インターネットラジオ

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     常に音楽を楽しむ店主、仕事中は100%聴きながらということになる。CDを聴く
    こともあるけどフツ〜はネットラジオ。パソコンのイヤホン端子からアンプに繋いで
    いたんだ。なんか音質がイマイチだなぁと思いつつ。何回となく、アンプ師匠・
    mazdaluce3000氏の工房でいろいろおせ〜てもらってはいたけど、よくわかんないし
    面倒だしってことで、そのまま聴いていたわけ。

     そんなおり、mazdaluce3000師の古くからのお客さんが名古屋から当地来訪、
    師と三人でしばし歓談。あれこれ話題に枝葉が伸びて、デジタルアンプの話になった。
    耳にはしていたけど試すことのなかったデジタルアンプ、その値段を聞いてビツクリ。
    3000円程度!らしい。さらにDACなるちっぽけな機械?がある。これも名前だけは
    聞いた事がある。で、それは数百円からあるとのこと。DACはパソコンのイヤホン
    端子からではなくUSBに差し込んで、それをアナログに変換するモノ、つまりは
    USB端子から音を拾ってアンプにつなげて音が出るってこと。誰が考えても
    イヤホン端子よりもUSB端子のほうがイイ音に決まってる、常識だろう。

     で、モノは試し、買う事にした。Amazonで調べたらあるわあるわ。こりゃ大変、
    どれを買ったらいいかわかんない。ってことで師にアドバイスを乞い、指示通りGET。
    私よりも知識経験がある方には平身低頭だからさ。すぐに届き、さっそく試聴。

     まずはDAC。明らかに音はイイ、断然だ!。低音が全然違います。3000円程度で
    この違い、オーディオの世界じゃ奇跡に近い。抜群のコストパフォーマンスと断言
    できる。そしてデジタルアンプ。これも3600円ちょっと。ウ〜ム、唸ってしまう。
    イイんだ、これが。今までのアタイの出費は一体なんだったのか、あくせくあれこれ
    少ない資金をやりくりの数十年が一瞬にして蒸発してしまう気がする。BGMで聴く
    には充分じゃないか。なんてこったい。

     しばらくして、前々回記事にしたように、バランチェッタで使っていたアンプが
    不調になり、私が使っていたアンプと入れ替え、不調なアンプが手元に戻ってきて、
    聴いてみた。入れ替えたアンプの入手金額は約5万円、戻ってきたのが約10万円。
    デジタルアンプの14倍と28倍の金額差。じゃあ、14倍28倍イイ音がするかというと
    さにあらず。それほどの違いはない(と私は思う)。そりゃ見た目は違うけどさ。
    デジタルアンプはおよそタバコサイズ、一方は真空管だからね。でも、そんなこたぁ
    ど〜でもいい、カッコの違いは気にならない、音楽が聴ければいいんだという方には
    どうってことのない違いだ。さらに狭い机の上にはコンパクトサイズのほうがいい
    という事情もあるでしょう。

     そしてさっき、別のアンプに繋いで聴いてみた。YAMAHA B−2だ。師の改造に
    よるもので出力トランジスタが違う。入手金額は25万円。ぬわんとデジタルアンプ
    の70倍の金額差。出力は、25万のが250W、10万のが7W、5万が1.7W、そして
    デジタルアンプが5W。出力はカンタンに言えばどれだけ大きな音が出せるかと
    いうこと。スピーカーの能率(小さな出力でも大きな音が出せるか否かってこと)
    とも関係するが。単にデカイ音がだせるかどうかなんて単純なことではないけど、
    ま、そこはど素人ってことで。

     さて、25万円で手に入れたB−2はどうか? いやもう全然違うんだ。イイなんて
    もんじゃない。ものすごくイイ、素晴らしくイイ、どんな人でも(といっても
    ある程度音質に興味のある方という限定だけど)この違いはわかるだろう。何が?
    って。使い古された表現だけど、音の厚みが違う、臨場感が違う、低音から高音まで
    すべてのクオリティが違う。思った以上に違うんでビックリ、そして満足会心の
    微笑み。ネットラジオがこんなにも素晴らしい音で聴けるなんて、ボカァしあわせ
    だなァ。まったく良い時代になったもんだ。

     スピーカーは、オンキョーのD-150(Liverpool)とD-102CM。4つのスピーカー
    を前後に置いて、特別な配線で4チャンネルに。その昔、疑似4チャンネルと称し
    配線だけで4チャンネルが可能になる。専用のアンプ不要だから安価で手軽。前の
    スピーカーと後ろのスピーカーの音の出方が異なり、臨場感が増すのが特徴。これ、
    いいでっせ。特にライブ音源は抜群でっせ〜。知りたい方教えまっせ〜〜〜〜〜。

    ってなこと言いつつ年末カウントダウン・・・・・・・な、店主でした。

     

    訃報にレクイエム

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       昨晩、携帯に着信、気が付いたのは夜。見覚えのない番号、はて、誰?
      こういった場合ほとんど無視なんだけど、ひょっとしてアンプの師匠の新しい携帯か、
      と思って電話したら、案に相違して母の郷里の従姉妹だった。実家の本家を継いでいる
      従姉妹、近所に住んでいる分家のこれまた従兄弟が亡くなったことの連絡。

