本業に精励しとるんダ
悠久の宇宙の時間の流れ、広大無数の銀河の隅っこの隅っこの隅っこであるところの
太陽系、の中の三番目の恒星「地球」、その地表に張り付いてる大陸と海、そのなかの
アジア辺境の海中に屹立する日本、さらに拡大し続けてゆけば、東京と神奈川の境に
位置する大田区は下丸子の地下、もうこれ以上は小さくなりようもない部品との格闘記。
いや〜、かなり大袈裟で失礼。なんも宇宙を持ち出すほどのことはありませんのや。
かなり以前に、わざわざ岡山から来店されたお客様、ツマミを探して三千里。乱雑な
店内を見回し、あれこれ手に取って、リフォームする家に合うツマミを探索したの。
でね、結局2種類を選んでくだすったワケだ。この2種類いずれも既製品ではなく、
当店のオリジナル。とはいえ、小さな塊だけの未完品。良いツマミになるだろう、と
思っていたんだけど面倒くさくて加工しないで幾星霜。ついにやらねばならない時は
至るってなもんだ。
一つはこれ。正真正銘のガラス球。とてもキレイでっせ
裏返すと穴だけが開いてる未完品。この穴にネジが取り付けられるようにせねば
ならんのだ。穴の直径はおよそ8ミリ、以前使った8ミリの長いボルトを仕込めば
使えるようになるけど、板に取り付けたあとで切断しなくちゃならないからきわめて
不親切。ならば、この穴に埋め込みナットを付ければいい。でも埋め込みナットの
直径はデカいし、周囲にギザギザがあるから削りとらねばなりませぬ。ああ、無情。
埋め込みナットはこんなもん。ね、ギザギザあるでしょ。
このギザギザをサンダーなる機械で研磨し周囲を丸棒状にする。勢いよく回転する
サンドペーパー、にナットをこすりつけながら少しずつ回転させつつ。でもね、
ちょっとでも強く当てると肝心の埋め込みナットそのものが回転してしまい、あっと
言うまに飛び出していっちゃうんだ。ちんこいからさ、飛んだが最後探すことなんか
絶対にできやしない。ウ〜ム、なかなかムズカシイのう。
試す事二度三度、そして四度五度。ようやくなんとかガラス球の穴に入るように
削る事ができ、二液性のボンドでくっつけるところまで行き着いた。ここでガラスの
穴の深さが一様でないことに気が付いてさ、浅すぎて埋め込みナットが埋没できない
んだ。ありゃ〜、マジで! 依頼されたのは3個だけど、たまたま一個が浅い。オー
マイゴッド!! 3個作ってもまだ3個残ってる。その中から1個使えば残りは2個。
こんなガラス球のツマミ欲しがる人なんかそうそういないだろうし、接着しただけ
だからイマイチ不安は残る。ってことで予備を含めて6個作って差し上げた。
そしてもう一種。卵形で木製、ベルリンで買い求めて幾星霜(こればっかりだな)、
を4個所望されてしまった。むろん取り付けナットは付いてない。これを着色して
穴をあけ、埋め込みナットを取り付ける。
染料に浸けることおよそ一時間。ふだんは刷毛でちょちょいのチョイだけど、
なんたって触る頻度の高いツマミだから出来るだけ時間は掛けたいってもんだ。
ナット取り付けはこんな感じだ。周囲が欠けてるのはサンプルだからだ。本チャンは
もっときれい。
ハイッ! 4色のツマミが染め上がった図。これに仕上げをする。透明塗料を、と
思ったんだけど色が変わってしまうしうまくゆく自信がないから木ロウ仕上げ。一回
着色の後耐水ペーパー1500番で毛羽立ちを取り去り、さらに着色&着色。で、最後に
木ロウをこすりつけて磨き、イボタロウで磨き。小さくて丸っこいからうまく磨けない。
といっても長時間の仕事ではないから、ま、カンタンっていえば簡単なんだけど。
これが私の本業なんだろう。でもなぁ、お金のことは言いたくないけど、このツマミ
幾らなら妥当なのかわからない。木の方はいいとこ500円くらいなんじゃないか。ガラス
だって3000円っていったら仰け反るんじゃないか。一般的なツマミに対する評価は
低くていいとこ数百円、高くても2000円ってとこ? しかも大嫌いな磨き作業だから
どうしたってやる気は萎縮してしまいます。ツマミの店として看板を出しておよそ10年、
アイデアは良かったけど肝心のアタイの根性が極小ときたもんだから、この始末。
来店される方は拒まないけど、微弱で貧相な当方の技術とアイデアとやる気を理解
した上で覚悟を持って来店していただきたいものなんだわさ。チャンチャン。
ってことで、次には棚作りが控えとる・・・・・・・・・・・な、店主でした。
太陽系、の中の三番目の恒星「地球」、その地表に張り付いてる大陸と海、そのなかの
