてゆく。いや〜恐いでっせ、これは。革を引っ掛けるギボシが抜けるんじゃないか?。
その前に試した時は、ギボシのボルトがひん曲がってしまったかんね。軽荷重用だから
ボルトが耐えられないんだ。それを太くして真ちゅうを鉄に換えたけど、それが耐えられる
かどうか・・・・・・・わからないのよね。
それが見事というかギボシ君は平気な顔で、「へっちゃらさ」って感じ。みるみる
I川君の顔に満面の笑みが浮かび心は晴れ晴れ。三人は固い握手を交わし、抱き合って
喜んだ(なんてことはない)。一般的に卒制作品というものはジワジワ完成に近づいて
ゆくもんだ。部品を組み合わせて一気に組み上げる、しかも可動部分があり、さらに
締め上げる、それが革という自然素材が相手、ということなんかめったにあること
じゃないから、緊張はいやが上にも高まる。もしも、壊れたり緩すぎてヘナヘナに
なったらという不安を抱えながらの作業のドンズマリ。傍で見てるアタイも緊張しました
ワイな。ヨカッタヨカッタ、一同胸をなでおろし、大団円となり、FITでTINAを
聴きながら帰ったのさ。
さてと、依頼されてた美容院の看板でも考えべ〜か。以前も美容院の受付カウンターを
頼まれて作ったことがあるけど、これはそれとは別のもの。目黒に開店した美容院、看板が
ないからなんの店だかわからない。そこで置き残された木枠を使って看板を作りたい。
まだ若い美容師が初めて持った店だから当然予算はない。しかも、看板の知識や技術なんか
まったくないから自分で考えて誰かに作ってもらうことなんか出来ないんだ。デザインも
できて作れる、こういった仕事が私に舞い込むわけ。なぜなら、そういったどっちもできる
言い換えれば中途半端な人はそうそういないから。デザインを考えることと実際作れること
はなかなか両立しないようで、私の周囲にもあまりいないみたいだし。
予算がない、出来ればタダでなんだろう。こっちだってかなり中途半端な仕事だから
幾ら請求していいかわかんない。こういうときによく提案するのは物々交換。相手が
美容院だからカットしてもらって相殺しちゃおうって寸法だ。お互いの出費も減ずるし。
この方法、今行きつけの美容院の棚を作ったときにも使った手口で相手も喜んでくれたの。
なんてことを言ったらたちまちOKが出てしまった。でも一回分のカット料金じゃ安すぎて
相手に心の負担をかけてしまうかも。ってことで一回だけカット+髪を染めることで妥結。
そこで何色に染めればいいのか? という次の問題が浮上する。すでに薄くなった私の
毛髪、染める意義はあるんだろうか? かなり以前、茶色に染めたことがあるんだけど
禿げているから誰も気が付かなかったという哀しい思い出がある。いっそ金髪ってのは
どうだろか? 銀髪なんかあるんかいな? 緑や赤はさすがに気が引ける。いくら私でも
そこまでの勇気はない。いくらしばらく経てば元に戻るとはいえ、いくら出歩かないから
といっても、八百屋のおかみさんや魚屋さんで買い物するからさ。間違いなく変な目で
見られます。それに、なんたってカミサンがまた変なことやってるって思うだろう。
それでなくとも私の服装を見て一緒に歩きたくないと言ってるほどだから、薄い髪を
染めたらそんな態度に拍車がかかること間違いない。
若い頃はこんなじゃなかった。マジメで内気なタチだった。どうしてこんなふうに
なったんだろう。いつからこうなったんだろう。目立ちたいモテたいという気持ちは
心の中で充満してたけど、表に出す事なんかできなかったウブなアタイだった。それが
どうだ、今じゃ日に日に過激なってゆくんだから人ってのはわからないもんだ。若いとき
にやれなかったことを片っ端からやり倒すみたいな。後がないし、どう言われたってイイ
恐いものはないみたいな、どうせ幕が降りたらそれっきりの人生みたいな、仰ぎ見る
大先達のTINA TURNERを知った今、突っ走りけっこう、ジロジロ見られることも頓着
せずに我が道を歩けるお年頃になったというわけか。
ってなこと言って、その気になって・・・・・・・・・・・な、店主でした。
- 2014.01.31 Friday
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- 10:55
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- by factio