なぜか繁忙なのダ

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     11月某日、町会の旅行で御岳山へ。今までのオレならこんなのには絶対に

    参加しなかったんだけど、どうした風の吹き回しでしょう? 歩いて数分の

    バスの集合場所へ行ったら総勢21名なんだわ。町会に参加し始めておよそ

    一年、顔見知りの方々なれど話したことはあまりなくちょっと緊張するんだ。

     しかし案に相違して、時間とともに場は和み、会話も途切れることもなく

    楽しいひとときを過ごさせていただいた。う〜む、団体旅行も悪くはないな。

     

     その前後、なぜか来店するお客様が増えてね。増えたと言っても一日一人

    程度なんだけどさ。以前、東急沿線のフリーペーパーに掲載された影響

    なんでしょうか。その中のお一人様が持ち込んだのがコレ

     なんでも知り合いから入手したらしい。薄い陶器のボタンだ。聞けば

    ウィリアム・モリスがデザインしたものらしく、コレをなんとかツマミに

    できないものかとのご注文。ちょっとだけ考えてなんとかなるだろと

    引き受けたワケ

     使おうと思ったけど使わなかった塊を使っちゃえ。ブビンガだ。

    勿体無い気はするけど、こんな小ちゃな部材使い道はないに決まってる。

     あっという間に出来上がり。ま、ここまではすぐできる

     取り付けるための埋め込みナットで早くも障害発生。木が硬くて

    ねじ込む途中で締め込む六角穴が崩れちゃう。やむを得ない、最後に

    残った出っ張りを板ヤスリで削る。なんたってちっちゃいからうまく

    削れないのよ。トホホ。

     位置合わせのために目印をつけるためにテープを貼り

     仮押さえのために両面テープ。だけどザラザラな陶面だから全然接着

    できないんだ。ってことで即座に撤退

     一応、位置は合わせて手で押さえて下穴を開ける

     というのものも、ボタンならば穴をなんらか見た目だけでも糸が

    通ってるようにしたいじゃないっすか。糸は細すぎるから革紐にしよう、

    とわざわざユザワヤまで出向いて丸紐を買い求めたのだ。ボタンの裏側

    に少し紐を出し、木部に大きめの穴を開け、そこに紐を入れてボンドで

    くっつけちゃおう作戦。ということで位置合わせが必要なワケなのよ。

     二液性ボンドをヌリヌリ。もちろん、広い面にも

     革紐を押しつぶさないように押さえ治具を作り

     ボンドがはみ出していない確認しつつ、薄いボタンを壊さないように

    しつつ、指先で慎重にクランプで圧着する

     出来上がったのがコレだ。見映えはなかなかのもんだけど、あいや〜

    ボタンにヒビが入ってるじゃないか! 締めすぎだ! でもなぁ、

    コレが精一杯だもんなと一人納得。お客様にも事情を説明して理解して

    いただいてホッとしたんでさあ。

     

     一連の工程は時間はかからなかったけどさ、細かく気を使うこと多し

    でね。発端になったフリーペーパーの取材のときに、どうせあんまり

    お客さんは来ないだろうからと一個500円でツマミを作れることに

    しようと簡単に決めたんだけど、案に相違してけっこう来るんだ、

    コレが。だからこんだけ面倒な仕事でも一個500円、総額2000円

    ポッキリだ。畏友T野井さんに知れたら頭コツンされちゃうだろうな。

     

     ツマミを渡すときにお客様は「父が先年亡くなり、愛用の三脚を

    使ってテーブルを作りたい」と言うんだ。木工設備があるって聞いた

    けど、そういうのは作れるもんでしょうか? と。場所貸しは本意

    ではないけど、父の遺品となれば話は別、とにかく材料をめっけて

    からの話、天板の見当がついたのちに、どっからでも掛かって

    らっしゃい、とまぁそういうことでの一件落着なんだわさ。

     

     最近は炎鵬にゾッコン・・・・・・な、店主でした。

     


    ないのなら自分で

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       きのう近所の床屋に行ったんだ。ごく若い時分に行ってたけど、自由が丘へ