       ウ〜ム・・・・・・・・まだ若いじゃんか。聞けば私より三歳年上の68才、ひと昔前
      なら当たり前だったけど、今では若死にと言われる年齢だ。葬儀のことや死因なんか
      あれこれ話して電話を切る。しばし感慨にふけってしまった。実家には一歳違いの年下
      年上の従兄弟がいて、子供のときに帰省しては川に泳ぎに行った。一夏毎日。それを
      引率していたのが亡くなった従兄弟。子供心ながら「しっかり者」の印象が強く、
      高校生の時には東京オリンピックの聖火ランナーにもなった。家業を継ぎ、結婚して、
      子を生し、そして亡くなった。どこにでもある人生だけど、子供のときに遊んだこと
      しか記憶にはないけど、物思いにふけってしまう。人の人生を俯瞰して見るような感じ。

       一夜明けた今、せめてもと思ってモーツァルトのレクイエムを聴く。それを聴きつつ
      ブログを書いている。最近読んだ筒井康隆のブログで、いよいよ本人の訃報が届き
      始めたとあった。以前は家族(祖父母や父母)だったけど、それが本人になったことの
      少なからずのショック。おなじことを感じた。ああ、いよいよか。急に死の影が忍び寄る。
      父母はすでに物故し、姉もずいぶん前に亡くなっている。家族は私一人になっている。
      普段はそんなこと忘れているけど、改めてこんな私でも考えてしまう。

       人間はいつかは死ぬ、そんなこたぁ当たり前のこととして頭ではわかっている。でも、
      それはあくまでも頭で理解していることであって、身体でわかってはいない。どこか
      上の空で、実感するってことではない。父の死、姉の死、母の死、それぞれ体験した。
      そして今回の従兄弟、こうして人の死に立ち会うことが多くなるにつれて、死は身近に
      なり、恐さも薄れる。ような気がする。

       話は変わるけど、過日行き付けの美容院で手にとった雑誌。雑誌名は忘れたけど、
      中の一文にカンドーして思わずメモ。
       正しくなされしもの ささやかなりしとも すべて気高し

       ヘンリー・ロイスだ。あの、ロールス・ロイスの創始者。なんて素晴らしい一文、
      ほとんど感動してしまったじゃないか。原文は、
       Whatever is rightly done, however humble, is noble 
       

       正しいとは一体何に対してか。それは問題だ、人によって違うもんね。それぞれには
      それぞれの正しさががある。そんなことはわかってる。けどさ、つぎの「ささやかなり
      しとも」が続くから、正しさは自ずと限定されるっていうか、ある方向のものだと推測
      されるだろう。それは多分私が想う「正しさ」であるに違いない。書けばなにやら
      もったいぶった感じになるけど。

       私の考えや行動の根底に流れているモヤモヤした感じをこの一文は見事に言い当てて
      気持ちスッキリ。私のこれまでと今が肯定されていて、ほのかな自信も湧いて来るって
      もんだ。あくまでも想像でしかないけど、従兄弟の人生もこのようなものであったに
      違いない。市井の多くの人々も同じようなものであるに違いない。そして、わたしも
      そうでありたいと願うばかりだ。

      さ・て・と、多少の掃除でもすっぺか・・・・・・・な、店主でした。

       

      カウントダウン年末

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         今日は25日、昨日は24日、きっと楽しいひとときを過ごされた仲良しカップルも
        大勢いたことでしょう。戦争なんかより二人でいちゃつくほうがなんぼかイイ、と
        言ってた人もいたけんど。まさにその通りで。最近、ふと脳裏に浮かんだ「仲良し」。
        友人じゃそっけない、知人は関係がさらに遠のく、彼氏や彼女となると限定されるし、
        畏友だと上下関係が生ずるようだし。子供の時は仲良しって言いませんか?。暖かくて
        おだやか、ほのぼのしていて広がりも感じられる。そんな語感が好きなの。もちろん
        仕事なんか介さないし。会えば、とりとめのないコトで時を過ごす。なんかそういう
        関係に憧れを抱いてしまいます。

         ということでの「仲良し」。幸いなことに私には数人の仲良しがいる。カンタンに
        会える人、なかなか会えない人、さまざまだけど、気持ちの中では仲良しなの。こんな
        素朴でピュアで優しい心暖まる関係がいつまでも続くことを願ってやみません、のだ。
        それがこの年末、インターネットラジオでドヴォルザークを聴きながらの私の気持ち。

         さて、話は変わり相変わらずの中目黒のイタリアン・レストラン「バランチェッタ」。
        先日、手直しも終わってすべての作業がジ・エンド。終わらない仕事はない、の例えは
        正しかった(当たり前だけど)。

         と、ここまで書いてたそんときに携帯が鳴る。バランチェッタのO崎さんだ。店内に
        流している音楽が流れたり流れなかったり、どうも調子が悪い。年末の忙しい最中、
        アンプが壊れたか? そういえばちょっと前に調子が悪いと言ってたな。真空管アンプ
        だから突然壊れるなんてこたぁない。真空管の寿命か? とにかく行かねばならない。
        代替えアンプを二台車に積み込んで、一路現地に。

         アンプを置いてるのはワインクーラーの上、天井直下だから暗いんだ。懐中電灯で
        照らしてみるも別段問題はないように見える。でも、スピーカーコードの差し込み
        部分を触ると確かに出たり出なかったり。う〜む、こりゃコードかな。すでに昼の
        営業は始まっていて二組のお客さんがいるから、すばやく直さねば。地下で使用してる
        最軽量のエレキット