アジア辺境の海中に屹立する日本、さらに拡大し続けてゆけば、東京と神奈川の境に
位置する大田区は下丸子の地下、もうこれ以上は小さくなりようもない部品との格闘記。
いや〜、かなり大袈裟で失礼。なんも宇宙を持ち出すほどのことはありませんのや。
かなり以前に、わざわざ岡山から来店されたお客様、ツマミを探して三千里。乱雑な
店内を見回し、あれこれ手に取って、リフォームする家に合うツマミを探索したの。
でね、結局2種類を選んでくだすったワケだ。この2種類いずれも既製品ではなく、
当店のオリジナル。とはいえ、小さな塊だけの未完品。良いツマミになるだろう、と
思っていたんだけど面倒くさくて加工しないで幾星霜。ついにやらねばならない時は
至るってなもんだ。
一つはこれ。正真正銘のガラス球。とてもキレイでっせ
裏返すと穴だけが開いてる未完品。この穴にネジが取り付けられるようにせねば
ならんのだ。穴の直径はおよそ8ミリ、以前使った8ミリの長いボルトを仕込めば
使えるようになるけど、板に取り付けたあとで切断しなくちゃならないからきわめて
不親切。ならば、この穴に埋め込みナットを付ければいい。でも埋め込みナットの
直径はデカいし、周囲にギザギザがあるから削りとらねばなりませぬ。ああ、無情。
埋め込みナットはこんなもん。ね、ギザギザあるでしょ。
このギザギザをサンダーなる機械で研磨し周囲を丸棒状にする。勢いよく回転する
サンドペーパー、にナットをこすりつけながら少しずつ回転させつつ。でもね、
ちょっとでも強く当てると肝心の埋め込みナットそのものが回転してしまい、あっと
言うまに飛び出していっちゃうんだ。ちんこいからさ、飛んだが最後探すことなんか
絶対にできやしない。ウ〜ム、なかなかムズカシイのう。
試す事二度三度、そして四度五度。ようやくなんとかガラス球の穴に入るように
削る事ができ、二液性のボンドでくっつけるところまで行き着いた。ここでガラスの
穴の深さが一様でないことに気が付いてさ、浅すぎて埋め込みナットが埋没できない
んだ。ありゃ〜、マジで! 依頼されたのは3個だけど、たまたま一個が浅い。オー
マイゴッド!! 3個作ってもまだ3個残ってる。その中から1個使えば残りは2個。
こんなガラス球のツマミ欲しがる人なんかそうそういないだろうし、接着しただけ
だからイマイチ不安は残る。ってことで予備を含めて6個作って差し上げた。
そしてもう一種。卵形で木製、ベルリンで買い求めて幾星霜(こればっかりだな)、
を4個所望されてしまった。むろん取り付けナットは付いてない。これを着色して
穴をあけ、埋め込みナットを取り付ける。
染料に浸けることおよそ一時間。ふだんは刷毛でちょちょいのチョイだけど、
なんたって触る頻度の高いツマミだから出来るだけ時間は掛けたいってもんだ。
ナット取り付けはこんな感じだ。周囲が欠けてるのはサンプルだからだ。本チャンは
もっときれい。
ハイッ! 4色のツマミが染め上がった図。これに仕上げをする。透明塗料を、と
思ったんだけど色が変わってしまうしうまくゆく自信がないから木ロウ仕上げ。一回
着色の後耐水ペーパー1500番で毛羽立ちを取り去り、さらに着色&着色。で、最後に
木ロウをこすりつけて磨き、イボタロウで磨き。小さくて丸っこいからうまく磨けない。
といっても長時間の仕事ではないから、ま、カンタンっていえば簡単なんだけど。
これが私の本業なんだろう。でもなぁ、お金のことは言いたくないけど、このツマミ
幾らなら妥当なのかわからない。木の方はいいとこ500円くらいなんじゃないか。ガラス
だって3000円っていったら仰け反るんじゃないか。一般的なツマミに対する評価は
低くていいとこ数百円、高くても2000円ってとこ? しかも大嫌いな磨き作業だから
どうしたってやる気は萎縮してしまいます。ツマミの店として看板を出しておよそ10年、
アイデアは良かったけど肝心のアタイの根性が極小ときたもんだから、この始末。
来店される方は拒まないけど、微弱で貧相な当方の技術とアイデアとやる気を理解
した上で覚悟を持って来店していただきたいものなんだわさ。チャンチャン。
ってことで、次には棚作りが控えとる・・・・・・・・・・・な、店主でした。
- 2014.07.31 Thursday
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- 11:11
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- by factio