巡りの末に

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     相変わらず毎週月曜日は、授業のために水道橋へ行く。午後1時20分から

    4時半まで。昼食はいつも校舎の隣りのレストランで和風豚肉定食を食べて、

    夕食は天ぷら定食。天ぷら屋さんが開くまで近所の喫茶店で過ごすのよ。

    先日、雨の中「きっさこ」というこの茶店に行ったところ、客は皆無で不安

    なアタイ。潰れちゃうんじゃない?と余計なお世話ココロ。なんたって煙草

    自由だからさ。なくなっちゃ困るんだ。

     

     でね、コーシー飲みつつ一服しつつ週刊文春読んでたら、スタッフ嬢が

    CDを替えて聴こえてきた女性ボーカルに捕捉されてしまったんだ。

    ん? ムム! い〜じゃんか、誰だこれ? 初めて聴く声だ??

     SYLVIA SYMSなんて知らんど。

     

     それにしてもこのCD凄くいい。帰ってからすぐにアマゾンで入手して

    聴いてみたら、やっぱりイイんだ。いや〜こんなステキなボーカルがいた

    なんて知らなんだわ。ほいでもって調子に乗って

     さらに2枚お買い求め。「SONGS OF LOVE」にはちょっと足りないけど

    イイことはいい。5連奏CDで聴いているこのところ。

     

     でね、しばらくしてまた茶店に行ったらオーナーがいて、聞いてみたの。

    この前、雨の日に流れていた女性ボーカルに似たような方はいないの?と。

    SYLVIAという名前忘れてるのよ。これですか?とCD見せられ、それそれ

    なアタイ。それならジェリ・サザーン?という人がいるけど、と探してくれる

    もCDが見当たらず、いやいま聴けなくてもいいの、買うから、とメモして

    すぐに買ったわけ

     聴いて、ちょっとちがうなァ〜。素人のくせして注文だけは多い。我侭な

    リスナーですまんこってす。

     

     でね、そんならSYLVIAがちっちゃな時からクラブに遊びに行って聴いてて

    影響多大と書いてあったビリー・ホリディを買うっきゃないかと思い至り、

    廉価版一枚だけは持っていたもののここらでちゃんと買わなくちゃならん

    だろうと・・・・・・・・

     数多ある中で、コレを選んだワケ。届いてみれば、友人のM井さんの棚に

    置いてあるのと一緒じゃん。なんだ、巡りめぐって行き着いた末が、彼と

    同じものかい! いや、べつにだからといって不満なんかないんだけどさ。

     

     今さら、アタイが書くまでもない天下のビリー・ホリディだ。これまで

    何度も耳にしたし出自や曲のあれこれもそこそこ知ってる。むろん嫌いでは

    ない。でも大好きってほどでもない。アタイにとっちゃまるでプレスリー

    みたいな浮いた存在だった。この3枚組のCDを聴いてみても新しい印象は

    格別ないんだけど、岩に沁み入るセミの声っちゅうか、一曲一曲がココロに

    しみ込む感じは新鮮だ。

     

     なんたって古いから、歌っている曲はほとんどすべて聴き馴染みのある

    スタンダードナンバーばかりでウットリ満艦飾。当時は新曲だったんだろう

    けど、今じゃスタンダードナンバーってことになっとる曲の数々。その源流

    ここだったんじゃんな感慨に耽ったりして。その考え間違っとるなんて

    言われちゃうかもしんないけど、な〜に、趣味趣味の世界だ、自分で納得

    すればいいのダ。誰に迷惑かけるわでなし、学者であるわけでなし。

     

     録音は古いけど、そんなこたぁどうってことない、ストリングスもない

    ミニコンボばかりの演奏もなんのその。ニルソンの「夜のシュミルソン」

    以来、スタンダード・ナンバーを上手くて雰囲気良く聴かせてくれる歌手を

    探し求めてきたけど、やっぱりというか当たり前というか、結局はビリー・

    ホリディにとどめを刺されたのは、いやはや南友キンチョールざんす。

     

    いまんとこ至極満足・・・・・・・・・・な、店主でした。

     

     


    椅子なんかデザインしちゃって

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       めっきりブログ書く事も少なくなり、ひっそりと暮らしてると思いきや、

      ちゃっかり椅子なんぞをデザインしちゃっていたんです。

       

       以前にも書いたけど、20代のころに家具の夜間学校に通ってたときに、太さ

      2㎝の角材で椅子を作る課題があってね。若かりし童貞のアタイがけっこうマジ

      で作った椅子、自分でもなかなかのもんだろと思い、捨てるには惜しいアイデア

      と考え、放置し続けて45年の末、ひょんなことで陽の目を見ることになってね。

       

       当時作ったのはコレ。学校での作品じゃなく新たに軽量化のために杉で

      作ったもの。座面は硬く真っ平ら、背もたれは真っすぐな角材、座り

      にくいことこの上もない。

       このアイデアの眼目は、分解できること。なぜかこのアイデアに惚れ込んで

      しまったんだわさ。椅子にとって分解出来ることの是非はあるだろうけど、

      初恋の人を忘れられないのと同様、この椅子も分解組み立てが出来なければ

      ならないのダス。でも、放置プレイ。一向に進まない。

       

       ことの発端は、一枚の布

       先生仲間の矢口加奈子嬢が布を作ってくれてね、こりゃ絶好のチャンス

      とばかりに、昔の椅子をちゃんと作ってみんべえと相成ったわけザンス。

      さらに、家具職人の寺本さんと知り合い、キッチリ作ってくれる人を得た

      こともデカイ。作るのは好きなれど下手なアタイだからね。

       試作を重ねること数脚、

       出来上がったんだわさ、試作が。すげ〜イイなんて自覚はないけど、

      悪くはないのと違う? 目指してる「ウェルメイド」な椅子の予感は

      たっぷりだ。ほてからにこの試作を持って寺本サンの工房に。こんなんです

      けど、作ってもらえるかな?

       でもって完成したのがコレ。ビシッと鉋がけした木肌にうっとり。アタイ

      にゃ到底ムリ、技術の差は歴然。寺本サンは当たり前なことだろうけどさ。

      それにしても映りが悪いなぁ。なんか色が死んでる気がする。

       フラッシュ使えばよかったのかしら。時すでに遅かりし由良の助。

       

       この椅子、数種の木材で作られているのだ。これがけっこう面倒でね。

      構造はいたって簡単なれど、太さは同じ、長さは数種類、異なる部材を

      組み合わせるのはアタマが混乱すること、けっこうな代物だ。穴の位置を

      間違わないように、でも部材の特徴は些少、それがね、面倒なワケ。

      それは布も同じコトでね。端布をミシンで張り合わせるのもけっこうな

      作業量と違いまっか?

       

       いずれ当店でお披露目するけど、この椅子は昨日から新宿・伊勢丹本館

      5階のウエストパークで開催されている矢口さんの「Across the Universe」

      で22日まで展示販売されています。ご用とお急ぎでない方、たまにゃ新宿

      まで行ってみんべえかな方、はたまたどれほどのもんか見て進ぜような

      奇特な方、如何でしょうか?

       

      45年の決着がついてよかったわ・・・・・・・・・・・な、店主でした。

       


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