         と入れ替え、コードを接続し直して・・・・・・・・・・音は出るようになった。
        あぁよかったわい。これでとりあえずは一安心じゃわい。チンコイけどこれも
        mazdaluce3000氏の手になるもので逸品であることに違いはない。出力は小さいから
        音量は大きくはならないけど、その分高音がとてもキレイなの。で、これに繋いで
        3種類のコード(スピーカーが3系統あるんだ)を、それぞれにまとめてキッチリと
        テープで巻いて、繋いだら無事音が出るようになった。ま、こんなこと書くほどでも
        ないんだけどさ、流れでということでご容赦。

         で、持ち帰ったのがコレ


         通称「樽アンプ」と呼ばれる。前面パネルがウィスキーの樽材で出来ている。おおよそ
        5年ほど前に設置して、以来毎日12時間以上使い続けるもなんの異常も見られないタフな
        奴。12時間×少なく見積もっても年間300日=3,600時間、これを五年間ということは、
        ざっと1万8000時間。長きにわたってなんの故障もなく秘かに活躍してきたんだ。なんと
        愛い奴よのう。なげかわしや、おいたわしや、五年間の垢がこびりついている。いずれ、
        アルコールで拭き拭き、お背中流して差し上げましょう。

         地下の試聴室で早速音出し。一聴するも音は出る。しかも悪くはない。っていうよりも
        エレキットよりもイイ。そりゃそうだろ、なんたって倍近い金額差はあるからな。これで
        おんなじようだったらアタイ泣いちまう。とはいえ、倍近い5万円ほどの金額差たって
        音の違いは倍にはならない事実、これを理解して受け入れるお方は少ないだろう。さらに
        昨今ではデジタルアンプなるものが登場。価格は数百円からで音質も悪くはないという
        ことになればオーディオの立場はますます悪くなるってもんだ。あぁ、無情。っていうか
        あぁ、非情。


         こんなこと書く気はなかったのよね。☎一本でこうなっちまったのよね。今回の記事は、
        バランチェッタの外壁だったのよね。もう何回も書いてるから耳にタコ目にウロコ?だと
        思うけど、一件落着となった今、アタイが書くことをお許し願いたい。最初は、

         こうだった。柱部分の板が腐り、一番下の横木なんか崩れ落ちる寸前。落ちたら大変
        ってことで、アタイに依頼があったのがおよそ一年前。

         そんとき向こうの店主・O崎さんが見せてくれたのがこの写真。こんなふうにして
        欲しいというリクエストで、皆目見当もつかない私はウィーンのクリスに相談

         そしたら彼が探してくれたのがこの写真。こんな感じはいいけれども、具体化
        しようにも方法が見つからない。困り果てているときに、訪れた仲良しの工場の庭に
        放置されていた古材をめっけ。足りない部分はペンキぬりぬりして、

         出来上がったのがコレで、

         それを手直し、最終形がこれなのさ

         正面からと

         夜景
         
         果たしてこれがアタイの最良の仕事なるや? アイデアも出尽くし、できることは
        すべてやった。すでに材料もないから、これ以上は鼻血も出ないのダ。やれることは
        すべてやり尽くしたからいささかの後悔もないけど、店の売り上げは気になる。
        売り上げ向上=良きデザインの証だからね。この外壁で店の評判が上がり、売り上げも
        上がり、となることを地下で祈る日が続くであろう・・・・・・・ナンチッテ。

        さてと、請求額はいくらにしようかいの・・・・・・な、店主でした。

         

        クリスマスか?

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           クリスマスだ!しかも正真正銘。教えている学生たち、授業の合間に「どうするの?」
          などと問いかけてからかうアタイだ。彼氏彼女がいない若者にとって忸怩たる思いに
          かられるイベントであろう。ワタクシ? 同類憐れみの令、ナンチテ。こんな歳に
          なっちゃあ、どうしようもなし。相手なんかいるわけもなし。せいぜいが風の吹く
          まま気の向くままにドライブ、一服するのがせいぜいのところだ。

           過日、代官山の蔦屋に赴き、DVDを借りた。返却期限が過ぎて、返しに行った。
          またしても借り、観ている昨日今日。今回の眼目は「鬼が来た」。小林信彦「映画
          が目にしみる」の124頁に、
           チアン・ウェン監督の「鬼が来た」は、香川照之の回想で有名になったが、
          インタビューで「日本人ひとりひとりはいい人間なのに、戦争ではどうしてあんな
          残酷なことができたのか、不思議だ」という監督の言葉に胸を打たれた。この問題に
          正面から答えた日本映画はなかったからである。これは、今日までもつづく<不思議>
          なのだ。

          とあり、それを確かめなくてはならないと思った故。で観たんだけど、これが凄い。
          前半はユーモアあり笑いありきわめてのんびりムードだけど、後半になり一気に
          ただならぬ緊張がみなぎり、恐ろしさに息を呑む。人間の持つ根源的な残酷さが
          ほとばしり、私も同じようなココロを持っているだろうことを気付かされる。
          それにしても香川照之の演技は素晴らしく、鬼気迫ると言っても言い過ぎでは
          あるまい。まだまだ未見の作品もあるだろうから、これからの後追いが楽しみだ。