      移り青山に移り、結局元に戻ったんだわさ。店主はHらかわIチローしゃんじゃ

       こんな人だ。

       でね、昨日彼はお休み息子のTくろー君の世話になった。店主が町会長

      の任なんでTくろー君もなんやかや手伝わなくちゃならない。先日も区報

      のことで行ったら親子揃って膨大な区報の仕分けに勤しんでタノよ。その

      様が面白くって、髪切られながら話してたんだ。つい最近も、Tくろー君

      ともひとりで町内にある飲食店を飲み歩くイベントを催して好評だった

      なんてことにも話は及んで、楽しいひとときを過ごしたの。

       

       髪を切り、洗髪し、髭をあ当たってもらい、ふと「町内にどんな店が

      あったらいいと思う?」と聞くわけ。ちょっと思い巡らせて、喫茶店か。

      もうちょい思いついたのが古本屋かなとね。言ったわけよ。以前は本屋

      もあったし、もっと昔は貸本屋もあったわが町下丸子なれど、そういう

      のは全然なくなったもんな。そこで思いついたのは「ないのなら自分で

      やればいい」ということでね。ちょうどファクティオを喫茶店にしよう

      と娘の旦那に見積もりを頼んだ矢先だったもんで、古本屋も兼ねちゃお

      って思ったんだ。

       

       長らくツマミ屋として在ったわけだけど、今夏自作の展示会をやった

      時に数人の方から「喫茶店にしたらいいのに」と言われてね。自分でも

      そう思ってたけど、なかなか踏ん切りが付かずにいたんで、いい機会だ

      やってみるかと思ってね。

       喫茶店なら本がいる。ひとりフラッとコーヒーを飲むんならしばし

      何かしら気晴らしというかそういうものが要る。それが私の持論。

       ってことで、天井近くの棚に死蔵してた「噂の真相」を手近に置いた。

      およそ20年分だから、当時の世相がわかるし、何よりも記事がおもろい。

      その左にはVHS、

       いまどきVHSかい! そう問われることは百も承知だけど、DVDに

      なってない映画も結構あってさ、特に日本映画はその傾向が強いんだ。

      いまどき日本の古〜い映画なんて観る人いないだろ! そう問われる

      ことも百も承知だけど・・・・・・・・ネ。

       

       ま、ここまでは単なる空間移動だから大したことじゃない。問題は

      喫茶店化のためには厨房とトイレを新改装せにゃならん。厨房は、ここ

      しかない

       左側に流し台、手洗い器を設置し、給排水の設備を施さなくてはならん

      のだ。右側はトイレなんだけど、扉の位置を変えなくてはならず、古い扉

      はそのまま殺して、別方向に新規の扉をつけるって具合だ。

       さぁ〜てと、いきなり間仕切り壁を取り壊しにかかりましょう。右だ。

      これ作ったのはいつだったかな? およそ20年くらい前かな? 自分で

      作ったけどすっかり忘れてる。薄いベニヤをバリバリ剥がし、ふ〜ん

      こうなってるんだ、お金がなかったからそこらへんの材料で、なんて

      やっつけ仕事なんだ、壁とそんな会話をしながら作業に励む。

       

       この年頃になるといろいろ考えるのよね。あと何年生きられるん

      だろうか、とかさ。いつまでもいまの状態が続くなんてこたぁない、

      地下の工房で仕事ができなくなる日も来るだろう。現に左耳が難聴に

      なってからというものオーディオとはすっかり疎遠になっちまったもん。

      身近にあったものが次々となくなってゆき、出来たことができなくなる

      のは、小津さんの「晩春」でオセ〜てもらったことだしな。

       その「いつか」に向けてってほどじゃないけど、むざむざ座して待つ

      ってのはアホみたいだもんな。地下に降りられなくなったら、一階の

      店にいるっきゃない。ただじっと居るなんてことは出来ないからね。

      いっときヒマを持て余さずに居られる心地よさみたいなもんを考えて

      みるのも面白いじゃないか、みたいな。

       

       ってなこと考えつつ・・・・・・・・・・・な、店主でした。

       


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