営業はむずかしい
ツマミの店FACTIOはほとんど商売にならない。専門学校の講師だって時給4千円
程度、週一日3時間で12,000円×3日(一月として)=36,000円。偶数月の年金に
しても一月にしたら6万円程度だ。どう考えてもこれじゃ生活できない。ってことで
アタイの生活資金はアパート経営が主たるものなのよ。部屋数は12、小さめの6帖
ワンルーム、部屋代は5〜6万円台で推移してる。築27年、コンクリ構造だけど、
今流行の建物入口に鍵(集合ロック?)はないし、設備も旧態依然たるものだ。
すごいじゃん! 家賃5万円×12部屋なら毎月60万円、のうのうと過ごせる
じゃないっすか!! でもそうはゆかないイカのキンタマ、ここから銀行への返済が
あるでしょ、固定資産税もバカにならないし、各種税金やらはいずこも同じとして、
入退去時のあれこれがかかりますし、第一いつもすべての部屋が満室ってことも
ないんですわ。決して楽ではないアパート経営ってのが実体でね、やりくりは
それなりに苦労の日々。ま、そうは言っても楽なんでしょと言われてしまうん
だろうけど。
その昔、付き合っていた女性の実家がラーメン屋を営んでいて、親父さんの方針が
ワンコイン。つまり当時500円でラーメンが食べられる店であれば絶対に潰れないと
いう考え方。そんときそれを聞いたアタイ、ひどく納得してアパート経営もそういう
方向性を貫いてきたわけだ。だからアタイのアパートも最低賃料、礼金敷金不要、
部屋代が遅れても催促はしない。なんたって離婚した母親が始めたアパート経営、
今からおよそ50年以上も前の事だからな、年期が違う。はたまた持ってる土地で
生計を立てることの肩身の狭さがあるから謙虚につつましく、と考えているんだわ。
でね、息子が入居していた部屋をリフォームしようと業者に見積もりを依頼した
んだけど、送られてきた金額が18万円を越えるもので仰け反ったわけよ。部屋代
6万程度の部屋で3倍のお金は到底出せるもんじゃない。そこで少し考えたんだ。
こりゃ、見積もった業者は、下請けが出した金額をそのまま合算して会社の儲けを
さらに上積みしてそのまま出したんだろう、ってね。相手の予算のことを考える
余裕がないんじゃなかろうか。だからこそ家賃の3倍の見積もりを出すことに
「?」と思わないんだろう、と。たしかにその金額は正しいものだろうし彼の
仕事に間違いはない。とはいえ、相手の懐具合に見合った金額であるかどうかを
考えて、ヤバイと思ったのであればなんらかの対応策を講じるのが営業の仕事
なのではないの? 勝手にそう思ってしまったのよね。
退去=入居のためにリフォーム、そのたびにけっこうな廃材が出る。リサイクル
の時代にそぐわないなぁと考えてもいたアタイ、グッドなタイミングで高い見積書、
だったらリフォームしないで済む方法を考えましょう。床の張り替えは一切ヤメ、
板張りにしちゃお、壁紙もヤメて上からベニヤを張りましょう。ベニヤならネジや
ピンも入居者が打ち放題だし。ってことで懇意の材木屋さんに聞いたら適価判明、
すぐさまショールームに行って商品を確認、壁のベニヤだって大した金額には
ならないに決まってる。そんな折りのさっき、件の業者から☎という次第。
タイミングが悪すぎるぜまったく、こっちはすでに心変わりしてて、業者に頼む
より自分でやっちゃおうってことに決まってしまったんだからさ。
これってまるで女心がわからない男みたい、女性からみればわかっていない男の
ココロが手に取るように見えているような気持ちになってしまった。可哀相だなと
思わないわけでもないけど、かといってそんなこと言ったところで余計なお世話だ
と言われかねないからさ、☎でヤンワリお断りを伝えたのよね。
営業担当の方のココロが、この金額じゃヤバいかもとの危険信号を受信したなら
見積書をFAXした後すぐに連絡を入れるとか、今回は泣いて次回に元を取る作戦に
するとか、一括で支払えないんなら分割でとか、なんらかの方法を取るべきだった
んだろう。その方法の提案が今だったのかも知れないけど、時すでに遅し証文の
出し遅れってわけだ。そんなこと思うのは、アタイのココロが不遜なのか、或は
ワガママなのかも知れません。けどね、いつの時代でもお客さんってのは我が儘な
もんだし身勝手なもんというのが相場だ。そんな客をナントカカントカうまく
やりくりしてゆくのが営業職なんじゃないの?