           それはそれとしてクリスマスであることに違いはない。最近、仲良しとの話の中で
          出て来たエイリアンのメイキング・フィルム。エイリアンそのものは1979年上映
          だから34年前、そのメイキングを観たことがあったんだ。ビデオを持ってたんだけど
          誰かにあげてしまい手元にはない。それを観たいという仲良しさんに観せてあげよう
          と思ったもののアマゾンにはなくて。さっきYou-Tubeでめっけたの。プレゼント
          っていうワケじゃないけど、日頃の感謝の意味を込めてここでご紹介しておこうとね、
          思ったんだわさ。

           You-Tubeでは3つに分かれてて、part-1part-2part-3。全部あわせておよそ
          40分弱のドキュメンタリー。スイスのH.R.ギーガーによって生み出されたキャラが
          多くのスタッフによって作り上げられてゆく過程が描かれてゆく。みなさまご存知の
          ごとく、エイリアンに登場するさまざまなキャラクターは、ほとんどすべてが人間の
          性器が原型になってて、特に卵のくだりがめちゃ興味深い。なるほどなぁ、苦労
          してるんだ。そして、あんなに苦労して作ったあれこれが、映画ではハッキリと
          観る事はできない。そこに映画の魅力もあるし、奥ゆかしさみたいなものを感じて
          しまう。忙しくストレスも多いことだろうけど、これを観ていささかでも疲れを
          癒していただければと思って。

           そしてもう一本。これも古くて恐縮だけど「マルサの女」のメイキング
          故・伊丹十三監督の映画だけど、メイキングを担当しているのが周防正行さんだし
          とても良い出来だ。これを観れば映画の作り方がよくわかる、すぐにでも映画が
          作れるような気がする。当時、観ていたく納得、映画の最前線に触れた気がした
          けど、今観てもそのときの気持ちはいささかも損なわれていないことを再確認。

          仲良しさん、これを観て憂さ晴らししてくんなまし・・・・な、店主でした。

           

          革の衣を借りる

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             ついに革の力を借りることになった。それは? 相変わらずの外壁で申し訳なし。
            一応工事は終わり外壁は新装?なったんだけど、どうもペンキぬりぬりの部分が多い、
            なんとかならないかというヤンワリとした要望、そんならなんとかせにゃなるまいて。

             これがその外壁、前に載せたよね、コレ。古材はイイ、問題は白やら赤やらのペンキ
            部分。すでに貼ってあるから、その上に覆うようになにかを貼るしかない。でもすでに
            材料はない。あるのは以前貼ってあった古材だけ。ならばそれを、

             ってことで数枚を継ぎ合わせて一枚に。ビルの名前がスクエア(正方形?)って
            いうから形はこうなる。でね、これだけじゃあなんだかなぁと思って。あれこれ
            考えた末に思い出したのが革。それをね使ったらいいんじゃないかと。引き出しに
            眠っていた革の残骸を引っ張り出した。板の上部に端切れがくっついているのが
            見えますでしょうか?

             こんな感じ。縫い目の穴に真ちゅうの釘を打ち込むだけでいい

             こうなるわけだ。革に真ちゅうは極めて相性がいいからさ、なんかそれなりの
            仕上がりになる。う〜む、これ、いいかも。さらに昔もらったトランクの金具を、


             つけてみる。古材に革&真ちゅう金具、こりゃあ無敵だろうと自画自賛。

             さらにこういう革もある。これはデカイから一枚丸々使おうじゃんか。

             革に合わせて木を切り、固定して釘を打ち続ける

             こんなふうになる。中央に見える釘頭、実はこれ、トランクの金具をつけて、
            それにあわせて打ったんだけどさ、まるっきりカバンみたいになっちゃってさ。
            レストランにカバンはないでしょってことで急遽変更。で、この革の出自は、

             いわずと知れた名作椅子・キャブ。マリオ・ベリーニがデザイン。この椅子がね、
            ある夜、裏道を運転していたら道ばたに捨ててあったの。エ〜ッ、なんてこったい、
            なんでこんなもんが、考える間もなく拾って帰って数十年。使う道とてなく、革の
            残骸だけがあったわけ。あっちゃこっちゃで少しづつ使って、残ったのが座面と脚。

             椅子の下側はこうなってる。左下だ。丸く切り取られているのが今回3カ所に
            使われたわけだ。脚の細い革は板の縁にグルリと打ち付けたという案配。長年心に
            引っ掛かっていたこの革が今回生かされたことは私にとってなによりの幸運。革も
            さぞかし喜んでいることだろうて。外壁の革の曲線を見て、出自を言い当てる方
            はいないだろう。もし、そんな方がいたら是非ともお会いして一献傾けたいもんだ。


             そこで樹脂の塊が再登場。一度は使う事を諦めた樹脂だけど、巡りめぐって
            復活の日。

             で、これが最終形。なんも考えずに樹脂を中央に据え、左右に伸びる一筋の
            釘頭を更に伸ばし、なんとなく枠をつけ、最後に余った真ちゅう釘を打ちまくる。
            枠内の下が空いているけど、釘がなくなったからこれ以上は打てないんだ。

             さらにこんなのも

             こうなる。なんかインディアンの飾りのようにも見える。そして、

             こんなものも


             こうなるわけでね。中央の楕円の形がアブナイ?。見る人が見れば、これは
            まるで◯◯◯◯みたいと思われるだろうな。なんてこと思いつつ、そんなこと
            気にしてたらなんも出来ないとココロを奮い立たせて遮二無二(しゃにむに)
            釘を打ち続けることおよそ1800本。打ち続けて腕が痛くなったっす、ったく。

             これで全部、大小9枚のパネルが出来上がった。現場の壁は高い、ハシゴで登り
            取り付けることになる。下から仰ぎ見て、あそこらへんにこの板をと見当をつけて
            携えてネジで固定するということに。それで足りなければ、別の古材長板を適当に
            切ってペンキを塞ぐことになる。

             これらの板、取り付けてみないとイイかワルイか判定不能。けど、現時点では
            これ以上の知恵も才覚もないからどうしようもない。いままで溜め込んだあれこれ
            のてんこ盛りが一気に整理出来て気持ちはいいけど、はてさて吉と出るか凶と出るか。

            いよいよ最終段階秒読み・・・・・・・・・・・・・な、店主でした。

             

            年の瀬だい

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               総選挙が終わり、予想通りの結果に歯噛みな店主。自民党には退場していただきたい
              けど、かといってこの人ならばという候補も居ず、まったくもって暗澹たる気持ちに
              なる。若い時には、まわりはみんな年上だし、自分に自信がないから、なんだかみんな
              立派な人ばかりに見えた。けど、だんだん歳を重ねて、そうでもないじゃん、一体
              どうしたってんだ、大したことない人ばかり、に気が付く。ヒーロー出現を期待する
              わけじゃないけど、もちっと頭が良くてアイデアも持っている人はいないもんか。

               そんな最中、当店地下でライブ。かなり長い間聴き続けている畏友・玉野井徹。
              ギターと唄を堪能しつつひとときを過ごす。例によって、ギターと本人を運搬すべく
              ご自宅へ。車中、リクシル(LIXIL)なる会社のことを聞く。某海外金物メーカーに
              勤務の玉野井氏、トステムとINAXとサンウェーブが合体したリクシル、その裏事情だ。
              わたしにとっちゃ仰ぎ見るような会社が併合して、さらに巨大な会社が誕生。なぜに
              一体化しなければならなのかよくわからないけど、3つの会社が一つになれば役職
              も余ってしまい、誰かが降格しなければならないだろう。まったくもって明日をも
              知れぬ時代になったもんだ。企業の大小なんか関係ない、一見安定してるように
              見えるサラリーマンにとって、厳しい時代になっていることを痛感し、思わず息子に
              「仕事、大丈夫かい?」と聞いてしまったじゃないか。


               総選挙、企業合併、日々刻々と社会は動く。それはそれとして地下でのライブ。
              持参したギターの一本・12弦での弾き語りはまったりとしてまことにケッコウ。

               今回は2本のギターとともにアンプ+スピーカー一体型を持ち込む。これがイイ。
              音楽が好きで、それが嵩じてオーディオと共に歩んできたけど、なんたって生には
              かないませぬ。生音楽を聴きCDやレコードを聴く、そのプッシュプル(押したり
              引いたりの意味だけど)な関係の中でそれぞれの愉しみの奥深さを知ることの
              素晴らしさ。ナンチッテ。

               さらに、M嬢画伯が似顔絵を描くと、きたもんだ。6大芸術と称される中の2つが
              ここにある。それを見ながら聴きながら酒を飲みくだらないことを言うアタイ。ま、
              いつものことながら、これが醍醐味であることに疑う余地はないのだ。

               12弦ギターをエレキに持ち替えて一息の玉野井氏。唄ってる最中写真も撮ったけど、
              どうにもうまいことゆかないんだ。なんかアホみたいな写真ばかりで。で、この一枚。
              なかなかのもんだと思うんだけど、どうかな? なんか風格みたいなもんが滲み出てる
              と思うんだけど。そう思うのはアタイだけ?

               当日、代官山の蔦屋で借りていたピアノ・ブルースなるDVDを用意してあった。
              監督で役者のクリント・イーストウッドが、名だたるピアニストたちに話を聞き演奏も
              してもらうスゴイ企画。小林信彦のエッセイで知り、アマゾンで探したけど高過ぎて。
              で、レンタル。古今のブルース・ピアニストの足跡を辿ろうというわけだがコレが
              素晴らしくて。ライブの時に一緒に観ようと。いろんな人が出演する。たとえば
              ブルーベック。ジャズで知ってたけど出自はブルースなんだ!

               そんなこんなでいつものごとく泊まり込むことに。朝、起きて、お茶を飲みつつ
              「仁義なき戦い」も観る。文太追悼ってことじゃないんだけど、蔦屋で見かけて
              借りてたの。リアルタイムで観ていて、再観は数十年ぶり。果たして、あのときの
              印象はホンモノだったかを確認したくって。エネルギッシュな映像にウットリ、役者も
              気合い充分、まったくもって堪能しまくりで満腹になっちまった。ああ、シンド。

              てんこ盛りな一日、おあとがよろしいようで・・・・・・・な、店主でした。

               

              画竜点睛

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                 画竜点睛:(梁の画家”張僧よう”が金陵安楽寺の壁画に白竜を描いて、その晴
                (ひとみ)を書き込んだところ、たちまち風雲を生じて白竜は天に昇ったという
                故事から)事物の眼目になるところ。物事を立派に完成させるための最後の仕上げ。
                また、わずかなことで全体が引き立つたとえ。