彼らにとっちゃこんなちっぽけな仕事なんか取るに足らないものかもしれない。
もっとお金があって良い顧客がワンサカであれば18万円の仕事なんかさっさと
捨ててもいいのかも知れません。しかし、相手のココロや事情が読めない人は
今後もこういう失態を犯す可能性はあるだろう。仕事も商売も相対事、相手の
考え心の動きに合わせて柔軟に対処することが肝要だとノムさんも言っとる。
このことを肝に命じて幾星霜、この歳になってようやくいささか理解し実践
できつつあるアタイだからな、若い人に求めるのは無理なことかも知れないな。
人の心を読む、これが実にムツカシイ・・・・・・・・な、店主でした。
程度、週一日3時間で12,000円×3日(一月として)=36,000円。偶数月の年金に
しても一月にしたら6万円程度だ。どう考えてもこれじゃ生活できない。ってことで
アタイの生活資金はアパート経営が主たるものなのよ。部屋数は12、小さめの6帖
ワンルーム、部屋代は5〜6万円台で推移してる。築27年、コンクリ構造だけど、
今流行の建物入口に鍵(集合ロック?)はないし、設備も旧態依然たるものだ。
すごいじゃん! 家賃5万円×12部屋なら毎月60万円、のうのうと過ごせる
じゃないっすか!! でもそうはゆかないイカのキンタマ、ここから銀行への返済が
あるでしょ、固定資産税もバカにならないし、各種税金やらはいずこも同じとして、
入退去時のあれこれがかかりますし、第一いつもすべての部屋が満室ってことも
ないんですわ。決して楽ではないアパート経営ってのが実体でね、やりくりは
それなりに苦労の日々。ま、そうは言っても楽なんでしょと言われてしまうん
だろうけど。
その昔、付き合っていた女性の実家がラーメン屋を営んでいて、親父さんの方針が
ワンコイン。つまり当時500円でラーメンが食べられる店であれば絶対に潰れないと
いう考え方。そんときそれを聞いたアタイ、ひどく納得してアパート経営もそういう
方向性を貫いてきたわけだ。だからアタイのアパートも最低賃料、礼金敷金不要、
部屋代が遅れても催促はしない。なんたって離婚した母親が始めたアパート経営、
今からおよそ50年以上も前の事だからな、年期が違う。はたまた持ってる土地で
生計を立てることの肩身の狭さがあるから謙虚につつましく、と考えているんだわ。
でね、息子が入居していた部屋をリフォームしようと業者に見積もりを依頼した
んだけど、送られてきた金額が18万円を越えるもので仰け反ったわけよ。部屋代
6万程度の部屋で3倍のお金は到底出せるもんじゃない。そこで少し考えたんだ。
こりゃ、見積もった業者は、下請けが出した金額をそのまま合算して会社の儲けを
さらに上積みしてそのまま出したんだろう、ってね。相手の予算のことを考える
余裕がないんじゃなかろうか。だからこそ家賃の3倍の見積もりを出すことに
「?」と思わないんだろう、と。たしかにその金額は正しいものだろうし彼の
仕事に間違いはない。とはいえ、相手の懐具合に見合った金額であるかどうかを
考えて、ヤバイと思ったのであればなんらかの対応策を講じるのが営業の仕事
なのではないの? 勝手にそう思ってしまったのよね。
退去=入居のためにリフォーム、そのたびにけっこうな廃材が出る。リサイクル
の時代にそぐわないなぁと考えてもいたアタイ、グッドなタイミングで高い見積書、
だったらリフォームしないで済む方法を考えましょう。床の張り替えは一切ヤメ、
板張りにしちゃお、壁紙もヤメて上からベニヤを張りましょう。ベニヤならネジや
ピンも入居者が打ち放題だし。ってことで懇意の材木屋さんに聞いたら適価判明、
すぐさまショールームに行って商品を確認、壁のベニヤだって大した金額には
ならないに決まってる。そんな折りのさっき、件の業者から☎という次第。
タイミングが悪すぎるぜまったく、こっちはすでに心変わりしてて、業者に頼む
より自分でやっちゃおうってことに決まってしまったんだからさ。
これってまるで女心がわからない男みたい、女性からみればわかっていない男の
ココロが手に取るように見えているような気持ちになってしまった。可哀相だなと
思わないわけでもないけど、かといってそんなこと言ったところで余計なお世話だ
と言われかねないからさ、☎でヤンワリお断りを伝えたのよね。
営業担当の方のココロが、この金額じゃヤバいかもとの危険信号を受信したなら
見積書をFAXした後すぐに連絡を入れるとか、今回は泣いて次回に元を取る作戦に
するとか、一括で支払えないんなら分割でとか、なんらかの方法を取るべきだった
んだろう。その方法の提案が今だったのかも知れないけど、時すでに遅し証文の
出し遅れってわけだ。そんなこと思うのは、アタイのココロが不遜なのか、或は
ワガママなのかも知れません。けどね、いつの時代でもお客さんってのは我が儘な
もんだし身勝手なもんというのが相場だ。そんな客をナントカカントカうまく
やりくりしてゆくのが営業職なんじゃないの?
彼らにとっちゃこんなちっぽけな仕事なんか取るに足らないものかもしれない。
もっとお金があって良い顧客がワンサカであれば18万円の仕事なんかさっさと
捨ててもいいのかも知れません。しかし、相手のココロや事情が読めない人は
今後もこういう失態を犯す可能性はあるだろう。仕事も商売も相対事、相手の
考え心の動きに合わせて柔軟に対処することが肝要だとノムさんも言っとる。
このことを肝に命じて幾星霜、この歳になってようやくいささか理解し実践
できつつあるアタイだからな、若い人に求めるのは無理なことかも知れないな。
人の心を読む、これが実にムツカシイ・・・・・・・・な、店主でした。
- 2015.06.29 Monday
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- 11:54
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- by factio