                 すでにシリーズ化となった感のあるバランチェッタ。外壁工事もいよいよ終盤を
                迎え、画家のご登場を乞う。壁面の一部に壁画を描こうという趣向だ。画家? 
                壁画??そはいったい何者でごわす? いわずと知れた似顔絵画伯・M田嬢その人を
                おいていないだろう。言い過ぎか? 言い過ぎだな。外壁工事そのものは、およそ
                半日で終わった。4人掛かりだ。しかし、ぽっかりと空白部分が出来てしまい、
                塞がにゃイカンってことになり、急遽残りの板を切って。
                 翌日、ここでバイト予定なのでついでだからとM田嬢が手伝ってくれることに
                なり。どうやらこのお嬢様は唯一の赤塗り板に似顔絵を描くつもりだったらしく、
                描いてもよい? と小首傾げてチャンちきおけさ。う〜む、当方に異存はない、
                存分に描いてみいや。

                 サラサラと下書き、慣れたもんだ


                 傍で見ているアタイ、顔小さすぎないかい? と思うものの

                 パレットはゴミ捨て場にあった木っ端

                 実に真剣、マジなんであります

                 げげっ、書き込むわ書き込むわ。そうなるんか、どーりで顔小さかったわけだ

                 これが完成形。

                 通りから見るとこうなる。


                 バランチェッタO崎さんは、

                 こうなって、

                 アタイは、

                 こうなった

                 そして自画像

                 最後に、竣工日を記入してオワリ

                 こんなに間近で似顔絵壁画を観たことない。それにしても一気呵成な筆さばき、
                に見とれてしまった。こと似顔絵になれば早いはやい、ふだんの仕事とは大違い、
                に感心しきり。誰でも取り柄はあるもんだ。それにしても、この似顔絵、私は
                大好きなんだ。悪意のある似顔絵と命名してもうたけど、悪意とユーモアの
                境界線がギリギリで一歩間違えば・・・・・あぶないアブナイ。


                 カンバンも無事終了

                 これが全景だ。と、ここで古材が少なくペンキぽたぽたが多い?とのご指摘有り。
                やっぱなぁ、そうだろなぁ、アタイも薄々感じてはいたんだけど、なんたって肝心な
                古材が足んないのよ。ほいでもって穴埋めのポタポタだったんだけど、やっぱ、
                そう来ますか。全部とはいわないけど、少し塞げないもんかいの〜、ときたもんだ。
                M越さんの都合でいいからさ、なんて言われちゃ後へは引けないおぼこいアタイ。

                やってやろうじゃんか、どこまでも・・・・・・・・・・な、店主でした。

                 

                旨味な醍醐味

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                   オーディオアンプレストア師・mazdaluce3000氏の代理店を宣言してから幾年月。
                  まだ、それほど経ってない? まぁまぁ、そういわずに聞き流してくんなまし。一件の
                  問い合わせがあり、レストア依頼を経て、現在レストアの真っただ中。クリスマス頃
                  にはお客様の手元に届くことになってるんだ。

                   依頼されたアンプはヤマハB-1。発熱膨大重量級高額で名を馳せる稀代のアンプだ。
                  依頼が成立するまでに幾度となくメールが交わされ、中継基地である当地は転送に
                  勤しむ。でね、この中継業務に携わる中でアンプについてのさまざまな情報が開示
                  されアタイはそれを享受することになったワケ。思わぬ余禄というか、旨味というか、
                  醍醐味と言うか、みるみるアンプの知識が蓄積されることに。う〜む、そういうことか、
                  と改めて面白さを味わうこととなった。

                   師の頭の中には今までのノウハウがぎっちりと詰まってる。口に出来ない秘匿情報も
                  たんまりある。なぜトランジスタが壊れるのか、といったいたって基本的な知識に始まり、
                  依頼者の改造希望が理に叶わず、その理由についてもこと細かに説明がなされている。
                  すでにオーディオアンプについての専門書の類いはめっきり少なくなり、知識を
                  得ようにも手立てがない。いつのまにかそんな時代になってしもうた。素人同然の
                  アタイにももっと知りたい欲はあって、それを満たされることの喜びは大きい。あまり
                  公開は出来ないけど、師のメールの一部をご紹介しておこう。
                   

                  1.電解コンデンサについて

                   しかし、オーディオに関して音質ということを考えますと電極箔が低倍率に

                  なるほど音質が向上する、、、、、つまり大きいものほど音質が良くなる可能性が
                  あることなど容量だけでは判断できません。私は巨大なブロックコンデンサを
                  音質の点で苦労して取り付けておりますが、それ以上に私があの世からお迎えに
                  来てもこの電解ブロックコンデンサは生き残るだろうと考えてこの部品を選定して
                  います。


                  2.抵抗について

                   アンプは多くの部品の集合体であり、全ての部品は音質に影響があると考え
                  られ ます。特に真空管アンプなどは部品点数が少ないですから部品が音質に
                  与える影響は大きくなると考えられます。

                   勿論B-1にも部品が音質に影響を与える部分は存在しています。この部分には
                  考慮しなくてはいけません。同時にこの内部の膨大な熱にどう対処していくかを
                  考えないと寿命が短いアンプになってしまいます。

                   B-1はメインアンプとしては考えられないほど部品点数が多いアンプです。

                  そのほとんどは電源回路や保護回路の部品です。したがってこの回路の部品は
                  信頼性や寿命が最も要求されます。この部分は音質にほとんど影響を与えません。
                  重要なのは信頼性やノイズ特性です。精度も重要です。


                  3.トランジスタについて

                   しかし、半導体の不良はV-FETの破壊につながります。私はYAMAHA

                  オリジナル半導体以外の多くのトランジスタの交換をします。このB-1には
                  113個のバイポーラトランジス タが使用されておりますが、私は100個以上の
                  トランジスタを新品に交換します。これが私の作業が高価な理 由です。

                   日本のトランジスタ製造メーカーはオーディオ用のトランジスタの製造を

                  中止し ただけではなく汎用のTO-92タイプの製造を中止しつつあります。

                  最も汎用性があるTOSHIBAは 2SC1815,2SA1015の製造を中止しました。

                  多くのアンプに使用されています。オーディオ用のトランジスタの価格は

                  以前の3倍から5倍程度に値上がりしています。

                   今、多くのトランジスタを交換することは価格だけではなく、将来適正な

                  ものが入手できなくなる可能性があるということで意味があるものです。

                  過去のアンプに使用されている多くのトランジスタは今ある在庫のみでしか
                  入手できません。今から2年後、3年後と価格が大幅に上昇するだけでなく
                  入手が出来なくなることは確実です。


                   差し障りがないだろうと思われる部分だけで申し訳ナス。核心部分は企業秘密
                  だから、ということでご勘弁願い奉り候。

                  さても奥深きレストア世界にお手上げだ・・・・・・・・・・・な、店主でした。

                   

                  そして看板だ

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                     ここんとこバランチェッタのことばかり。でも、それにかかりっきりだから仕方
                    ない。外壁は終わった、同時進行していた看板をシコシコ。店主・O崎さんは店名
                    看板なんていらない、と過激なことを言ってるけど、そういうわけにはゆかん。
                    なんの店かわからない? ようにしたいココロはわかるけど、それを面白がって
                    入る客なんてものは少ないに決まってる。オモロいよりもコワいと二の足を踏むに
                    違いないだろうからさ。前回書いた木皿は店の第一印象としてきわめて重要なモノ
                    ではあるけど、それも店に入ってからのことで、入店してもらえなければ
                    どうしようもない。

                     下地の壁面工事が始まって、しばらくの間ボロボロの看板が付いていた。あれ?
                    ひょっとしてアタイが取り外すのかな? って思って現地へ行ったら、取り外されて
                    ゴミ袋に投げ入れられていた。ありゃりゃ、おいたわしや、こんなお姿になって
                    もうて。優しく拾い上げて工房に持ち帰る。新しく作るより修繕したほうが
                    よかんべえ。たかだか10年とはいえ歴史がこもってるし、それなりの思い入れが
                    あるからね。

                     これだ。これを作って10年になるんか。と、感慨にふける。

                     むりやりの取り外しだから角なんかゾンブンに欠けとる。

                     台の板から無理矢理ひっぺがす

                     文字の崩壊はさらに進み・・・・・大丈夫なんだろか?

                     ちぎれた部分にボンドをたっぷり

                     そしてクランプ攻撃。締め上げられた文字は青息吐息か、はたまた愉悦の喜びか

                     前回、文字は黒色だったけど今回は赤に。店主・O崎さんにはなんの相談もせず、
                    勝手に決めてしまいます。なんたって、店名看板不要という考えの持ち主だからさ。
                    勝手に作ってダメってことになれば使わなければいいんだ。それを覚悟している
                    から気は楽。

                     どうです。補修も終わり赤く塗り、燦然と輝くBarancetta。材料はベニヤだから
                    雨風には弱い、ベニヤは薄い板を積層したもんだから、接着面から割れてくる。
                    今後10年はもたなくてはならない、ってことで油性塗料でコーティング。五回も
                    塗った。この赤文字を土台の横棒に取り付ける。

                     位置決めのための両面テープを張り

                     所定の位置に文字を配置して、仮止め

                     仮止めしてある文字に、穴を開けて、ボンドを塗って丸棒を差し込む。
                    こうすればベニヤ文字と土台の板が丸棒+ボンドで一体化されるだろう。

                     そしてまたまたクランプ攻撃だい

                     ボンドが乾く間にCUCINAを作る。材料は、昔むかしアタイの家で使っていた座卓の
                    甲板だ。茶色に見えるのは漆ですぞ。

                     こんな文字抜きはあっという間だ

                     裏面に両面テープを貼り、これで文字を仮止めする。

                     出来上がりはこんな感じ。テロテロでしょ、油性塗料でコーティングしてるからね。
                    この小さな文字看板は、台の板の表面が漆だからボンドは効かない。だからさ、
                    真ちゅう釘で固定することしか出来ないの。もう目一杯飾っちまおうと、金色の釘を
                    打ちまくる。気持ちがいい。


                     全容がこれ。ふたつの文字看板はちょいと斜めって取り付ける。水平じゃつまんない、
                    お店の雰囲気からして、斜めのほうがイイだろうってことで。

                     裏はこんなふう。ところで、この台の板、これはなんだ? 溝と穴が林立している。
                    ちっちゃな出っ張り棒もついてる。グレーに塗ってあるけど、これは今回のためにでは
                    なく、以前別の用途で塗ったもんだ。実はこれ、ゴザかなんかを編むための道具。
                    こういう民具を収集したいって時期があってね、そんときに古道具屋で買ったもの。
                    以来、何度かなにかに使えないとあれこれやってみたものの、結局は工房の片隅に
                    眠っていたんだ。眠れる工房の棒・・・・・なんちゃって。
                     しかもですよ、今回はこのちっちゃな出っ張り棒が小さな文字看板を支えるに
                    ピッタリ! こんな見事な適材適所はめったにあるもんじゃない。そんなこんなが、
                    ようやっと陽の目を見る。ウレシイなぁ〜〜。人に歴史あり、棒にも歴史あり、
                    ってなもんだ。さあてと、これを見せにバランチェッタに行こうか

                    果たしてO崎さんはなんて言うんだろうか・・・・・・・・な、店主でした。

                     

                    最良の仕事か?

                    0
                       昨日のブログで「最良の仕事」と謳っておきながら、どこにもないではないか?
                      と、書き終わった後に気が付いた。誰かと話している最中、何を話そうとしてたか
                      忘れ「あれ?」ってことがよくあるのとおんなじ。あらかじめ書くことを考えては
                      いるんだけど、書いてる途中で手が止まらなくなり暴走。どうも頭と手足の連携が
                      うまく行かないのだろう。これも寄る年波のせい、と言ったら「寄る年波」が怒り
                      だす。バカにすんな、そりゃアンタの元々の部品欠陥なせいだわい。

                       さてと、最良の仕事だ。お仕事は?と問われるコトがはなはだ苦手なアタイ、昨日も
                      八百屋さんで女将さんから「この方はね」などと居合わせたお客さんに紹介されそうに
                      なって目が上げられなかった。どうもアタイのことをアーチストのようなもんと
                      勘違いされてるようなのだ。たまに出掛ける時に妙な服装で八百屋の前を通りかかる
                      からさ、その印象が強いんだろう。まさかアーチストってことはない、デザイナーって
                      称するのもこちょばゆい。それらしいことをやってる実感がないからね。でも、この
                      外壁はなんと言えばいいのだろうか? 単なる工事業者ではない。レストラン店主・
                      O崎さんの意向を聞き、あれこれ材料を探し、白板にペンキを振り掛けたりして、
                      それをなんとかうまく並べるなんてこと、業種で言えばなんなんだろうか?

                       そんな仕事をひとくくりにしてデザイナーと言えば聞いた相手は理解するだろうから、
                      問題はないんだけど。ま、なんと呼ばれようとアタイはアタイだからいいんだけどね。

                       今回の外壁工事のスコブル以前、この店用に木皿を作ったんだ。

                       料理に隠れてよく見えない。けど、それでいい。隠れた存在が好きなの。この木皿
                      O崎さんの要請でサンプルを作り、どれもダメで再度作り、の結果出来上がったのよ。
                      「前菜盛り合わせ」というメニューなんだけど、これがまったくもって大好評でさ。
                      来る人来る人ほとんどコレをリクエストする。けっこうなボリュームもあるから、
                      これだけでお酒のつまみには充分、ヘタすると女性なんかはこれだけでお腹いっぱい
                      になる、ときもある。陶器の白い皿でもいいんだけど、こっちのほうが断然イイ。

                       レストランだから他店にない個性的なメニューがあるほうがいいに決まってる。
                      そこでしか食べられないんなら行くしかないからさ。前菜盛り合わせを見て食べて
                      ◎であれば、飲み物だって食べ物だってどんどん注文するだろう。まさに、この店の
                      第一印象を決定するに充分の器なの。デザイナー(一応ですけど)としてこれほど
                      ウレシイことはない。作った本人(アタイだ)も満足、頼んだO崎さんも満足、
                      でもってお客さんも満足し、売り上げにも貢献する、これが最良の仕事と言わずして
                      なにが最良なんだろう。そして、それは金銭の多寡や有名無名とかいったものでは
                      ない、あくまでもすべての方々にとってプラス効果が生まれたか否かの一点に尽きる。

                       頼んだ相手の期待を裏切らない成果物はデザイナーとして最低限の仕事、その
                      成果物が実際の社会の中で経済効果をもたらすものでなけりゃ、仲間内でワイワイ
                      言ってるだけのもんじゃないか。昔ウォークマン、今i-padでもそういうことでしょ。
                      技術力とかアイデアセンスとか言ったって、実際の社会で具体的の好反応(お金)
                      がなけりゃダメ、って思うんだよね。そう考えるとグッドデザインってのは何なの、
                      ってことになる。その「グッド」は何に対してのグッドなんだろう。単にカッコが
                      いいとか革新的な技術とか目新しいとかだけじゃイカンのではないか。独りよがりの
                      アタイだから偏向レンズ着用なのはわかってるけど、そう思えてならない。

                       とはいえ、この木皿のように三方一両損ならぬ一両得のような仕事はめったに
                      あるもんじゃない。っていうか、これしかないんだ。まさに、私のデザイナー
                      (一応だ)人生にとって傑作と呼んでいいだろう。そんな傑作商品が今も生きている
                      この店の外観だから、ひょっとすると傑作になるかもしれない。私もO崎さんも、
                      この外壁は気に入っている。気に入っていないのは今の所ビルのオーナーだけ。
                      もしも、この後、この外観を見て訪れる客が多くなれば、その時点で外壁は◎だと
                      いうことになる。もしもそうなれば、私の二大傑作がこの店に集結することになり、
                      私が生きて仕事をし続けた甲斐があろうってもんじゃないか。まことにウレスイ
                      限り、喜ばしいことでござるワケだ。

                       で、調子に乗ってクリスマスツリーを作ってる。すでに12月に入ってるから
                      急がねばならない。っていうか既に遅きに失してるかもしれないけど。

                       頼まれもしないツリーを作ってるアタイは一体なんなんだ?

                      と思わないでもないけど・・・・・・・・・・な、店主でした。

                       


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